雄略帝は拷幡皇女を闇夜に探します。なんと不思議なのですが、突然、五十鈴河に蛇のような4~5丈はあろうかと思えるような虹が起ちます。
「ちょっと待ってくださいよ」と現代人なら誰でも思います。だって、夜に、それも1寸先も見えないような真っ暗なよるにですよ。太陽光線によって生じる虹が出ることって考えられません。オーオラならともかくとして。それも天空を一杯に渡って懸かるのとは違います。わずか15mくらいのものです。マアそこら辺りが書紀の面白さなんですが???
まあ、とにかく、15mくらいのちっぽけな虹が天皇の前に現れたのです。早速、その元を天皇は掘り起こされます。
これはちょっと書紀からは離れるのですが、私がまだ小さい時ですが、「虹の立つ所を掘ると何か宝物が出る」と近所のおばあさんたちから聞いていました。
ある時、私がまだ小さい時です、空に懸った虹を、近所に住む「ともちゃん」という女の子と一緒に追い掛けて行ったことがあるのを、今、思い出しております。
天皇が掘った虹が起った場所に皇女が埋めた神鏡が出て来ます。更にその近くを探してみますと皇女の屍<シカバネ>が見つかります。天皇はその腹を割いてみると水がありその水の中に石がありました。それによって、皇女は身ごもったという噂が嘘であったことが分かったのです。それによって、枳莒喩<キコユ>はその息子武彦の無実が証明されたのです。それを書紀には
“得雪子罪”
と、説明しております。即ち、子「武彦」の罪の「雪」<キヨムル>ことを得たり。しかし、父親としては「その子を殺してしまったことが、今となっては、悔やまれてしかたありません。」と、書き添えられております。
この「雪」を説明したくて、少々道草を食いましたが、明日からは、又、吉備の美女について書きたいと思います。
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