宇治山の上にいる者たちの様子を見て安心しきった兄王は宇治川の岸に止めてある舟に、兵士たちをそこにおいて一人でその船に乗り込んできます。そこには卑しい醜い恰好をした賤人が一人舟の楫の傍にいます。弟王は宇治山にいるものと思い、そのみすぼらし気な男を弟王と思わずにです。それを古事記には
“望其厳餝之処。以為弟王坐其呉床”
と書かれています。<カノ イカメシク カザレルトコロヲ ミヤリテ オトミコヲ ソノアグラニ イマスト オモホシテ>
普通なら兄弟ですから弟の顔ぐらいはと思われるのですが、母親が違っていたので暮らす所も異なり、顔など今までに見たことがなかったのでしょうが、それが兄王の運命を決定することになるのです。これもなぜかわからないのですが、この戦には大雀命は参加してなかったのです。
船に乗り込んできた兄王はこれが今亡き者にしようと思う弟王だと思わずに尋ねます。
「私は、今から、この山にいると聞いた怒れる大猪を打ち取ろうと思うのだが、お前はどう思うか?」
と。
“望其厳餝之処。以為弟王坐其呉床”
と書かれています。<カノ イカメシク カザレルトコロヲ ミヤリテ オトミコヲ ソノアグラニ イマスト オモホシテ>
普通なら兄弟ですから弟の顔ぐらいはと思われるのですが、母親が違っていたので暮らす所も異なり、顔など今までに見たことがなかったのでしょうが、それが兄王の運命を決定することになるのです。これもなぜかわからないのですが、この戦には大雀命は参加してなかったのです。
船に乗り込んできた兄王はこれが今亡き者にしようと思う弟王だと思わずに尋ねます。
「私は、今から、この山にいると聞いた怒れる大猪を打ち取ろうと思うのだが、お前はどう思うか?」
と。