私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

阿摩〇霧 個留惋等売

2016-07-14 05:57:33 | 日記

 昨日あげた難解の字の入った歌です。“阿摩〇霧 個留惋等売” これを<アマトム カルオトメ”と読ましております。なお、この字を「タ」と読んでおる人もいますが・・・・

 この歌の全体を現代風に書いてみます。

  「天飛ぶ 軽郎女 いた泣けば 人知りぬべみ 幡舎(ハサ)の山の 鳩の した泣きに泣く」

 です。
 また、ちょっと知識を振りかざしますと、「人知りぬべみ」の 「べみ」というのは、「べし」と云う推量の助動詞に、原因・理由を表す接尾語「み」がついたもので、「・・・しそうなので、・・・にちがいなさそうなので」と云う意味を表しています。「人が知るにちがいないので」ぐらいの意味になります。「いた泣けば」の「いた」は「甚し」です。

   「軽郎女よ。貴方が甚だしく泣いたならば。私とあなたの関係を人が知って、とやかく言いふらすに決まっております。だから、私は幡舎の山の鳩のように、心の中で忍び泣きをしているのです。」

 「貴方との逢瀬を人知れず思い、堂々と、私たちは恋人同士であると言えないので、その悲しさせつなさに耐えかねて、そっと心の中で泣いているのです。あなたもそうでしょう」と歌っているのです。なんと哀れな二人の悲しい恋ではないでしょうか。

 なお、この歌もまた、古事記にも出ているのです。