K-hiro's essay

設計士K-hiroのひとりごと

収納タンスですか

2008-06-30 20:55:47 | Weblog
2帖程度のウォークインクローゼット室がレイアウトされたプランを
最近よく見かけます。住宅が完成してから洋服タンスや収納タンスを
購入して部屋を狭くしてしまう事を考えればプランで考えられている
のは良いことだと思います。

服の脱ぎ着に関して考えると、いろんな行動パターンが考えられます。
クローゼットで仕事着や普段着を家着に着替え、脱衣場で入浴後下着を
着替えたりするはずです。少なくとも2カ所で着替えをする行為をします。

服の着替えですが見た目は扉の中に隠れている方が整理されているように
見えてきれいです。ただ、着替えは毎日のことですから服がそのまま見え
ていて取り出しやすい方が使い勝手は良いでしょう。どちらを選択するかは
自由ですが私は扉のない使い勝手が良い方を進めます。

洋服が全て見えていることで、全ての服を一目で把握できる利点もあります。
タンスの奥に1回しか着ていないあるいは購入して1度も着ていない服ありま
せんか。

洋服の収納はウォークインクローゼットで露出された収納方法がベストの
ように思われます。

クローゼットの配置にも気をつければなお良いのでは、たとえば寝室や洗面
脱衣場へつながる廊下の幅を広くしてクローゼット代わりにしたりするのも
おもしろいと思います。

クローゼット露出型の場合は、風通しのこと日焼けのこと害虫がつかないこと
などに注意をする必要はあります。

見た目も大切ですが、毎日の事ですから使い勝手が良い方がいいですね。
もちろん見た目もうまくデザインできればなおいいですね。






木製建具仕様

2008-06-29 22:55:19 | Weblog
住宅の内部の扉や戸は木製で作られています。
規格の工業生産品や建具職人が1つずつ作るものが
あります。

私は規格のものより職人が作るものをよく採用します。

規格品は精度も良くまとまっていますし、価格的にも
手頃なものがありますが、室内空間にマッチしにくい
のが原因です。

職人に作ってもらうと言うことは、設計者が考えている
室内空間にマッチされたものを作ってもらうことができる
からです。また、入居後「住まい人」が自分の好みに会わ
せてペンキなどで塗り替えをすることでイメージチェンジ
を容易にすることも可能です。

職人に作ってもらう場合気をつけなくてはいけないのは、
その職人の腕はもちろんのこと設計者の意図を十分理解
して作ってもらえるかによります。
設計図書だけで作成されてしまうとミスが起きることが
あります。なので、現場で職人と入念な打ち合わせは
とても大事になってきます。

どちらの建具仕様を選択するにせよその住宅のイメージに
即した建具を選択することが大切です。

使い勝手

2008-06-28 23:11:49 | Weblog
出入り口のドアには引き戸と開き戸があります。
住宅ではどちらが使い勝手がいいのだろう。

開き戸は個室形式の住宅にあっていそうです。
密閉性があり施錠性もよく各個室部屋のプライベートを
守りやすそうです。

引き戸は開放的な住宅にあっていそうです。
密閉性や施錠性には弱く各個室部屋のプライベートを
守るのには弱いかも。でも、続き間などを仕切ったり
解放したりで部屋を使用する用途を変えたりする事が
できる自由度をもっています。

住宅内で部屋の用途によって引き戸、開き戸を決めると
いいかな。

個人的には住宅は、家族という固定された人が住む場所
なので引き戸を主として考えるのがいいと思う。

引き戸の方が開けっ放しなどの時場所を取らず邪魔に
ならなず使いやすいでしょう。難点は小さな子供が
時々手などを挟む危険性があることでしょうか。

取手はなぜ金属製

2008-06-27 23:38:47 | Weblog
設計にたずさわった頃にはほとんど扉の取手は金属製の規格品が主流でした。
取手を選ぶときも何の迷いもなく金属製のものから選んでいました。

住宅設計に関わるようになってからなぜ取手は金属製なのかと疑問に思い始めた。
人が頻繁にさわる部分であるにもかかわらず堅く冷たい金属でできているのって
なんか変?触れる部分だから手に優しい材質のものが使われていいはずなのに?

耐久性、加工のしやすさ、取り替えやすさ、規格化、大量生産などがその理由に
挙げられそうです。

できれば住宅という分野では住む人が特定できますので、ユニバーサルデザイン
としても触り心地の良い、人にやさし取手にこだわっていけるといいですね。

リフォームの悩み

2008-06-25 22:58:13 | Weblog
築10年以上経っているアパートで時代のニーズにあう間取りでないため
入居者がいない物件があります。

それでなくとも、新しいアパートがどんどんできている時代です。

入居してもらうためにはニーズにあったリフォームが必要になってきます。

構造としては鉄骨造が多いと思いますが。建築コストから2×4工法という
床と壁で建物を形成するもので建てられたものもあります。

鉄骨造の場合は、間仕切壁など壊したり移動させたりが容易でリフォーム
しやすいでしょう。
2×4工法の場合が困ります。床と壁で建物を形成しているため簡単に壁を
壊したり移動させたりができません。建築時の構造計算書が残っていれば
それを元にとれる壁を見つけることはできます。ですが、構造計算書が
残っているものがかなり少ない。
無くても再計算して検討することは可能ではあります。

建物の構造によってリフォームの自由度は違ってきます。

住宅などもいろんな工法で建てられると思いますが、間取りやデザインなど
だけでなく構造を何にするかもよく検討した上で決めていくとよいでしょう。



中古住宅は地震に弱い

2008-06-24 22:23:43 | Weblog
中古住宅を購入して自分なりのライフスタイルに
リフォームして快適に過ごされている方々が多々居ます。

私もしっかりした中古住宅であれば新築よりもリフォームを
進めるでしょう。なぜか・・・

築10年以上建っていて地盤沈下が観られなければそこの地盤は
良いということになります。造成された土地よりは遙かに建築に
適した土地といえるからです。

地盤に問題なければ土地から上の部分、つまり基礎から上は耐震補強
などが施せます。

新築の建築コストを考えればリフォーム+耐震補強のコストの方が
安価です。そして、広さも確保できます。

どうしても変えることができない問題が一つだけあります。
それは住みたい場所を選べないということです。
自分の住みたい場所にちょうど良い中古住宅があるというのは
希少でしょう。

条件さえ整えば中古住宅は価値あるものだと思います。


感動

2008-06-23 22:33:46 | Weblog
土曜日のパーティー会場「小笠原邸」は1927年(昭和2年)に建設された鉄筋コンクリートの建物。
ていうことは、第2次世界大戦の東京空襲で倒壊しなかったということになる。すごい!!
築81年の建造物でだ。それを改築してレストランにしたわけだけど。ふと、建築的観点から考えると
・・・今、地震地震と騒がれているが築81年の建物が現状の耐震基準を満たしているのだろうか・・・
すごく興味がある。耐震補強を施すとなると莫大な費用になるだろうし老朽化も考えなくてはならない
鉄筋コンクリートだから大丈夫ということにはならない。逆に鉄筋コンクリートだから補強が大変!
地上に関してはまだ何とかなるが地中の基礎に関してはほぼ補強は無理に等しい。(他の既存建物も同じ)
となるとどうだったのかな???
でも、空襲にも耐え、81年の間の地震にも耐え、復旧されてとてつもなく存在感のある建物として
その勇姿を見せてくれている。
建物も人間が手を掛け住まう事で人間と一緒に生きていくものなのだと思う。

感激

2008-06-22 03:12:34 | Weblog
東京都新宿区河田町にある小笠原伯爵邸で
(1927年にたてられたRC造の住宅を10億円の改装費をかけてレストランに)
バースデーパーティーがありました。高級レストランで全員正装で出席。
出てきた食事は全てが手のひらサイズでエスカルゴ料理、イカやエビ料理、スイーツ等々
どれもとっても美味しかった。
建物もよくぞここまで復旧してくれたというほどすばらしかった。
こんなパーティーに出席できて最高!感謝です。



感謝

2008-06-20 23:52:22 | Weblog
昨日打ち合わせに行く途中で屋根に登って花を植えている初老の男性を見かけた。
打ち合わせの時間があったので通り過ごしたのだが考え直して
「緑化屋根うまくいってますか」と声をかけ挨拶して打ち合わせにいった。
今日そのお宅に突然に訪問して屋根のこと話を聞きたいとお願いした。
そしたらなんとなんと我が家の緑化屋根を見かけそれを参考にやってみたとのこと。
そうとは知らず自分と同じ考え持っている人いるんだと思い伺ったのだが、
その原因を作っていたのが自分だったなんて驚き。
偶然ではなく必然にこのお宅に出会えたのだ。
自分の仕事観てもらえてるのかなと思っていたが、観てくれている人がいたことに
感謝、感謝、感謝、あいがとう(^^)
廻りの反応がわかりにくい仕事だけどこれからもがんばろう!

地盤から基礎へ

2008-06-19 23:47:20 | Weblog
最近では建築地盤に関して地盤調査というものを全ての建物に対して行っています。
調査内容によって基礎下の補強が必要か必要でないかを決定していきます。
さて、今度は基礎ですが10数年前に起きた大阪淡路地震以降に住宅の基礎は大きく変わりました。
それまでは布基礎といわれる土台の下部分にのみ基礎を造り土間部分には防湿コンクリートが打たれる
構造のものが多くベタ基礎より安価でした。ところが、震災以降は全ての住宅に対してベタ基礎が標準に変わりました。
その当時はベタ基礎は鉄筋量も多く、コンクリート量も多く、掘削量も多いということで建築費が上がるとされ、
建築主への負担増になりました。
ところが、今現在安価とされていた布基礎で計画
(地盤調査が普及したことで地盤の強度がわかり布基礎でも対応できる地盤もあることが判明)
をすると今度は布基礎からベタ基礎へ変わった時と同じように高いとされていたベタ基礎から布基礎へと変える事で
建築費が高くなるという珍現象が起きています。
なぜそうなるのか?
1.ベタ基礎が標準として認知されてしまった事。
2.施工行程がベタ基礎の方が早い事。
などがあげられ一旦標準化されてしまったものと異なるものをするのには施工業者も違和感を感じ、高くなる的な
イメージを持ってしまったからです。そのイメージは建設会社と協力して変えて行かなくてはいけない。
物価も上がり鉄も上がりコンクリートも上がってきている今、我々設計者が布基礎でも大丈夫な土地である事を建築主に
よく説明し、使用していくことで布基礎を復活させコスト削減の努力をしていかなくては。