K-hiro's essay

設計士K-hiroのひとりごと

地盤から基礎へ

2008-06-19 23:47:20 | Weblog
最近では建築地盤に関して地盤調査というものを全ての建物に対して行っています。
調査内容によって基礎下の補強が必要か必要でないかを決定していきます。
さて、今度は基礎ですが10数年前に起きた大阪淡路地震以降に住宅の基礎は大きく変わりました。
それまでは布基礎といわれる土台の下部分にのみ基礎を造り土間部分には防湿コンクリートが打たれる
構造のものが多くベタ基礎より安価でした。ところが、震災以降は全ての住宅に対してベタ基礎が標準に変わりました。
その当時はベタ基礎は鉄筋量も多く、コンクリート量も多く、掘削量も多いということで建築費が上がるとされ、
建築主への負担増になりました。
ところが、今現在安価とされていた布基礎で計画
(地盤調査が普及したことで地盤の強度がわかり布基礎でも対応できる地盤もあることが判明)
をすると今度は布基礎からベタ基礎へ変わった時と同じように高いとされていたベタ基礎から布基礎へと変える事で
建築費が高くなるという珍現象が起きています。
なぜそうなるのか?
1.ベタ基礎が標準として認知されてしまった事。
2.施工行程がベタ基礎の方が早い事。
などがあげられ一旦標準化されてしまったものと異なるものをするのには施工業者も違和感を感じ、高くなる的な
イメージを持ってしまったからです。そのイメージは建設会社と協力して変えて行かなくてはいけない。
物価も上がり鉄も上がりコンクリートも上がってきている今、我々設計者が布基礎でも大丈夫な土地である事を建築主に
よく説明し、使用していくことで布基礎を復活させコスト削減の努力をしていかなくては。