ちびたの日常

のんびり息子と猫たち&イギリス人ハニスケと

大学にて。

2016-08-11 | 家族のお話
大学の中で息子が講義を受けている間に時間があってウロウロする。

この大学はいとこが通っていた。

私とは8歳違ういとこ。

38歳で死んだ。

大学の日陰にあるベンチに座る。

にぃちゃん。この椅子に座ったの?
この道を歩いた?
この木の下にはこんな木の実が落ちてる。見てた?

そうやって校内を歩いた。

本屋があった。

大学ならではの品揃え。

にぃちゃんもこの本屋で選んだのだろうか。

にぃちゃんの親、妹の顔が浮かぶ。

にぃちゃんが生きていたころのこと、どこまで見たのだろう。

国立でも都会ではもっと上がいただろう。

そんななか、マスコミの世界で若くして出世した。

それがただ頭がいいだけですむものか。

どれほど苦労しただろう。


地元のラジオ局で久しぶりに集まったメンバーと休憩室でジュースを飲んでいると、局長が来てにぃちゃんの話になった。

おじさんは民放のアナウンサーで、同じ会社にいたことがあった局長はおじさんの息子であるにぃちゃんが若くして死んでしまったことを知っていた。

そうやって亡くなって大分経つのに話がでるこのいとこの存在は、私の一族には大きな人だったのだと改めて思った。

にぃちゃんがいた大学。

何を考えて過ごしていただろうか。

あと20年も生きられず、結婚もせず子どももいなくて。

そんなこと知るわけもなくて、ここにいたころ笑っていたのだろうと思うと自分の贅沢さが辛い。
コメント
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