笑って泣いて、またいつかね。

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朝のことを昼にはもう忘れてるのに、私の「またお会いましょう」の言葉に
認知症の方々が泣いてくださった。

私たち実習生は、毎日その日の出来事や考察を書いて、明日の目標を書く。
それは施設も同じで、「今日の豆まき、これでいいですよね」と聞かれて見ると
「実習生が鬼になり、豆を蒔かれて、大げさに逃げ惑う」とのこと。

大げさなアクションと「その手の中は宝物かー？よこせえー！」と暴れると、
皆が喜んで豆を投げてくれるのだけれど。

いつも物静かで、言葉を発しない方が鬼の私を抱きしめて、豆を箱ごとくれた。
「いい子、可愛い、可愛い子。これを食べなさい」って。

実習生に豆を投げつけながら「お前は１年生、もう１回やれー！！」と叫ぶと、
施設スタッフが「うわ、リアル」と笑う。　利用者さんも笑う。

「どこから来たん」と冷静に聞かれ、「鬼ヶ島です、岡山インターで降りました」
と答えたら、また皆笑う。　普通の老人だ。
相手がどんな病気か、じゃない。　どんな人のお世話をするか、だ。

私をハグしてた方は、最後まで「いい子、可愛い可愛い子。豆お食べ。」と
ずうっと笑顔で私を撫で続けてた。
最後に挨拶をしたとき、涙を流す人が居て、私は涙抑えるのに必死だった。

また会いましょう。　サヨナラは言わなかった。　ありがとうございます。