ストラバイトSOS!

愛犬・愛猫の尿の中にキラキラ光る粒々(ストラバイト)が見えたらSOSです。尿のpHチェックに特許pHスティックをどうぞ!

56 尿pHの良書の見本

2007年02月21日 10時49分36秒 | 根拠なき体質説

 …ポリフェノールたっぷりの健康果実…『クランベリー』(中嶋康彦著、保健同人社、2003)。アア、こういう本をオレも書いてみたい。たまたま本屋で目に止まった真っ赤な表紙の本に発奮し、拙著『出てますか?弱酸性尿』を自費出版する踏ん切りがつきました(内容・出来栄え・売れ行きとも不本意な結果に終わりましたが…)。
 特に感服させられたのが、第3章「尿路感染症に効くクランベリージュース」です。恐らく、著者の学位論文を基にしたのだろうと推察されますが、尿pHのデータの揃え方や説明など理路整然、実に見事な書き方です。本来、健康書とはこうでなくてはならない。ぜひ、模範とし参考にすべき好著と存じます。
 でも、完璧とか完全無欠とか、瑕疵なき仕事なんて滅多にありません。この本にも瑕疵があり、68ページの「尿路感染症では尿のpHのコントロールが必要です。しかし、残念ながら尿のpHを下げる薬はありません」と断言したのは不勉強でした。
 フマール酸が尿pHを低下させます。とっくの昔に獣医師が発見し、T製薬が特許を取ってZ社から発売されました。動物病院では、ストラバイト(尿晶)で尿閉になった犬や猫にフマール酸を使用しています(運動の方がフマール酸よりも効果テキメン、というのが私の持論)。
 それともう一つ。同じ68ページに「尿のpHは食事の影響を受けやすいのですが、健康な人であればpH6.0付近が正常なpHになります。一方、尿路感染症にかかっている場合には、pH8.0以上のアルカリ性になることもあります」という記述の中で、pH6.0前後が尿pHの正常値というのは誤りです。
 それが当時も現在も常識であり、常識にしたがって仕事をするのが無難であるのは百も承知。だが、常識にとらわれすぎると、せっかくのデータを読み違えることがあります。得られたデータをあるがままに眺めていれば、たぶん、尿のpHは絶えず目まぐるしく変化するのが正常な姿であることに気付いたはずです。せっかく尿pHの測定データを集めながら、それに気付かなかったのは惜しい。お蔭で、どうやら私が世界最初の発見者になれたようです。
 尿pHは上昇・下降の変化を繰り返すのが正常である。いずれ医学辞典や教科書などの記述が書き換えられ、これが常識となりましょう。真実は権威に勝る。2007/02/20 Dr.中島健次記