ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

草加市長選挙を考える~Part 3

2009-07-27 22:33:38 | 市議会議員として
「草加市長選挙を考える」シリーズの第3弾です。木下博信市長が3選を果たしましたが、投票率はほぼ1.6%の伸びに止まりました。投票していただけない7割ちかくの有権者に、もっと市政に関心を持っていただき、投票所に足をはこんでいただけるように、私は引き続き為すべきことを為していきます。

■草加市長選挙を振り返って・・・。

投票率は約1.6%上がりました。投票総数で約3千票にあたる割合です。木下さんは前回の選挙で約4万2千票獲得しましたが、今回は3万6千票に止まり、前回共産党候補が集めた2万票の非木下票は3万票に拡大しました。結果的に木下票は6千票減り、非木下票は1万票増えましたが、ほとんど新しい有権者層の投票には結びつかなかったために、福田候補は勝利することができませんでした。

これは市政刷新にかける強い使命感と暴力排除に対する危機意識ばかりが強すぎて、有権者に本来アピールすべき福田候補の人格や能力、ビジョンや政策を十分に伝えきれなかったことが原因であり、みなさんに福田氏を推薦した私の力不足の結果でもありました。本当に申し訳ありませんでした。

一方、木下市長は、現職の強みを如何なく発揮し、町会連合会等の地域団体や各種業種業態組織および団体、その他組織化された市民グループなど、常日頃から税金や行政権限で仕事や活動が支えられている一部の人々を中心に、囲い込み、封じ込める動員型の選挙で組織票を固めきったと思われます。これはこれで見事な選挙戦だったと率直に認めたいと思います。3選おめでとうございました。

■チェック機能と政策提言。~これまでも、これからも。

今回の市長選挙を振り返って思うのは、いかに議会が厳しく市政をチェックしようとも、それだけでは新たな有権者の政治参加は難しいということです。やはり、批判から生まれる新しい受け皿をきちんと示さなければならない。

私はこれまでも「政策主導の対話型の市政」を標榜し続けてきましたから、単なるチェック機能だけを果たしてきたつもりはありません。草加市の未来に向けて、「だれもが幸せなまち」を、この草加に実現させていくための数々の政策を提言し、実現させてきたという自負もあり、これから実現させていきたいビジョンもあります。

やはり今回の選挙は自分自身の選挙ではありませんでしたから、この政策ビジョンの分野に選挙運動そのものの限界がありました。「寄付による投票条例」の制定など、新しい施策について、福田氏と政策協定を締結して臨んだ選挙戦でしたが、時間的な制約もあり、福田氏の政策を追認するかたちであったことは否めません。

これまでも、これからも、一議員として、市政のチェック機能と政策提言の両輪の役割を、きちんと果たしていくとともに、権力の対極にある存在として、根気よく活動して参ります。

■今回、投票したすべての人々の思いを糧として・・・。

私は木下市長の政治姿勢や現実に起きた事件を総括すると、今でもはっきりと彼が人口24万都市の市長としてとった行動やあり方は間違っていると思います。「草加シティ・ウォッチ~ほっとけない。」が多くの市民の皆さんに伝えたメッセージにも誤解はなかったと確信しています。もし、弁明が必要な部分があるのならば、木下市長は24万市民の市長なのですから、堂々と弁明を展開されるべきです。

しかし、木下市長を再選させた市民の中には、これらの事件の羅列が「事実」ではなく、「誹謗・中傷」だと断じ、自らが推す木下市長から十分納得のいく弁明を引き出そうとさえしない人々が居ます。

ここに大きな認識のギャップが存在しています。「正しさ」の論理や、「正当性」の論理は実に空しいものです。しかし、だからこそ権力者は自ら、自分に向けられた言葉の矢をきちんと受け止め、応える責任があるのではないでしょうか。恐らく、このことにおいて木下市長の最高責任者としての問題点を感じている人々が、木下市長に今回投票した人々の中にさえ居られたことは、このブログへの数々のコメントからも読み取ることができます。

一部の人々だけでない、これらすべての人々の思いを受け止めながら、草加市がもっと風通しのいい、開かれた、明るいまちに発展していけるように、私自身はもっと成長して、もっと多くの人々とつながっていける器へと変えられていくように、研鑽を重ね、精進してまいります。

今後とも、叱咤激励の段、心よりお願い申し上げます。福田候補と私へのご支援、私のブログでの議論にご参加いただき、誠にありがとうございました。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor

キーワード: 草加市長選挙、福田誠一、チェンジ、Change, 、市民目線、政策、ビジョン、対話、市政刷新、政権交代、瀬戸健一郎、草加元気計画、だれもが幸せなまち、草加市まちづくり自治基本条例、草加市議会、議会改革、政策提言、チェック機能、不信任、辞職勧告決議、暴力団、恐喝事件、デモクラシー、民主主義、政治改革、市長交代、市長候補、草加を変える。



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17 コメント

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残念ですが (考える人)
2009-07-28 10:13:13
木下市長の3選はとても残念な結果でしたが、批判票が3万票以上集まった事実は大きく評価できます。
木下さんがまともな市政をしていれば普通ならダブルスコアで圧勝したはずです。「ほっとけない!」に書かれたような事実を知って木下市長を批判する市民が4年前に比べて増えたことは間違いない事実です。
これで木下さんの「みそぎ」が済んだという意見がありましたが、そんなに甘いものではありません。我々市民は選挙後であっても常に市制をウォッチし、不正が行われたら毅然として行動しましょう。
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戦い済んで日が暮れて (keiko)
2009-07-28 13:15:55
ご無沙汰です。朝起きて結果と投票率を知ったときは、これが民度の限界なのかもしれないと、妙に醒めた気分になりました。

>「正しさ」の論理や、「正当性」の論理は実に空しいものです。
その通りです。まさに「上品は下品に勝てない」のです。国家間であれ、個人レベルであれ、日常的に体験することであり、その空しさはよくわかります。
それをどう打開するかが戦略でもあるわけですが、普通はその前に心が折れてしまうものです。しかし政治や外交の世界で心が折れてしまっては負けな訳で、常に使命感のようなものを感じさせてくれる瀬戸議員の存在は、上品の側から見るとひとつの光明でもあるのです。
(上品、下品は言葉のアヤですから、つまらない皮肉や突っ込みはしないでね^^)
本音は、今回こそ瀬戸さんに立候補して欲しかった。その熱さと使命感を思い切りぶつけて欲しかった。無謬を証明して欲しかった。それだけです。

最後に、勝者と敗者について妙に心にストンと落ちる言葉があったので置いていきます。でも勝者に木下氏を当てはめると急に意味不明になるところに、問題の根っこがあるような気がします。暇があったら翻訳お願いします。選挙では勝敗がつきましたが、それは人としての負けではないのですから、明日からまた頑張りましょう。

http://www-rcf.usc.edu/~yaniv/Poems.html
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棄権も含めて (悲しいねぇ)
2009-07-28 17:19:57
選挙にいかなかった市民の結果です。みぞきも含めて結果でしか判断されないのです。いくら言いことを言ったとしても。それに市長と議会が機能しなかったら一番困るのは市民ですよ。反対する市議の気持ちは理解できますが、もういい加減呆れてる市民も多いのでは。和解して市民のことを第一に考えてほしいものです。

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当然 (kenta)
2009-07-28 19:30:06
あなたが落選したのは当然です
たかだか市長選に、高尚な政策論議など必要ありません。その人物が快か不快かです。

あなたは何人の人を不快にしたか判っていますか?朝から晩まで選挙カーでガンガン怒鳴りながら市内を走り回る。これがどれだけの迷惑行為か理解していますか?

その程度の事がわからない人間が、当選出来る訳がありません。今回の結果は当然の結果と知るべきです。
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対話がカギ (パペポ)
2009-07-28 19:31:21
瀬戸さんが求め続けてきた対話がカギですね。お互いの主義主張、立場の違いを十分に認識し、尊重しあって、和して同さず、是々非々の不断の対話を続けていく。「違いを乗り越え、薄めていくのではなく、ますます違いを明確に認識し、対話していく。それが国際感覚だ。」といつか、瀬戸さんがおっしゃってたことを思い出します。私も瀬戸さんと木下さんの対話が大事な気がします。
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情けない (keiko)
2009-07-28 21:24:43
>たかだか市長選に、高尚な政策論議など必要ありません。その人物が快か不快かです。

そういう選択の仕方も否定はしませんが、人前で開陳するような意見とは思えません。
心の中で思っていればいいだけのこと。今回投票に行った全員を愚弄する発言です。
さらには当選した木下市長に対しての最大の侮辱です。快か不快かで選ばれただけの「たかが市長」ですから、なんという軽い存在でしょう。
快か不快かのみで生きているのは、赤ちゃんだけです。
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勝者と敗者の大きな違い (瀬戸健一郎)
2009-07-28 23:23:26
Keikoさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。ご指摘のリンクから、ご要望のとおり即席ですが、翻訳してみました。本当に洞察に富んだポエムですね!

The Big Difference between Winner and Loser (added: Oct. 2004)
勝者と敗者の大きな違い(2004年10月追記)

(1) A Winner makes mistakes and says: I was wrong.
But a Loser says: it wasn’t my fault.
(1)勝者は失敗すると、「私が間違えていた。」と言いうが、
敗者は「自分のせいではない。」と言う。

(2) A Winner credits his good luck for winning even though it wasn’t luck.
But a Loser credits his bad luck for losing, but it wasn’t about luck.
(2)勝者は勝利を幸運だったと、たとえそうでなくとも言うが、
敗者は敗北を運が悪かったと、たとえそうでなくとも言う。

(3) A Winner works harder than a looser and has more time
But a Loser is always too busy too busy saying a failure.
(3)勝者は敗者よりも懸命に働き、より多くの時間を手にしているが、
敗者はいつも過ちを口にするのに忙しい。

(4) A Winner goes through a problem and a loser goes around
(4)勝者は問題を突き破り、敗者は問題に囚われる。
.
(5) A Winner shows his sorry by making up for it
But a Loser says his sorry but he does the same thing next time.
(5)勝者は後悔を改善に向けるが、
敗者は同じ後悔を繰り返す。

(6) A Winner knows what to fight for and what to compromise on
But a Loser compromise on what he should not and fights for what isn’t worth fighting for.
(6)勝者は何と戦い、何と和解するかを知っているが、
敗者は折れてはならないものと和解し、価値のないもののために戦う。

(7) A Winner says I am good, but not as good as I ought to be.
But a Loser looks down at those who have not yet achieved the position he has.
(7)勝者は自分自身をこれで良しとし、さらに成長すべきだと言うが、
敗者は自分の立ち位置に到達していない者たちを見下す。

(8) A Winner respects those who are superior to him and to him and tries to learn from them; But a Loser resents those who are superior to him and tries to find fault.
(8)勝者は自分より優る者たちを尊敬し、彼らを見習い、彼らから学ぼうとするが、
敗者は自分より優る者たちを毛嫌いし、彼らの粗を探そうとする。

(9) A Winner is responsible for more than his job
But a Loser says, I only work here
(9)勝者は自分の仕事以上の責任を果たすが、
敗者はここで働いているだけだと言う。

(10) A Winner says “There ought to be a better way of doing it”
But a Loser says why change it, that’s the way it has always been done.
(10)勝者は「もっといい方法があるはずだ。」と言うが、
敗者は変える必要はない、これがいつものやり方だと言う。

One of life little ironies is the fact that when you finally master a tough job, you make it look easy...
少々皮肉な人生訓であるが、難しい仕事をついに成しとげた時、それが簡単に見えてくるというのは事実である。

(作者:不詳/翻訳:瀬戸健一郎)
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ついでに・・・。 (瀬戸健一郎)
2009-07-28 23:51:44
Thought for the day:
今日一日の所信:

Work like you don't need money,
お金なんか必要ないかのように働こう、
Love like you've never been hurt,
他人に傷つけられたことなどないかのように愛そう、
And dance like no one's watching!
そして、だれも見ていないかのように踊ろう!

(作者:不詳/翻訳:瀬戸健一郎)

なんか、これも心に響いたので、ついでにアップしちゃいました。出典は同じリンクです。
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「敗戦の弁」を読んで (一市民@オリジナル)
2009-07-29 00:00:47
瀬戸さん、繰り返しになりますが、本当にお疲れさまでした。福田陣営の参謀のお一人として、ああしておけば良かった、こうしておけば良かったということが沢山あるかと思いますが、それは次に活かしましょう。瀬戸さん、あなたについて色々言う人もいるが、見識や知性のあるあなたは、草加市や草加市議会に必要な人物です。どうぞヤケにはならないでください。それこそ、闇社会の連中の思うツボですよ。
横浜市の中田市長がすでに辞意を表明しましたが、これも国政復帰をにらんだものでしょう。埼玉3区における政治状況は場合によると、世代交代が進んで非常に混沌としたものになるかもしれない。おそらく3選を果たした現職も、国政に目を向けているでしょう。現在の代議士2人がそれぞれ一線を退く時が、そう遠くない時期にやってきます。それを現職は待っているのだ。その時、草加市はどうなるのか。現職が任期の途中で市長の椅子から去るかもしれない。瀬戸さん、その時こそ勝負の時ですよ。実際、市議会にはあなたよりはるかに若い議員がいる。今後はさらに増えていくだろう。世代交代は草加市でもまた例外ではない。あなた自身も追いかけられる存在になっているのだということを、ぜひ心がけてください。
とにかく、お疲れさまでした。体を十分に休めてください。9月にはまた議会があります。現職への批判票3万票が、瀬戸さんたちの活躍のバネになることを願ってやみません。
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福田さんについて (土田 幸子)
2009-08-02 15:43:51
退職金や給与を減額してその分を政策実現のために使う…
熱心さが伺えますが、私は違うと思います。
一度このようなやり方をすると市民はこれが当たり前と考え、金持ちしか立候補出来なくなると思います。
財力より人物、政策で選びたいものです。
福田さんの政策は良かったのですが、お金の面で違和感を感じました。
報酬はきちんと貰ってそこから市に寄付をすれば良かったのでは…
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