ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

敗戦70周年~全国民的な総括の年に!

2015-01-01 00:00:00 | 前 参議院比例区候補者


謹んで新年のお慶びを申し上げます。

一昨年の7月に23年間の草加市議会議員としての活動のすべてを懸けて挑んだ参議院選挙に落選し、しばし公職から離れることとはなりましたが、捲土重来を期して、今年も一層の研鑽努力を重ねて参ります。

さて、本年2015年は日本の敗戦70周年の大きな節目の年です。あの参議院選挙で皆様にお伝えしたかった大きなテーマのひとつが憲法改正を議論し始めましょうというメッセージでした。

■保守系リベラルという立ち位置で

私は政治的には保守本流を常に意識しながら、思想的には自由主義(リベラル)を標榜し続けてきました。これがなかなか多くの皆様に理解されにくい原因であったとは自覚しているのですが、柔軟な発想と時代の変遷に対応した適度な自己変革を繰り返してこそ初めて、歴史も伝統も文化も醸成されていくのだというのが私の信条であり信念なのです。

日本が長い歴史、伝統、文化を育みながら現代を迎えていることを公正に肯定的に理解し、「ニッポンの底力」で世界、人類に貢献する。そんなビジョンと使命感から、これからも政治に関わり続けていきたいと考えています。

■我が家に残る渋沢栄一翁の書簡(写し)

私の曽祖父・瀬戸彌三郎は近衛で小倉英季(オグラ・ヒデスエ)子爵にお仕えしていました。大変に達筆な文字を書く曽祖父の仕事のひとつが子爵家に宛てられた書簡の写しを記録することであったらしく、その頃の書簡類の一部が我が家に残されています。

先日、私は偶然、その中に渋沢栄一翁の書簡の写しがあるのを発見しました。私にとっては崩し字で判読が難しかったので、ある謡いの御師匠さんに判読をお願いしたところ、それは「朝鮮半島に鉄道を敷設するので、投資して欲しい」という中身の手紙であることが分かりました。

私はこれまで、日本人として生まれ、この国で教育を受けて、「日本は朝鮮に侵略し朝鮮半島と朝鮮人の主権を踏みにじり、日本人は朝鮮人に対して許されざる大罪を犯したのだ。」と教えられてきましたが、我が家に残された書簡の写しから、渋沢栄一翁の呼びかけで日本人が朝鮮半島の鉄道建設に出資していたことを知り、少なからぬ衝撃を覚えました。


■日本の独立~アジアの自立と開放

世界の先進工業国がアフリカやアジアに侵攻し、植民地政策を展開していた帝国主義の時代に、ヨーロッパ列強諸国の植民地となった国々の多くは天然資源や労働力を搾取される一方でした。占領地域をアヘンの巣窟に変えたアヘン戦争などはその象徴的な出来事であったと思います。

日本がそのようなヨーロッパ列強の植民地とならないためには、アジア諸国の自立と解放が不可欠であり、持たざる国として、朝鮮半島や中国などからの資源の補給路を欧米諸国に占領されないようにアジア諸国と共存共栄していくことは日本国と日本人の唯一の活路であったことは、1951年トルーマン大統領によって更迭されたマッカーサー元帥が、その直後、米国上院の軍事外交委員会の公聴会で証言している通りであったと私も思います。




※この画像は1971年に公開されたマッカーサー証言の議事録の1ページです。これについては、次回のブログ記事で取り上げる予定です。


■日本人の歴史観の再検証

私は決して、日本の過去の戦争を正当化するつもりはありません。中国や韓国の人々が自分たちの主権が日本によって踏みにじられたと主張していることも深く受け止めていこうと思います。

しかし、過去の歴史に対する罪悪感や罪責感にばかり囚われて、日本人が、日本国が世界の中で果たすべき役割を見失い、世界に貢献する国民にも、国家にもなれないとすれば、それは人類の世界と歴史にとっての大きな損失になりかねないという側面にも、今年は光を当てて行かなければならないと思います。日本人の歴史認識の再検証をタブー視してはいけないのではないでしょうか。

■憲法改正の議論は第8章「地方自治」が急務

冒頭に述べた「憲法改正を議論し始めようというメッセージ」というのも、東京裁判によって確定された日本の戦争犯罪や戦争責任に対する罪責感のせいで、憲法第9条「戦争の放棄」の改正論議をタブー視しすぎるが故に、成熟し始めている日本のデモクラシー、特に地方自治の発展のために、今こそ憲法第8章「地方自治」の項目を議論し始めなければならないのに、それが出来ないという現実は私にとって憂うべき最大の課題です。

■集団的自衛権の解釈改憲は日本のデモクラシーの発展を阻害する

そればかりか安倍内閣おいて、集団的自衛権の行使について、いわゆる閣議決定による「解釈改憲」を断行してしまったことは敗戦70周年に向けて本来議論し始めなくてはならなかった日本社会の制度疲労を改善させるための改革論議としての憲法改正という課題から国民の関心の目を反らし、問題解決を先送りし、日本のデモクラシーの発展を阻害する誠に遺憾な政治判断であり、私は甘受することができません。

■敗戦70年の今年、全国民的な総括をはじめよう!

もっと、堂々と私たち日本国民が日本の政治と日本の社会について勇気ある議論を始める一年となることを祈って、この新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

今年一年が、皆様にとって祝福に満ちた幸せな一年となりますように!

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto

Thinking Globally, Acting Locally…
Everything is Beautiful in its time (Ecclesiastes 3:11)
地球的視野・地域的行動
神のなさることはすべて、時にかなって美しい。(伝道者3:11)

日本を愛するキリスト者の会 理事としてのごあいさつはこちらをクリックして下さい。

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5 コメント

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謹賀新年 (一草加市民)
2015-01-03 18:15:43
新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
おわかりかと思いますが、集団的自衛権の行使について閣議決定だけでは法律にはなりません。国会で審議して可決しない限り法律は施行されません。しかし隣国の脅威がある以上、国家と国民の生命、財産を護るためにも有事法制は整備しなくてはならないと私は思います。
さて、今年の春には統一地方選が行われます。南第一区草加市から出馬を希望されている方は7名。しかし、定数は3です。現職は前回は民主の公認で、今回は離党し上田知事との連携を掲げて4期目を目指す瀬戸氏の奥様の山川百合子氏、公明党の蒲生徳明氏、自民党は埼玉県連の一括公募で決まった公認の中野徹氏、推薦の竹村美保氏、元草加市長の木下博信氏、元草加市議会議長の須永賢治氏、共産党といわれています。
おそらく3月ぐらいになるとはっきりするとは思いますが、きちんと政策で見極めて選ぶことが大切になるのでしょう。
さいごに、自分が落選したからとくだらないネガティブキャンペーンを繰り返し行い、自分だけが正しいという輩は、決して許すことはないでしょう。批判はばかでもできます。ただし、批判ばかりでは誰も相手にはしないでしょう。
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敗戦70周年に思うこと (瀬戸健一郎)
2015-01-03 19:34:32
安倍総理ご自身も年頭に述べておられる通り、安定政権を実現し、長期政権への布石を整えた今、憲法9条の改正論議を始めようというご存念が現政権にはあるようです。

しかし、このブログ記事で私が主張しているのは、改正論議を始めるのは、憲法9条ではなく、むしろ憲法第8章の「地方自治」の項目であり、既に集団的自衛権の行使を閣議決定によって現憲法の解釈改憲によって可能だとしたことは問題であるということです。

一草加市民さんが、述べておられる法律の制定を伴わずに集団的自衛権の行使は具体的にはあり得ないというご指摘はその通りですが、一般法の制定に必要な国会における可決要件は過半数なのですから、その前段の解釈改憲が、憲法改正要件の3分の2以上の憲法改正の発議要件と発議された憲法改正案を成立させるための国民投票という2重の重大なハードルを飛ばしてしまっているという事実に日本国民はもっと危機意識を持つべきだというのが私が感受できないと述べた理由です。

国会の憲法改正案の提案要件は、実際に7割の自民党代議士が公明党(創価学会)の協力なしには小選挙区で当選できていない現実を理解しているならば、自公連立政権にとってはクリアできないハードルであり、公明党(創価学会)の平和主義が安倍政権の憲法9条改正論議を阻む最後の砦になっているという側面も浮き彫りになってきているわけです。

日本の政局をこれからも注視しながら、国民が厳しい目を政治に注ぐことこそが、今年は求められてくるでしょう。

批判や批評は決してばかでは出来ません。国民主権である国家では、常に政権は国民の批判や批評にさらされるものなのです。日本国民も親方日の丸、御上に追従するのではなく、批判的精神をもって、政治参加することが、日本のデモクラシーの発展には必要です。

一草加市民さんが最後におっしゃっているように、もし、その批判や批評が、個人的な恨み辛みの感情に起因した単なる誹謗中傷であるならば、それは決して、このまちもこの国も「だれもが幸せ」なまちや国にはしないだろうと私も思います。ただし、そのような負の感情だけで、実際の選挙に立候補できる人物はだれも居ないだろうと私は信じます。

理路整然とした議論を今年もお互いに展開していけるよう心から望みます。

今年一年、いろいろなことをみんなで語り合って行きましょう。

瀬戸健一郎
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ゾンビは他にも居るだろ?(笑) (匿名希望)
2015-01-05 00:07:22
 新春のお慶びを申し上げます。新年早々、大所高所からの意見を瀬戸さんらしいなと思いながら拝読しました。今現在の留学生相手の御仕事も充実されているようですが、やはり瀬戸さんには国政を目指していただきたい。政治への志は絶対に失わないでもらいたい。貴方の見識が必要とされる日は必ず来る。
 それと、以前草加市の産業医だった人物のブログに投稿されていたのとほとんど同じコメントが投稿されていますね。たぶん以前瀬戸さんが民主党系の候補を応援した時「決して許せない!」と言い廻っていた政治ゴロでしょう。文体がそのまんまですから。
 元産業医のブログのコメント欄に小沢元市長や野口元県議を「ゾンビ」などと罵倒している愚劣な書き込みがあって、「引かれ者の小唄かよ」と憫笑を禁じ得なかった。元助役の逮捕、前市長と暴力団幹部の醜聞、市役所への家宅捜索、前市長の不信任可決、そして2度の落選と、これらはすべて今ではすでに歴史的かつ決定的な事実だ。ご学友から口座に金が振り込まれていた元助役が「行政行為としては問題なかった」云々などとよくもまあ市のトップが言えたものだと呆れてしまう。
 瀬戸さんのこのブログはやはり貴重だ。今後も前市長派の悪党どもはあの手この手で自分達の手に市政に関わる利権を奪い返そうと策謀をめぐらすだろうが、瀬戸さんにはそういう連中と敢然と対決してもらいたい。
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匿名希望様 (一草加市民)
2015-01-06 23:45:44
どうも、政治ゴロの一草加市民です。ずいぶんと失礼なことをいってくださりありがとうございます。
なんか、前市長のシンパと言いたいのでしょうが私は先の選挙には前市長に入れてません。それと、以前も話しましたが野口元県議や小澤元草加市長とは、田中市長の出陣式でお話をしています。瀬戸さんも長谷部氏とご一緒だったから知っていると思います。
しかし、今までの瀬戸さんの前市長にたいする言動は、自分からすれば腹いせにしか見えませんでしたし、そのことを田中市長の政治団体は政策ビラに利用しました。そこは問題があったと思います。それに、田中市長、木下氏双方を支援した政治連盟はたくさんありました。
最後に、一つだけ申し上げれば過去の禍根や、証拠もなく商工会議所のえらいかたが木下氏を支援したとか木下氏に対して恨みつらみを書いているのは匿名希望氏あなた様の方ではありませんか?市長選挙は終わったことですし、結果を出して頑張った商店街や団体に予算を増額するのは民間なら当然だと思います。同じ街に暮らしている人間です。どこかで水に流すことは必要だと思います。それと、佐藤利器さんや井手大喜さん、田中宣光さんなど一生懸命頑張っている若手の議員も草加にはいますよ。
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冷静で成熟した議論の場にしていきましょう! (瀬戸健一郎)
2015-02-18 19:55:21
聖人君子ヅラをするつもりはありませんが、ネガティブな感情の連鎖を断ち切る明確な意思をもって、建設的な議論ができる場として、このブログのコメント欄は活用して頂けると嬉しいです。

確かに歴史は事実の積み重ねだけで成り立ってはいません。はっきりと言えば、「事実と感情が歴史を紡ぎ出していく」のだと思います。

しかし、ネガティブな感情という火に油を注ぐような議論にどこかで抑制が利かなくなると、文字通り「炎上」という非建設的な、後味の悪い結果を生み出し、そのスパイラルから関係者が抜けられない悲劇を演出してしまいかねません。

時には感情の立つ本音の侃侃諤諤たる議論も、相互理解のためには必要だと思いますが、最後は和解と一致に少しでも近づけていく努力をお互いにしていきたいものです。

このブログ記事の趣旨も、そこにあります。敗戦70年。あえて敗戦と申しますのも、東京裁判が敗戦国日本のその後のあり様に大きく影響してきたと私なりに国際社会に出てみて感じるところがあってのことです。

何度も言いますとおり、私は過去の戦争を正当化する意図などまったくありません。しかし、あの時代の日本人であったなら、どうしただろうかと思わずにはいられません。

様々な感情が渦巻くあの時代に、一体、どのような事実があったのか、何も引かず、何も足さず、ただその時代を見つめてみたいと思えるのです。

どうぞ、皆様の率直な歴史認識、歴史感をこの場で述べては頂けないでしょうか?議論の末に、これまで見えていなかったことが見えてきたり、新しい日本の歩むべき道が見えてきたり、そのような成果を意図しながら、冷静で成熟した議論の場にしていけたら幸甚です。

なにとぞ、今後ともせとけんブログをよろしくお願い申し上げます。

瀬戸健一郎
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