ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

公共工事を巡る恐喝事件について

2006-04-28 03:58:05 | 市議会議員として
4月24日(月)午前10時から開かれた「各派交渉会」で決定された、公共工事を巡る恐喝事件についての草加市議会全議員に対する木下市長からの正式な説明会開催依頼文書は2日後の4月26日(水)午後5時頃、ようやく宇野議長宛に届けられ、直ちに全議員にファクス送信されました。(私は同日午後5:19受信)

■市議会議長には議会の召集権がないって知ってましたか?

草加市議会は、草加市唯一の議決機関ですが、現行法では議長に本会議の召集権がなく、市長のみに議会の召集権があるのです。この現状に対して草加市議会では、国に対して、議長にも議会の召集権を与えるように法改正を求める意見書を今年3月に提出しています。

今回は説明会の開催を求める政治決定を「各派交渉会」(正副議長が召集する全議員団長会議)が24日に求めたのに、市長からの開催通知の送付が2日後の26日になったことは遺憾です。

■5月1日(月)の説明会は公開が原則~テレビ埼玉も取材

4月26日(水)に開かれた臨時行政会議で木下市長は「(同日新聞各紙朝刊の)報道から類推されるようなことは一切ないので信頼して欲しい。」と幹部職員に対して述べました。草加市議会の全議員に対する説明会は事実上、公式に木下市長が直接、公的な市民代表たる全議員に対して説明する機会ですから、公開が原則です。しかし、本会議と異なり、説明会は2つの委員会室をつないで行うため、一般市民の傍聴席の確保が困難であるため、テレビ局や新聞各紙等の報道陣にのみ傍聴が許可されます。皆さんの傍聴は物理的な事情からして頂けない見通しです。

■争点は木下市長の指定暴力団組員F氏に対する認識と対応

臨時行政会議で木下市長は今回逮捕されたF氏と5年前の市長選挙において面識を持ったきっかけは、「市長選挙への立候補を取り止めるように申し入れしてきたが、信念を持って毅然として立候補者として対応した。」と説明しています。また、「職員・仕事・市民を守るため、市長としての責任を果たしてきた以外のことは何もない。」と発言しています。木下市長がF氏を暴力団員と認識していたのかどうか、もしそう認識していた場合、どのように対応してきたのかが争点です。

■昨年12月の損害賠償事件について~F氏を一般市民と議会に説明

私の過去のブログ記事で誤解を与えたかもしれないのは、昨年12月議会で市議会が承認したF氏への104万円の損害賠償金の支払いは、「賠償責任保険」によって補填されるので、草加市の支出は免責額の1,000円のみであるという点です。しかし、賠償額が100万円を超える場合は支払いに際して議会の議決が必要であるため、その手続きが行われました。その際、木下市長はあくまで道路管理者としての瑕疵(かし)があったため、一般市民であるF氏に対する賠償は適性であると説明していました。

100万円以下の賠償額の場合は議会の承認は必要ありませんが、賠償金額が104万円であったために、賠償額の支払いに市議会の議決が必要となり、そのために支払い時期が大幅に遅れる被害者側の不利益を考慮すると、そもそも104万円という賠償金額の算出根拠と決定のプロセスに私は疑義を感じます。
(つまり、議会がこの決定にオーソライズ(裏書)して関わることを意図した?)

いずれにしても、来週の月曜日午前10時から開催される全議員説明会での説明と質疑を受け止めてから、地方自治法100条委員会の設置を含め、その後の対応を慎重に協議していくこととします。

※公共工事を巡る恐喝事件は、公共工事現場をF氏が走行中に砂利などを跳ね上げ、自家用車に傷がついたと工事請負業者から100万円を脅し取ったとの容疑。

※これに対して、昨年12月議会で市議会が承認した損害賠償事件は、F氏が草加市が管理する道路を走行中、インターロッキング・ブロックを跳ね上げ、自家用車を傷つけたとして、木下市長が道路管理者としての瑕疵(かし)つまり責任を認めて賠償金を支払うことを決めたものの、その額が100万円以上であったために、議会の承認が必要であった事件。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor

ブログテーマ:賠償責任保険、道路管理者としての瑕疵、議決要件、公共工事に関する恐喝事件、市役所と暴力団の関係


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