山はしろがね

ロシア文学/スキー@稚内(~2017.3)

湿原と温暖化

2016-07-10 22:38:19 | 日記

 小雨混じりの日曜日だったのだが、勤務する大学の「ビジネス観光コース」の1期生と一緒に、サロベツ湿原センターに行った。観光ガイドをテーマにした、2年生ゼミの授業の一環である。

 

 NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク事務局長の嶋崎さんから湿原についてのレクチャーを受け、それから湿原の植物を観察し、さらにもう1度、湿原の再生事業についてのレクチャーを受けた。

 

 サロベツ湿原というのは観光コースとしては「6月にエゾカンゾウを見る場所」と思われているのだけれど、釧路や厚岸の湿原に続く道内第3の大湿原なのだそうだ。だから、本当は花がなくても面白い場所らしいのである。

 レクチャーの中で興味を引かれたのは、湿原の炭素貯蔵能力は森林よりも優れているということで、つまり湿原は森林と違って泥炭の形でどんどん炭素をためるものだから、二酸化炭素による地球温暖化防止のためには森林の保全以上に湿原の保全が重要になってくるのだそうだ。温暖化ですよ、温暖化!! 湿原がないと珍しい鳥や花が絶滅するといったどこか美的な問題提起よりも、ずっと切迫した気持ちになってきませんか?いやあ、身近なところにとんでもないものが転がっていたんだなあ、という気分です。

 サロベツ湿原は元々海だった場所が長い年月の間に湿原に変わっていったそうなのだが、湿原センターのあるあたりはずっと昔から陸地(島)だったのだそうだ。大昔は島だった土地は今でも少し隆起していて、円山と呼ばれているという。ほとんど平らな土地なのだが、それでも山として扱われているのだ。地図で調べてみると、標高13m。北海道一低い山と言われているらしい。帰り道に山頂を探してみたのだけれど、標高12mの農地までは道があったものの、13mの三角点がどこにあるのかはよく分からなかった。