先日『シン・ゴジラ』が地上波初放送でして、ご多分に漏れず私もツイッター片手に
リアタイしていたわけですが、その豪華キャスト陣に片山修一 役で出演している
嶋田久作さんを見て、彼が五芒星の白手袋をはめてゴジラに立ち向かえばいいんじゃ
ないかなぁと思ってしまった、荒俣宏さん好きな方は他にもいるはずです。
今日の三冊
『虚実妖怪百物語 序・破・急』 京極 夏彦
うそまこと、と読みますので図書館などの検索時には要注意です。
序・破・急の三冊に分かれての刊行。123巻や壱弐参巻や上中下巻でなく、あえて序破急。
ちなみに『一、二、三、死』と言えば高木彬光さんの墨野隴人ですね。
あれの最終巻が好きでして、ついクイーンの『ドルリー・レーン』ものやオルツィ『隅の老人』
も読みたくなってきますね。
フィクションにも実在の人物などを登場させるメタであったり、作品群がリンクしていたり
と一癖も二癖もあるのが京極作品。
虫太郎も顔負けにあれやこれやと小ネタ雑学トリビアを包括するせいかやけに分厚く、本一冊で
支えなどなしに自立するのも、京極作品。
本作には多数の妖怪の他、加藤保憲やクトゥルーや陰陽師、貞子までもが登場しては名だたる
作家さんや、著名人たちと結束して自衛隊などに応戦してしまう、なんでもアリなメッタメタな
作品です。
大好きなんであります。
いろんな意味で名作であり同時に迷作でもある本作。とにかく面白い。
例えば本作の主人公のひとりである、特撮ファンである榎木津平太郎。
京極作品の『榎木津』といえば当然、視える探偵である"彼"の関係者を連想する読者の心理を
逆手に取りみごと欺く。
特撮、いい響きだなぁ。『来来! キョンシーズ (殭屍小子系列)』とか宇宙刑事とかとか。
愛すべきお馬鹿なキャラクター、レオ☆若葉は最初からとことん馬鹿なのですがその彼が終盤で
重要な役割を果たすのは、童話によくみられる末子成功譚にも似ていて、
また、水木しげる大先生(この作品はフィクションとのことです)のセリフ
『まともな世の中ならアンタ、働けば金塊は手に入るですよ。
金塊を手にしたら怠ければいいんです』(本作の"急"より引用)
はひたすら働かされて余裕のない現代に一石投じるようでもあり。
この辺はトルストイの名著『イワンのばか Иван-дурак』を彷彿とさせました。
爆笑したのは、存在しないものを可視化させるアイテムにより妖怪たちを出現させた後に怪獣も
出そうということになったシーン。
まずガメラを出し、当然のようにゴジラも、となった時に『キングコング対ゴジラ』なのか
『モスラ対ゴジラ』か、はたまた他の作品からか、どのゴジラかでもめて結局見送り、ラドンで
決着したのだとか。
挙句地の文で『何たって奴らは自衛隊慣れしている』(本作の"急"より引用)ですからね。
この作品は何と1900枚らしい。
それをハイテンションを保ちつつ飽かせず一気に読ませてしまうのだから、京極夏彦、いや人類
おそるべし。
シン・ゴジラの第五形態に人型のものが見られたのも、うなずけますね。
リアタイしていたわけですが、その豪華キャスト陣に片山修一 役で出演している
嶋田久作さんを見て、彼が五芒星の白手袋をはめてゴジラに立ち向かえばいいんじゃ
ないかなぁと思ってしまった、荒俣宏さん好きな方は他にもいるはずです。
今日の三冊
『虚実妖怪百物語 序・破・急』 京極 夏彦
うそまこと、と読みますので図書館などの検索時には要注意です。
序・破・急の三冊に分かれての刊行。123巻や壱弐参巻や上中下巻でなく、あえて序破急。
ちなみに『一、二、三、死』と言えば高木彬光さんの墨野隴人ですね。
あれの最終巻が好きでして、ついクイーンの『ドルリー・レーン』ものやオルツィ『隅の老人』
も読みたくなってきますね。
フィクションにも実在の人物などを登場させるメタであったり、作品群がリンクしていたり
と一癖も二癖もあるのが京極作品。
虫太郎も顔負けにあれやこれやと小ネタ雑学トリビアを包括するせいかやけに分厚く、本一冊で
支えなどなしに自立するのも、京極作品。
本作には多数の妖怪の他、加藤保憲やクトゥルーや陰陽師、貞子までもが登場しては名だたる
作家さんや、著名人たちと結束して自衛隊などに応戦してしまう、なんでもアリなメッタメタな
作品です。
大好きなんであります。
いろんな意味で名作であり同時に迷作でもある本作。とにかく面白い。
例えば本作の主人公のひとりである、特撮ファンである榎木津平太郎。
京極作品の『榎木津』といえば当然、視える探偵である"彼"の関係者を連想する読者の心理を
逆手に取りみごと欺く。
特撮、いい響きだなぁ。『来来! キョンシーズ (殭屍小子系列)』とか宇宙刑事とかとか。
愛すべきお馬鹿なキャラクター、レオ☆若葉は最初からとことん馬鹿なのですがその彼が終盤で
重要な役割を果たすのは、童話によくみられる末子成功譚にも似ていて、
また、水木しげる大先生(この作品はフィクションとのことです)のセリフ
『まともな世の中ならアンタ、働けば金塊は手に入るですよ。
金塊を手にしたら怠ければいいんです』(本作の"急"より引用)
はひたすら働かされて余裕のない現代に一石投じるようでもあり。
この辺はトルストイの名著『イワンのばか Иван-дурак』を彷彿とさせました。
爆笑したのは、存在しないものを可視化させるアイテムにより妖怪たちを出現させた後に怪獣も
出そうということになったシーン。
まずガメラを出し、当然のようにゴジラも、となった時に『キングコング対ゴジラ』なのか
『モスラ対ゴジラ』か、はたまた他の作品からか、どのゴジラかでもめて結局見送り、ラドンで
決着したのだとか。
挙句地の文で『何たって奴らは自衛隊慣れしている』(本作の"急"より引用)ですからね。
この作品は何と1900枚らしい。
それをハイテンションを保ちつつ飽かせず一気に読ませてしまうのだから、京極夏彦、いや人類
おそるべし。
シン・ゴジラの第五形態に人型のものが見られたのも、うなずけますね。