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『PK』 伊坂幸太郎

2015-09-14 | 著者別・あ~の
 リードを付ける練習。
背中に何かが乗っていると違和感があるのか、腰が引けちゃって匍匐前進。


 今日の一冊
 『PK』 伊坂幸太郎

 『PK』、『超人』、『密使』の三篇から成る。
読み終えた後で何度も読み返すこと必至。


 8月31日、夏風邪をひく。
9月に入るなり微熱が続き仕事も休み、最初の週末まで寝込んで筋トレや弓道稽古もままならず。
9月8日、ようやく的前稽古再開。ぐだぐだ。
9月10日、なんとか的の近くに矢を寄せられるようになる。
9月13日、やっと弓と身体がなじんできた。

このように一旦寝込んでしまうと、感覚を取り戻すのにおよそ2週間かかってしまうのが私で
あって、またここから射を作り始めるのですが、体調を崩すというのは悪いことだけじゃない。
寝込んでいる間ずっと、我が家の三毛猫さんがぴったりくっついていて、こんなことでもない限り
一日中密着していられないから、これはこれで至福。


 おもしろいですよね、物事は見方を変えるだけで如何様にも解釈できる。


 さて『psychokinesis サイコキネシス、念力』のお話かと手に取った本書、とんでもなくSFで
ありファンタジックでもあり、笑いあり謎ありの一冊。
単純に時系列を順に追うのではなく、行ったり来たり場面もせわしく変わり、そこがまた勢いや
奇妙な浮遊感、俯瞰しているかのような錯覚。
以下は未読な方にはネタバレにもなりかねないのでご注意を。













 時系列的な感覚が狂いそうになる伊坂節。
司馬遼太郎『項羽と劉邦』みたいな、こういう構成は頭の中でメモをとりつつ読み進めるのが常。

 『PK』では勇気と信念について再認識させられる。
秘書官の最後のひとことだけでは『次郎=秘書官』と決めることはできず、どちらかと言えば
大臣の父である作家の本を読んだうえでの、大臣を支えるユーモラスなセリフではないかなと思った。
ゴキブリが送り込まれた世界ですね。
そうすると『密使』の『私』は消滅してしまったということか。

 
 『超人』での三島・田中コンビのやりとりに、くすりとしてしまう。
大臣の決断には本田毬夫がキーとなっていて、メールの文面が変化したくだりはSF的だ。
レストランから消えたスーパーマンもどきは三島なんだろうな。
ゴキブリが送られなかった世界。
『密使』でメモリカードが発見された、つまり『私』という犠牲の出なかった版。
ん? けれど、何かを為すには何かしら犠牲はつきものじゃないのかな、とふと思ったり。


 『密使』
『僕』と『私』が交互に語られる。
何といっても3億年の大先輩ですからね、かないませんよね。
『私』は幼い本田毬夫に同化したのかな?