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『黒猫の接吻あるいは最終講義』 森晶麿

2012-08-30 | 著者別・は~ん


 猫ってのは賢いもので、ひとが何をしたいのかよく分かっているのですね。
本を開けばその上に寝そべるし、パソコンをたちあげればキーボードに横たわる。
風呂に入っている間にも脱衣所の洗濯機の蓋の上に香箱を組んでじっと座っていまして、
いつかそのうちプラスチック製の蓋が割れてしまうんじゃないかとひやひやします。

 特にお気に入りなのは弓道で使う矢の羽根のようです。
手入れをしていた先日、羽根を抱え込んでウットリしていました。
・・・・・・食べないでね。



 今日の一冊
 『黒猫の接吻あるいは最終講義』 森晶麿


 24歳の大学教授、通称『黒猫』とその付き人のミステリ。
設定が痛くはないか? と不安に感じつつもシリーズ2作目の本作に手を出してしまった。
表紙の絵がかわいらしく、ページを開くのが楽しみでした。前作は赤、今回は青。
美学とかマラルメとかまるでギリシャ語なんですけど、今回はそれでもバレエを扱って
いたのですんなり読めました。


 
 物語は『ジゼル』を中心に進む。
クラシックバレエの古典作品である『ジゼル』はまだ観たことがなく、『海賊』や『ドン・
キホーテ』と並んでいつかは観たい作品のひとつです。
悲恋と見るか浮気男アルブレヒトと見るか、解釈はひとそれぞれでしょうが私としては後者。


 いや、そうではなくて。
5年前と同じ舞台、同じ演目の中で起きる、プリマに関する事件。
見栄や誤解、すれ違いというのは悲劇を引き起こし、1種の自己満足ももまた、それをもたらす
のでしょうかね。
大切なことは言葉にしないと伝わらないのだと思いますよ。


弐参段講習会(弓道、県連行事)

2012-08-27 | 弓道、騎射、スポーツ

 また着物を買いました。
行きつけのリサイクルきもの店で、絽を2枚(あずき色、ピンク~水色)と若草色の単を一枚。
これをカスタマイズして弓道用和服にします。
単というのは着る期間が短いせいもあってかリサイクル品としては絶対数が少ないので、いいものを
見つけたら即買いなのです。



これに白い半襦袢も出してもらって、しめて11,000円。
夏場は暑いので和服を着る人は少ないのですが、私はもともと和服を着たくて弓をはじめたようなもの
でもあるため、逆に喜んで着ています。
射技より体配や射礼のあり方、理論的なことに興味がありますし、こういう人は珍しいのじゃないかと我
ながら思ってます。



 日曜は県の弐参段講習会。
大会や講習会に行くたびに弓友が増えていまして、嬉しいものです。
そして久しぶりに他支部の弓友たちとも会えて、さらに嬉しいものです。
会場である県の弓道場へは片道1時間の長旅につき、BGMは欠かせません。
往路は InterFM、帰路は COLDPLAY と LADY GAGA。
何度聴いても、"Yes"から "VIVA LA VIDA"への流れがいいなぁ。
余談ながら私の着メロはまさにその "VIVA LA VIDA"。わかっていてもそれがカーステレオから流れると
着信かと一瞬どきっとします。



 講話、体配、肌脱ぎ肌入れ襷さばき、射技、質疑応答に至るまで一日がかりの有意義な講習会でした。
この時期、一日和服で過ごすのはしんどい。
冷たい麦茶と塩飴を用意くださっていたのがありがたい。


注意点、問いかけなど

*過去の伝達事項の中から特に重視するもの3項目について
*射位にて開き足で脇正面に向きを変える時に末弭は目の高さであるが、それはなぜか
*安土に幕をかける意味は
*的を『たてる』、ゆがけを『さす』という言葉づかい
*弓の末弭はなぜ床から10センチ上に保つか
*国旗拝礼の前後に揖を行うのはなぜか

普段さらっと流してしまいがちな所ですが、そういうものこそ疑問を持つことが大事なのですね。



 好奇心から他支部の弓友に立射での肌脱ぎ作法を教えてもらいまして、そのアクロバティックな動きに
しばし絶句。
弓を立てた時、矢が弓の向こう側へ……行かない!
向きを変える際に弓と矢の間に身体が……入らん! 
その彼に、肌脱ぎ襷がけ後、揃って的正面へ向きを変える際のきっかけ・キューについて尋ねたところ、
袂を活用しているということで、あえてここでは詳しく書きませんが、あぁなるほど、それなら座って
襷をかけているこちらにもわかりやすいやと感心したのです。
それにしても、ゆがけをさしてあんな器用なことをやってのける、そこに痺れる憧れるゥ!



 弓友たちと別れ、空っぽのタンクに会場近所のガソリンスタンドで補給して一路帰宅。
疲れているはずなのになぜか "glee"を観はじめてしまい、二重に興奮して眠れなかったとかなんとか。

匣にみっしりと猫が充満したので。

2012-08-25 | 日記・つぶやき

 迷い猫だった三毛猫にあ様が我が家に来てそろそろ3年半。
体重も増えて今や5キロオーバーです。
にあ猫様の産んだ仔猫6匹がみんな入ったキャリーも、今やこんなにはみ出して
おります。




 かなりぎゅうぎゅうで苦しそうなので、新しい大きいキャリーバッグを買ってきました。
折りたためる黄色と黒の三毛猫カラーです。



 組み立てるや早速入り込み、シートの具合をチェック。




 バッグの上に乗り、強度をチェック。




 さて、秋も弓道イベント目白押し。
明日の県講習会。
9月は日曜の成田・宗吾霊御待夜祭奉納弓道大会にはじまり
地元弓友会の講習会のお手伝い、射会の第一介添、県の講習会、100m遠的大会。
10月は地元の武道祭りと講習会と遠的大会、審査のお手伝い。
11月は明治神宮奉納全国弓道大会。
まだまだ大会も審査もあるのだ。


弓道・第一介添

2012-08-19 | 弓道、騎射、スポーツ

 節電だからと無理をして熱中症になるよりは、クーラー入れて涼しく過ごした方が
良いのではないかと同僚に指摘されて初めてここ数日間、リビングに布団を引きずって
いってワンルーム的生活をしています。
なんと快適!
夜もぐっすり。



 夏バテまでもを引きずっているのか、体中の関節が痛くてたまらないのだけれど、昨日は
弓道教室の手伝い、今日は矢渡しの稽古で弓道場へ。
それらの合間に弓を引いた感じ。

すっかり筋肉が落ちてしまっていて、12.5キロのグラス弓『葵』なんてとても引けないことに
ショックを受けた昨日。
今日は9.7キロのカーボン竹弓『清芳』と竹矢で引き、それでもいっぱいいっぱいで、しかも
狙いを普段どおりにしていたため、的まで届いてなかったり。
カーボン入りとはいえ、やはりグラスに比べると竹は軽く羽ばたくようであり優しく、時に鋭い
弦音も聞こえ、弓の重量自体も軽いために扱いやすく身体になじむ。
また筋肉が戻ってきたら、14キロの『肥後三郎』にチャレンジです。


 今日のメインは、来月に行われる射会の矢渡しの稽古。
錬士五段の男性射手、参段の私が初めての第一介添、参段の先輩が第二介添。
ちなみに射手のFせんせいは長身、私はチビ。せんせいの背中にすっぽり隠れてしまうのだ。
真夏の真昼の射会にこの組み合わせは無謀じゃないかい・・・・・・と、きっと誰もが思っている
ことでしょうが、決まっちゃった以上やるしかないなと。

みていただいた先生によれば全体の流れは良いとのこと。
個人的な指摘事項&反省点は

*射手が射位~本座の移動する際に第一介添もそれにつれて動くが、きちんと射手に正対
すること。

*正坐の際は膝頭に指先が向かうよう(基本のき、でしたね)。

*肌入れ終了は、特に夏場は襦袢もきちんと整えられたか確認すること。

*矢を第二介添から受取り射手に向かう際、腰を切って『開き足』を忘れた。
いきなり右足を立ててしまい、なんか変だなと思いつつもすたすたと歩いてしまった。

*矢を第二介添から受取り射手に渡す時の、踏み出す足を間違えた。
また、膝行しながらの左手は矢の本はぎの辺りまで下がり、羽ごきをしつつ開き足で
身体の向きを変えてから腰を切りつつ矢を射手に渡す。
↑ここで『羽ごきをしつつ開き足』が難しい。


反省点が山積みなのだ。
所作については副読本を読んだり、弓友がまとめてくれた地元射会での矢渡し動画などで
勉強できるけど、問題は何が起きるかわからない『肌脱ぎ肌入れ』。
・・・・・・がんばろ。



 帰りがけに、Fせんせいと弓友たちとで蕎麦屋さんへ。
蕎麦屋の天ぷらっておいしいなー。



夏バテ遠的肉じゃがゴーヤ。

2012-08-14 | 弓道、騎射、スポーツ

 

 近頃、射に対する気持ちが甘いと思う。
まずは気持ちにゆとりを持てるようにして、体調を整えてもっともっと追求せねば。



 月曜日は休日出勤の振替休でした。
お盆休みなんて存在しないこの業界、今日も明日も明後日も仕事です。
カウンセラー曰く『ストレス下にあって、極度に身体が緊張してますねー、これじゃいつ
事故ってもおかしくないですよー』とのことで、簡単なストレッチを教えてもらいました。
ストレッサーが職場にあるいじょう、どうしてもたまる一方らしいので。
当然のように夏バテ真っ最中。



 そんな中ではありますが、またまた先輩に遠的稽古に連れていってもらいました。
いつもお邪魔している隣県の、遠近両方引ける某道場です。
1本目がすっきり中ってくれてほっとしたのも束の間、夏バテからくる乗り物酔いで、その後は
殆ど、涼しい更衣室にて帯を外してぐったりしておりました。
もともと乗り物には電車でも自分で運転しても酔うくらいに弱く、それが最近落ち着いてきて
いたから油断もあったのでしょう、帯をゆるめて着付けてはいたものの気分が悪くなってしまったのです。

せっかく連れていってもらったのに、それに他の機会に乗せていただいた時もなんともなかった
のに、よりによってこの日に車酔いかい! と申し訳なく自分が情けなく、いろんな意味でブルー
だったのですけれども。
同行した弓友達もあれこれ気遣ってくれ、夕方にはかなり落ち着きました。


 そのままみんなで先輩邸へ。
肉じゃがや豚しゃぶサラダ、豆腐のシャーベット、パンナコッタなどなど、先輩とお母様とお2人で
食べ切れないほどのご馳走を仕込んでくださっていて、感激です。
弓友の持ってきてくれた野菜がこれまたさっぱりおいしかった!
ヘタれな私なんて、帰宅したら包丁なんて持ちたくないですもん、最近仕事以外で握ったのって
グレープフルーツの外皮に切れ目を入れただけですもん。
弓談義とおいしいお料理と、そして帰宅すれば三毛猫様がすっ飛んで玄関でお出迎えしてくれて、
射はダメダメだったものの幸せな一日だったのでした。
絡んでくださったみなさまに感謝。



 時に、野菜って、あんなにおいしいものだったんだなぁ。




弓道・遠的大会(県の行事)

2012-08-05 | 弓道、騎射、スポーツ

 

 T先生をはじめ支部の弓仲間7人と、県の遠的大会に参加しました。
えんてき。
60m先の直径100cmの大的に矢を射る競技です。
役員のみなさまお疲れ様でした。
嬉しいサプライズは、新たな弓友が増えたこと。


四つ矢を二回、合計8射
参加費 500円(ひとり)
個人戦、的中制、男女各5位まで表彰



 まず会場のスポーツセンターに行くまでが目的のひとつ。
帯をゆるく締め、朝食は控えめにしたにもかかわらず、車酔い。
自分で運転しても車酔い。しばらくボケっとしていれば治るから大丈夫。



 結果は、8射1中という寂しいものでした。
それぞれの1射目は必ず11時の方向に外し、的の上にばかり外れ、しまいには会をもてずに失速と
いう情けないものまで。
近的でも最近、上に外してばかりなので、これは単なる悪癖――弓手のブレと、右肘の下がり――
ですかね。
稽古不足だなぁ。


 最後の立ちは国体選手のそれとなっており、男女3人ずつの選手達が圧倒的な強さを見せてくれ
ました。
型がきれいだから安定した射と的中なのでしょう、矢が的に吸い込まれていくよう。
この年になるとこうした選手達と同じ場で引ける機会って、皆無に等しいんですよね、ラッキー。


 
 ところで昨夜、弁当も着替えも全部入る遠征用バッグに荷物を詰めようとしたところ、
これがすっかり猫ベッドと化しておりました。
仕方なく、小さいバッグ2つにぎゅぅぎゅぅ詰めたのでした。

 

ヒンヤリ感が気持ちいいのか、夏場はいつもこうです。



 他支部の弓友達とも久しぶりにお会いでき、猫談義やブログ談義、あれこれお話しているうちに
ついと声をかけていただき、また新たにひとりの弓士とお友達になれました!
大会や射会の度に弓友が増えていくのって嬉しいですね。
その方のお名前はこういった大会などの入賞者欄でよくお見かけしていまして、感激すると共に
弓道界も狭い世界なんだなぁと実感です。



 さて今後は、9月30日(日)に某所にてスーパー遠的大会が催されるそうです。
100mの遠的ってそうはないですから、これは行きたいですね。


『レタス・フライ LETTUCE FRY』 森博嗣

2012-08-02 | 著者別・は~ん

 ~近的、遠的、遠的~


 先の日曜日も遠的稽古に連れていってもらいました。
『逆シャア』のファンネルあるいはミスタのピストルズの心境です。
会で『行けっ、いちばん色の黄色い円だ』とか『矢ズ、てめぇらも腹くくれッ』とか思って
いるとかいないとか。

おなご遠的仲間は年中募集中。




 今日の一冊
 『レタス・フライ LETTUCE FRY』 森博嗣

 ミステリあるいはミステリーと言えば、作家さんは星の数ほど挙げることができます。
が、ミステリィと言うと彼に限定されてしまうのです。
『モニター』を『モニタ』のように単語の末尾にある『-』を省略するのは良いが、『スーパー
(マーケット)』を『スーパ』と表記してあるのを読んだ時は一瞬、何のことやらさっぱり
分かりませんでした。『ジャンパ』がギリギリでしょうかね。

 森氏の作品は一時期よく読み、中でもVシリーズの紅子さんの生き方に共感したものです。
過去にすがると言うのではなく、過去が従者であるかのように自然と付いてきているように
見えます。



 西之園、とか海月、といった懐かしい名前も見られる本書は9編を収録してあり、中でも
『刀之津診療所の怪 (Mysteries of Katanotsu clinic)』の最後の一章はちょっとした衝撃でした。
水面下でじわじわ盛り上げて真相を暴露する工程は、どこかの一冊でへっくんの人生についての
記述があった時と同じように読者に一撃をくらわせる。
ちなみに、この物語の謎自体はあっさり解決します。
と言うか、その事実に気づけば自明なので謎でも何でもなくなってしまいます。



 2人で読んでね。