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くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

僕の歩く道 最終話

2006-12-20 14:57:07 | ドラマ

鳥はここを出たらどうなるの?

生きていける鳥もいるし行けない鳥もいる。。。

テルは自分をいつしか鳥になぞらえていたのでしょうか。

自立を考えるということを。

                            

家を出た都古が結局行き着いたのはかつての職場、テルのいる動物園。

ゆっくり休まる時がなかった都古はテルの説明を聞きながらいつのまにか

眠っていました。自分の上着をかけてあげるテルがいたのでしたね。

そこに見回りに出かけた三浦が戻ってきました。

「都古ちゃんが寝ています」

「都古ちゃんが起きました」

解説するテルが微笑ましい。

都古はテルの家に来ました。「家、出ちゃいました・・・」

一瞬大竹家の動きが止まりましたね・・・。でも温かく迎えてくれた大竹家一同。

都古もスープを「あったかい・・」とつぶやいていました。食事も空気も・・。

ロードレースに出ることを言い出す秀治。いつのまにか皆が賛成してくれました。

真樹は夢ってある?今さらないけど・・。俺もない。輝明がレースに出るのが夢なら

俺は輝明が羨ましい。この年で夢を持つというのはそれはすばらしいことなのね。


さて里江は堀田医師に自分がいなくなった後を考えて相談に行くといいます。

秀治もりなも自分の生活があるし・・・。

自分も一緒に行くと言う都古。



輝明の将来を考えると不安になるという里江。32歳の男性は普通は自立し適切な

サポートを受けながら生活し、時々家に帰るというパターンが一般化しているようで

す。例えばグループホームがありますという堀田医師。一つの家で障害を持つ人た

ちが一緒に生活しています。それぞれが個室をもち、食事は皆でとるというスタイル

のようです。苦手なことを手伝ってくれる人がいるといいます。なるほどね・・・。

理想的なようですが、夜の安全管理はどうなってるのでしょうか?

テルは自閉症ですからマイペースのやり方で自分で自分の決めたパターンを生きら

れる人ですが、ちゃんと管理できない人や安全などの配慮はどうなってるの?考える

と段々心配になってきました。グループホームってそういうことだったのですね・・。

 

動物園で鳥を見つめるテル「鳥はここを出たらどういうことになるのですか?」

三浦は「ここを出たら生きていける鳥もいれば生きていけない鳥もいると思います」

職場でロードレースに出ることを報告するテル。知らされなかったと三浦がすねて

みせると「ごめんなさい」と会話も絶妙になってきました。笑顔が増えるところに園長

が「ジョージにおしっこひっかけられた」とこれまた嬉しそうにやってきます。古賀が

園長に楽しそうですねというと「ハイ」と園長も動物が本当に好きになってきているの

です。そこに常務から打診があり、入園者が増えたから本社に戻らないかと言わ

れています。きりんを見ながら園長も複雑な顔。ようやく仕事が面白いと思うように

なってきたのですね・・。


都古は千晶に部屋が見つかったことを報告。きちんと離婚してから部屋を探すので

はとたしなめられていますが、それだとテルのハガキの送り先がないからという答え

に納得する千晶です。きっとそのハガキは永遠に届くのでしょうね。曖昧な関係で

ありながら確かな絆が二人の間にあることを千晶も認めています。

テルは里江より都古の住所が変わることを聞きます。名前も河原から松田に戻って

いました。


都古がマンションに戻ってみると部屋の散乱は凄まじくそのなかで真っ先に拾った

のはテルのハガキでした。部屋を綺麗に片付けて待っている都古。河原が帰り、

「人の目を気にしすぎていた」というのです。だからやり直せると思ったのでしょうが

都古は離婚届けを置いて出ようとしています。しかし河原がテルのハガキを持ってい

ました。テルのハガキを取り返そうとして破ってしまいます。河原は都古がどうして

ハガキを大事にするのか理解できてません。いつまでこんなことに関わるのか。

一生面倒見るつもりなのかと破れたはがきをテーブルに投げつけるのです。

  私、気付いたの。テルがあたしを必要としてたんじゃないの。

  あたしがテルを必要としてたの。

けげんな顔の河原。絶句です。

 

テルは再び鳥を見ています。帰る時、いつもの一本松で都古が待っていました。

都古ちゃんこんにちは。こんにちは。手紙出したから。うん。待ってる。松田都古。

うん。また松田都古になっちゃった。どうして?河原さんとの約束守れなかったから。

結婚というのはずっと一緒に仲良くすること。でも都古は悲しくないと言いました。

 

亀田のコーヒーショップに都古ちゃんを連れていきました。お砂糖はスプーン一杯で

すといつものように言うテル。レジで勘定するときに自分の分だけさっさと払おうと

するテルですが、亀田のアドバイスで彼女にはご馳走するものだと聞き、素直に

都古の分も払っていました。亀田さんナイスですね

  「テルありがとう、ご馳走様でした」

  「どういたしまして」

亀田とロードバイクの練習をしていますが亀田さんはテルのことを何も説明してなく

ても自然に受け入れていますね。こんな人ばかりだったらどんなにかいいでしょう。


動物園では都古は離婚したことを園長に報告していました。上手い具合に獣医の

募集があり都古はその場で採用。よかったですね。飼育係というのに古賀の息子が

応募できたらさらによかったが・・そこまでうまくいくわけないですか。


古賀が園長に本社に戻るという噂がでていると詳しい話を聞きますが、園長は今の

仕事が本当に好きになり断るつもりだというのでした。


今度は3兄妹で亀田の店でくつろぎます。りなは秀治に会計事務所のクチはま

だ大丈夫かと聴いていました・・ということは家を出ないで就職するということですね。

帰ってきたテルは都古と里江から「グループホーム」の話を聞いています。

複雑な顔でパンフを読む里江。

そして動物園ではトビのことを聞いてるテル。

「ピーヒョロロ」トビの鳴き声ですね・・テルはトビに興味を持ったようです。

都古はテルを連れてグループホームの見学に行くと言いますが、知らされてなかっ

た秀治やりなは複雑。一言あってもよかったというのですが。里江は自分が元気な

うちはテルがここにいてもいいと考えがぐらぐら。やはり子供には手元にしてほしい

のですね。だけどそれでは遅いというのが都古です。少しでも早く自立するべきだと

言う考えのもとに意見を出してしまうのでした。重苦しい空気のまま帰っていく都古。

秀治は真樹に自分がずっと面倒みると言ってるわけではないといいますが、真樹か

ら本心はそうしたいのでしょうと言われ、言葉に詰まります。

   迷惑をかけられっぱなしで嫌な思いもたくさんしてきた。

   でもしょうがないよ。輝明が俺の弟として生まれてきたんだから。

真樹も、幸太郎を追いつめているのが自分だと気付いたのはて輝明サンのおかげ

だと、感謝していると言っていました。こちらの夫婦もテルを邪魔者のようには思えな

いようになってきたのですね。

そして里江とりなはどうしたらいいかということで「お兄ちゃんがしたいようにする」

これが一番だという結論になっていました。


園長の元に古賀がやってきます。本社にもどってほしいというのです。しかし園長

この動物園をもっとよくしたいからここにいたいといいました。いつのまにかスタッフ

が勢ぞろい。テルも立ち上がってみています。「本社にいてくれないと困るんです。

動物に愛情のある人が」本社に戻り、動物たちの環境をより良くしてほしいのね。


テルに亀田がつっききりで特訓。立ち止まったテルはトビの鳴き声です。


都古が獣医として挨拶。拍手する皆。「大竹さん拍手です」三浦から耳打されて

拍手するテル。園長も本社に戻ると報告。再びの拍手「大竹さん」拍手するテル^^


ロードバイクの練習と動物園の仕事と充実した日々を送るテルです。


都古ちゃんとユニフォームを選び、職場の皆からはドリンクボトルのプレゼント。

トレードカラーの黄色ははずせません。

 

「走るのは気持ちいいことだけじゃない。辛いときだってある。風を感じ空を感じ

大地を感じながら辛さを乗り越えたとき、そこにはどんな世界が待ってると思う?

それはロードバイクに乗るものだけが感じる世界なんだ。」

亀田の贈ってくれた言葉はなによりもテルの心に染み込んだようです。

 

翌日はレースというので皆で乾杯。激励するほうは「がんばれ」ですが、テルは

緊張してしまうようです。でも部屋でレースのビデオを見ています。

都古は職場のテルは覚えた仕事はちゃんとやっていることを説明しますが、里江に

とっての「テルの新しい世界」という受け止め方のようです。そこに都古は

「グループホーム」という新しい世界を里江が押さないといけないことを告げています

黙りこくってしまう里江ですが・・。

りながテルのもとに現れ「お守り」が必要だと言います。


翌朝。お弁当の準備など慌しいのですが、そこに現れたテルはもう競技人そのもの

黄色のユニホームはいかにも速そうで似合ってるといわれていました。

テルは毎日都古ちゃんからの約束のハガキを読んでいたのですね。これがテルの

心を落ち着かせる効果があるとりなはわかっていたのです。首からお守りにしたの

はなかなかのアイディアでした。職場の皆もやってきて応援。堀田医師は部屋で。

亀田は自分の店にいました。別のレースというのは違ったのね。

 

「風を感じ空を感じ大地を感じ・・・」スタートの時、テルは耳を抑え兄はテルの身体を

おさえ・・・。パニックを防ごうとしていました。そして全員が走りだしましたが、テルは

お守りに手を当てしばらくしてからゆっくりと漕ぎます。競争という意味がわかって

ないと言った秀治の言葉を思い出しますね。でもテルはこれでいいのです。

ロードバイクで走り、風を感じ辛さを乗り越えることこそ意義があったのです。


それぞれの胸にテルとの思い出がよみがえってきます。お兄ちゃんが手を引いて

くれたありがとう。これとこれ・・どっちがいい?笑った顔。お父さんは遠くへいきました

いつ戻ってくるのかなあ。できることが多いのがいいわけじゃないの。できることを

一生懸命にやればいい。

皆テルと関わり、大切な何かを学んでいきました。静かにテルの戻ってくるのを

待っています。選手達は戻り、次々とゴールします。テルは?探す皆です。


テルは途中ボトルのドリンクを飲んでいました。そしてゆっくりと戻ってきます。

もうそこにはゴールがあり皆がテルを待っているのです。

ところが聞こえてきたのはトビの鳴き声。誘われるように道をそれていきます。

驚く皆は戻そうとしますが里江が「待ちましょう」というので待つことにしました。


トビを追っていくテル。木に止まったトビを見つけました。じっと鳥の様子をみつめ

羽ばたくのを目で追っています。テルは確かに羽ばたくトビを見たのです。


そしてレースのゴールへと戻りました。

テルはラストでしたが脱落することなく完走。


   「お母さん、僕グループホームに行く。」

里江は静かに頷き

   「はい」と答えました。

兄。秀治もりなも笑顔になります。複雑ながらも手放すことを決意したその顔。

   トビは鷹目鷹科に属する鳥です。ほとんど羽ばたかず・・・


江tるはグループホームに移ったようです。お休みの日に皆でわいわいご馳走を

作りテルが来るのをまっています。そわそわした里江が電話して確認したところ、

テルは「予定があるからこない」ということを言ったようです。

一同大笑していました。

都古へハガキを入れたあと都古に会うテルです。

二人はサイクリングデートなんでしょうか。

   手紙だしたから

   うん、待ってる


  都古ちゃんへ

   今日は仕事が休みでした

   都古ちゃんと自転車にのりました。

   都古ちゃんが笑っていました。

                          

福祉ドラマになったらいやだと思っていましたが、そんな臭さもなくすっきりと

見ることができました。

テルと出会うと心が浄化されるような気分になります。

このドラマの間の取り方は絶妙でした。

台詞の間に広がる静寂も、テンポの速さもそれぞれがうまくできていました。

誰もがこんないい人ばかりではないけれど

テルと関わる事で変わっていくというのが非常によかった。

夢のように劇的に変わるのではなく少しずつ、変化を出しているのがいいです。

都古ちゃんはとうとう離婚して、結局テルのもとに戻ってきました。

二人は世でいう結婚のような形式をとらないけれど

心で求め合うのは誰にも邪魔立てはできませんね。

こんな不思議な関係があってもおかしくないと思わせてくれるドラマでもありました。


それにしても草なぎさんの演技はすばらしかった。

本当に自閉症なのかと思ってしまうくらいでした。


グループホームの説明がありました。

今まで聞いたことはあってもどういうことなのか知らなかったので

良い勉強になりました。

このようなグループが増え、自立できる人が増えれば、

自分亡き後を心配する親御さんの気持ちもだいぶ緩和されると思います。