くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

神はサイコロを振らない 最終話

2006-03-16 17:27:03 | ドラマ

「今度会った時に恋に落ちるため・・・」菊坊のセリフに号泣してしまいました。

菊坊は亜紀に恋をしたこの10日間が大好きだっだといいました。

今度会うときはもっと楽しい日々を送れる男になってると。

どの別れのシーンを見ても静かにうけとめて、一陣の風とともに去っていったように

この10日間を振り返り、奇跡の日々をかみ締めることができたならそれでいいのか

もしれません。今日は全部に泣きのポイントが入っていて目が腫れて痛いです。

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オープニング。いつもの4人。この永遠に続けと思う4人なのに神はサイコロを振って

くれなかったのね。しかし笑いころげています。ヤッチとテツの結婚式計画。実現で

きたらどれほど良かったでしょう。菊介は瑠璃子にピアノ演奏まで頼んでいたのでし

たね。最後の時を二人で過ごそうと決めた二人はこの案にはまだ乗れていません。

 

亮は父親とのボール遊びにやはり乗れていません。それは空白の10年を父がどう

やって過ごしたか知りたかったから。路上生活だといえなかった誉は亮にしこりを残

しているようです。ヤス子にその答えを求めてきた亮。ヤス子が答える前に誉が説

明しようとしました。どうしてもリアルな表現になってしまいますね。

「公園で寝泊りしてた。」この言葉は子供にとっては衝撃だったでしょうか。

     ・・・「僕お母さんのところにいくよ」

誉はヤス子に亮がいなくなることが信じられなくて確かめずにはいられません。この

現象のこと。10年前に引き戻されるなんて。ヤス子は自分は最後まであきらめない

でいたいと告げ、これまでのことではなく今後について亮に話すべきだと助言してみ

ます。いよいよ亮が挨拶にやってきました。ヤス子は亮に父親の10年の思いを今こ

そ届けと説明を試みます。「亮君のいない10年間。お父さんは毎日、亮君を思い続

けていたのよ」と。そして誉も「これからは亮に恥ずかしくない生き方をする。いつか

また会えるときがきたら胸張って会いにいくからな」にっこりと満面に亮。良かった。

   10年という月日を超え、再び現れた402便が

   明日また10年前の世界に引き戻されてしまう。

   どうしようもない現実を前に、最後に人は何ができるであろう。

   人は何かを変えることはできるであろうか。


テツは航星と乗客の命を救う方法を考えています。マイクロブラックホールに接触す

る前に何かしらのSOSのメッセージを受け取ることができれば・・というテツヤは

「先進波」通信を使う方法を提案してみる。それを聞いた航星は既にその研究を行っ

ていたと言います。設計図まで作成したが無理だと知り諦めていたと。先進波はとて

も弱い波で通常なら影響力の強いチェーン波にかき消されてしまうのだという。

どうしようもないのか?打つ手がないのか?憮然とするテツヤ。

 

瑠璃子は結婚パーティでピアノ演奏の依頼をされたのでといちおう謝ってみる。

そして昼ならOKと言う。ちょっと嬉しいですね、航星君。まずは瑠璃子とデート決定。

夜は一緒にどう?と聞いてああお兄さんと過ごすからね・・そんな瑠璃子に反応して

兄はいつも家族会で忙しいとぽろっと出てしまいました。人のために生きてるような

兄。いつも学級委員をやっていた兄。えらいな・・凄いな・・尊敬してるんだと。

こんな弟の告白を聞いてしまった甲斐はやるせない表情です。本当はそんな自分で

はないのに。なんでこういう役回りなんだろ。こんな思いを抱えて本部に向かう甲斐。

その頃、本部ではそれぞれの最後の時間をヤス子が説明していました。

甲斐はつい声を荒げてしまいます。今から長崎に向かうと。ここで初めて本音を言う

甲斐です。家族会の会長をして頑張ってるのは誰かのためではなくてひとえに自分

のためだと。別れの時に面倒があって後に振り回されるくらいなら、今悔いのない様

にできるだけ穏やかな別れ方を願っているという甲斐です。うんざりなんだ、まっぴら

なんだと。甲斐は10年前に家族会をまとめてそれぞれの要求を航空会社と交渉して

きたのですね。理不尽なわがままもすべて飲み込んで。それがまた繰り返されると

いうのです。そしてそれがまっぴらだと。知らなかった・・ヤス子たちは黙るだけです。

だからと言って今から長崎に向かうのは・・皆絶句です。そこに現れた大屋本部長。

自分が行くと言いました。今までありがとう。甲斐がいたからまとまってこれた。10年

前に時間が止まってしまったかのような甲斐に一人の人間として申し訳なかったと

頭を下げました。本部長はヤス子に意味不明の排除をしてきたのに今はヤス子に

すら優しい。もう帰りなさい。ゆっくり過ごしなさいと。

 

テツとヤッチを囲む会。亜紀が考えてくれたということにその気持ちにこたえようとす

るヤス子。皆、その日を明るく楽しくはしゃぐことで大切な一瞬が永遠に続くような

錯覚だって起こすかもしれない。きっとそうであってほしい。笑顔で過ごすことが大事

なのだと。ラーメンの屋台に並ぶ4人はいつも以上にはしゃぎ楽しそうに振るまう。

もたい店主がチャーシューサービスを異常にしてしまうほど4人のテンションは高い。

しかしそれも一本の電話が崩してしまいました。最後のときは一緒にすごせそうに

ありません。甲斐からテツヤに告げるそれとは、航星が作った設計図を完成したも

の。これでマイクロブラックホールに近づく寸前にSOSのメッセージを発信するとい

う。そのためには402便に乗っていなければならずその役目をテツヤに頼むしかない

のです。テツヤが断れない性格なのも事情もすべて知り、そしてなおかつ一縷の望

みをかける甲斐です。わかった。行きましょう。


その頃菊介と亜紀はお買い物。ケーキを買い、ショッピングバッグを持ち、元気がな

い菊介。「消えるに当たって僕のことは思い出さないでください」なんでそんなこと?

  次に会うときに・・恋に落ちるためです。

  次に会うときは僕はきっと今よりもっと楽しい日々を送れる男になっています。

  それまでは、ありがとうという言葉も、

  亜紀さんと過ごした日々が大好きだったってことも。

  口が裂けてもいいませんから。さよならも言いませんし。

もう号泣。キーボード打ちながら私も涙でにじんで大変です。亜紀もしっかり菊介を

抱きしめています。次に会うとき今よりずっといい男になっている菊介に会えるなん

て楽しみだな。消えるのが怖くなくなったよ。きっとだよ菊介。二人の涙も一緒に。


そしてパーティ。準備を整え揃うのを待つばかりだったところにテツヤが帰ります。

二人は10年前に契りを交わしたと吹き出したいのを堪え説明してるところにテツヤが

長崎にいくことになったと。運命は決まっていて無駄かもしれないけれど諦めたくない

というテツヤにヤス子も一緒に頭をさげます。こんな二人だから皆が祝福に集まるし

幸せを祈りたいの。さあ急いで・・タクシーに乗る前に10年前ではなく今のヤス子が

好きだというテツヤ。そして引き返し10年前の婚約指輪をやっとはめたのです。

あわただしくヤス子とテツヤは別れを告げました。二人らしく最後まで諦めず乗客の

ことだけを考えて。こんなさりげなくあっさりしたお別れ。涙もありません。

 

亜紀は菊介に行ってきますと告げました。いつの日かきっとただいまと帰ってくるよ。

そして最後のときはヤス子と亜紀の二人だけで。この辺はあまり変わらないねと散

歩の二人。亜紀はネイルサロンが気になります。一陣の風が吹き振り返るとそこに

は誰もいません。ああ、やっぱり消えてしまったのね。その瞬間は何事もなく。

 

同じ頃、車の瑠璃子は助手席から消え手紙とCDが残されていました。

チェスをしていた甲斐兄弟も甲斐だけがぽつんと取り残されています。

弘美は食事をしている最中に消えた祖父母を訝しがる息子を抱きしめています。

東京タワーをバッグにしたベンチにはブーケが一つ。

誉の下にはサッカーボールが残されました。

そして、柚子と昇子にも別れが来ました。ぽつねんと残る柚子の足元にはサインが。

 

それぞれが10年前から突然やってきて黙って消えたことをわびるように夢と希望を

与え忘れていた物を置いていきました。こんな粋なプレゼントがどこにあるでしょう。

菊介は亜紀が買ってくれたスーツをきてニート脱出です。面接はどうだったでしょう

か。浮かない顔の菊介。でも諦めないわね。ヤス子の指輪も消えてしまいました。

けれどヤス子にはきっと、指輪が見えていることでしょう。

 

教授が言うのです。自分の理論によれば402便の残骸が発見されるはずだと。

それが見つかってない以上、どこかで生きてるのかもしれない。

もう一つの世界、パラレルワールドはあるのかもしれない・・・

 

     菊介とヤス子は仲良し姉弟。今夜はすき焼き。

     二人には大好きな友達がいます。きっと別の世界で生きています。

     そしていつかきっと会えると信じているのです。



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キーボード打ちながら何度も泣いてしまってなかなか進みませんでした。

ヤス子とテツヤのあっさり感で恋愛がちっとも進展しないストーリーだったせいか

中だるみ的な気分も毎回味わっていましたが、最後は引き締めてくれたと思います。

特に4人が一緒の時は会話の妙があり楽しませてもらいました。

ただ他の乗客のことに目を転ずればそれぞれが良く書けているとは思えず、

瑠璃子のピアニストだってもっといいものができそうな気がしました。

乗客のエピソードで良かったのは神蔵の回でしょうか。

私的に菊介と亜紀の二人に泣かされました。武田真治のとぼけた演技は秀逸。

私はこの人のことを全然知らなかったけれど本当に良かったと思いました。

最後は教授の言葉で悲惨ではない雰囲気を感じさせてくれ、希望も一緒に残して

くれました。終わり方は非常にうまいと思います。

いいドラマだったのに数字が悪いのは本当にもったいなかったな・・・

 



12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
涙が (mari)
2006-03-16 20:07:09
かりんさん、コンバンワ。

昨夜はかなり余韻の中に居ました。

一番感動したのは、菊坊とアッチの別れ。

2人をぎゅって抱き締めたくなりました
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私も泣いた(; ;) (くう)
2006-03-16 20:57:41
もうずっと泣いてました。

涙腺ぶち壊れ。。。(; ;)

良い終わり方だったと思います。希望もあったしね。

このドラマを見てて本当に良かったです♪
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Unknown (いも栗)
2006-03-17 00:10:39
穏やかに 夢が覚めるように 消えて行ってしまい

残された者達は どんなに寂しいのでしょう・・・

いや~ 泣けましたね

タイムスリップものは 辻褄合わせが気になるところだけど

こうするのが 希望が残ってよかったですね



素朴な疑問

大屋本部長はなぜやさしくなったのかしら?

テツヤからもらった指輪が消えたように 402便に

持ち込んだ機械も一緒には 行けないよね

なぁ~んて 余計なことは まっいいか

さよなら 402便のみんなァ 涙
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こんにちは~! (まりりん)
2006-03-17 12:44:45
私も大泣きしたし、そのあと興奮してしまってなかなか寝付けなかったのですよ~~~(笑)

正直このドラマでこんなに興奮させられるとは思いもしなかったです。



>キーボード打ちながら何度も泣いてしまってなかなか進みませんでした。



いやいや、これも私もです。白夜行ではよくあるんですけど、このドラマでこうなるとは です。

ともかく良いラストでほんとによかった。見てない人にはお気の毒さまという感じですね。

では、また~~~!!!
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こんにちは (ikasama4)
2006-03-17 12:55:04
屋台での「猫が好き」的な空気はツボでした。(笑)



「いってらっしゃい」

「いってきます」

「また会う日まで」



普段何気ない言葉がこれほどジーンと胸をあつくさせるとは思いませんでした。



悲しいけれど、今度は前を向いて生きられる。

思い出は消えない。

そういう光・・・というか希望みたいなものに余韻を持たせたいい終わりでした。



唯一ひっかかるのは・・・

こんないいドラマなのに視聴率が良くないのが不思議でたまらんです。
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・:*:・(*´ー`*)ウットリ・:*:・ (まこ)
2006-03-17 16:54:37
未だに、この最終回を思い出すたびに目が熱くなり、何とも言えない気分で余韻に浸ってしまいます・・・

ヤッチとテツのなかなか進まない恋愛にもどかしく思って事もありますが、結局最後までこの二人は自分の事より他者の事を優先してしまう体質であるがゆえ、自然な流れだったんだと納得です!

テツが長崎に行かずに、ヤッチと過ごす事を選択したら、感動も半減だったかもです。ただヤッチには一緒に行くという選択が無かったのかなとは思うけど・・・でもあそこで別れた方がショックは小さかったかも・・・などと、あれこれ妄想を膨らませては切ない思いに浸ってます(笑)。
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mariさん♪ (かりん)
2006-03-18 00:20:32
感動しましたよね!

菊坊とアッチには泣かされたしヤッチとテツの二人にも見事にやられました。

よかったぁ・・

泣きっぱなしで目が腫れて大変でした。

家でできる仕事でよかった(笑)
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くうさん♪ (かりん)
2006-03-18 00:24:58
終わり方が上手かったですよね。

私的に激しく現代に戻ってきたらぶち壊しだとは

思いつつ、希望も欲しいしと欲張っていました。

結局、皆消えてしまったけれどどこかで生活をつむいでると考えることができてよかったと思います。

終わったね!

いいドラマでした♪
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いも栗さん♪ (かりん)
2006-03-18 00:34:27
私的に皆が消えずに残って欲しかったけれど、さすがにそういうことはできなかったみたいね。

でもうまい終わり方ですよね。

どこかに希望を残して別の世界で生きていると思えるのってステキです。

ヤッチも一緒に連れて行ければよかったのに。

指輪も消えてしまったしね・・残念!



そうそう例の機械も時空を超えたら消えるよね。

意味をなさないわ。

まあそれでもやるのがテツの性格だから。

今頃亜紀は菊介に似た旦那様と暮らしてるわね!
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まりりんさん♪ (かりん)
2006-03-18 00:44:25
こんなに泣かせてくれるのも珍しいです。

どこにもお涙のツボがないっていうかわざとらしくないのでいいのかも?

感動を呼ぶのは演出過剰でない方が絶対いいですね。

これは1リットルのときもそう思ったので。



白夜行は逆に引いてしまって私はだめです。

重くて内容的にはいいと思いますが泣いたことあったかなぁ??



まあともかく終わり方がよかったので合格だと思います。何がって?何でしょうね(笑)



ホント見てない人にはお気の毒って感じですわ(笑)
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