空手道へっぽこ稽古日誌 An ordinary person's karate practice diary

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なぜ今?アマゾンの密林を出る孤立先住民族、ペルー政府困惑/15.03.30/AFP

2017年02月11日 | 【NEWS】
なぜ今?アマゾンの密林を出る孤立先住民族、ペルー政府困惑
2015年03月30日 15:44 発信地:リマ/ペルー【AFP】

 南米アマゾンの奥地に暮らす、地球上に残された数少ない孤立した先住民族の一つ、マシコ・ピロ(Mashco-Piro)の人々が密林の外に姿を現すことが最近増え、ペルー政府の悩みの種になっている。当局は、熱帯雨林の違法伐採が拡大しているため、マシコ・ピロの人々が居住地の森から出て来ざるを得なくなっている可能性があると指摘する。

 狩猟採集民族のマシコ・ピロは、腰巻姿で未知の言語を話す。彼らと「外界」との初接触は、森の外の住民が食料を分け与えたり観光客が服を贈ったりと友好的な出会いであることも多いが、ときに暴力的なものにもなる。

 昨年12月には、村2つが弓矢で武装した200人余りのマシコ・ピロの一団に襲撃され、当局が村民を避難させる騒ぎとなった。襲われた村では家畜やペットが殺され、食料や鍋、斧、縄などが強奪された。2010年に10代の若者が槍で襲われて負傷しているほか、2012年にも地元の観光ガイドが竹矢で殺害されている。

 一方、ペルー文化省は、外界との接触にはマシコ・ピロを滅亡に追い込む危険も潜んでいると懸念を表明している。服を贈るという一見無害な行為さえも、これまで森の外に存在する病気と無縁で免疫を持たないマシコ・ピロの人々にとっては全滅につながりかねない。

「彼らは、外から持ち込まれる病原菌に非常に弱いと考えられる」と、ペルー文化省・孤立先住民対策室のロレーナ・プリエト(Lorena Prieto)室長は言う。

 別名クハレーニョ(Cujareno)とも呼ばれるマシコ・ピロは、人口およそ800人。ブラジルとの国境に近いペルー南部のマドレデディオス(Madre de Dios)県にある自然保護区内に居住する。しかし、同県では違法な森林伐採と金採掘により、約5万5000ヘクタールの熱帯雨林が失われた。ペルーは南米1位かつ世界5位の金産出国だが、マドレデディオスには国内最大の違法金鉱がある。

 また、ペルー文化省によればマドレデディオス県には他にも先住民4000人ほどが暮らしており、その中には孤立先住民族のマチゲンガ(Machiguengas)約150人とナフア(Nahua)約300人も含まれる。マシコ・ピロは、他の先住民族が自分たちの言葉を話さないことに気付いたり、犬など未知の動物を発見したりした場合、攻撃的になることがあるという。

■言葉の壁

 昨年12月にモンテ・サルバド(Monte Salvado)村とプエルト・ヌエボ(Puerto Nuevo)村がマシコ・ピロに襲撃された事件について、マドレデディオス先住民連盟(FENAMAD)は、違法伐採業者と麻薬密輸業者がマシコ・ピロの居住地を侵害したがゆえの「自暴自棄の行動」だったと主張。自然保護区への観光ツアーも批判した。

 ペルー政府は、外界との接触を長年固く避けてきたマシコ・ピロが、なぜ今になって森の外へ積極的に出てくるようになったのか、理解しようと努めている。

 「違法伐採業者から攻撃されて居住地を去ろうとしているのかもしれないし、別の先住民が保護区周辺に定住し始めているからかもしれない」と語るプリエト室長によると、政府としては「保護区を離れようとしている理由を知り、病人やけが人がいるなら手助けをしたいと考えている」という。

 だが、問題は、マシコ・ピロの言語を理解できる人がいない点だ。ペルー政府は、マシコ・ピロの言葉を多少は理解できるという先住民イネ(Yine)の人々の中に通訳を引き受けられる人がいないかどうか、また隣国ブラジルに住むマシコ・ピロの中に他の言語を話せる人がいないか、探している。

 とはいえ、政府にはマシコ・ピロの人々に対して外界との接触を強制する意図はないとプリエト室長は強調し、次のように述べた。「孤立先住民の権利は国連(UN)によって保障されており、その中には、孤立したまま暮らす権利も含まれる。国は、それを尊重し、保護しなければならない」

(c)AFP/Roberto CORTIJO