若者の言葉の特徴は
①仲間内の狭い言葉・・・・気楽な相手との楽しい言葉のやりとり(会話を楽しむ)
②娯楽・会話促進などのための言葉・・会話の「ノリ」、娯楽の手段
③言葉の規範からの自由と遊び・・・きまりよりも楽しければよい、常に笑いがある
女の子の会話には、男の子に比べて笑いがあり、楽しくしゃべっている。「若者言葉」というのは基本的には「女の子の言葉」と言ってもいいと思う。
言葉の乱れの槍玉にあげられる人たちの言葉、「若者言葉」はどのような言葉であるのか以下に実例を紹介する。
言葉の造られ方
・省略した言葉
きもい⇒気持ち悪い オールする⇒オールナイトから徹夜する(遊ぶ)
あけおめ⇒明けましておめでとう リーマン⇒サラリーマン ・・・
・省略語に「る」を付ける
オケる⇒カラオケに行く マクる⇒マクドナルドに行く・・・・
・「てるてる」言葉(状態を表す)
終わってる⇒もうだめだ 親父入ってる⇒親父くさい・・・
・倒置語
ボンビー⇒貧乏 グラサン⇒サングラス・・・
・名詞化・・・人を表す「ラー」を付ける
シャネラー⇒ブランド品のシャネルばかり着けている人 オイラー⇒脂ぎっている人
・転義 意味を変える
痛い⇒変な人 てっぺん⇒12時 へこむ⇒落ち込んでいる・・・
若者言葉は結局面白い言葉、人をからかった言葉、おしゃべりの言葉、遊びの言葉、楽しい言葉であり、仲間内で話すには問題は無いのである。
話し方
・「~じゃないですかあ」共感、同意を求める、潤滑油、後にくる情報が大切、逆になっている。
「私って夜歯を磨くじゃないですかあ」
「先生、私の家って、ジャスコの近くにあるじゃないですかあ」
・わたし的(俺的)には
「先生的には・・・」 「会社的には・・・」 「僕的には・・・」
・「タメグチ」同等の口のきき方をする、自分が楽な話方で話す、自己中心。
「あんな~、先生なあ」 「先生、食べたあ~」
・「~とか」「~みたいな」、はっきりしない、逃げ道を作る、ぼかす。
・「なにげなく」⇒「なにげに」、「さりげなく」⇒「さりげに」
・「チョー」「メッチャ」
関東は「チョー」、関西は「メッチャ」
・「かなり~」「ゲキ」「オニ」ー強調語
「オニカワ」⇒非常にかわいい、
・半疑問
「私~?昨日~? 梅田~?」ぶつぶつ切って話しをする。
若者だけでなく、60歳以上の人も使っている。上の世代に移っていく傾向ある。言葉は伝染する。孫があるおばあさんにうつることが多い。男性は余り使わない。
背景 このような言葉はどのような背景で生まれるのか。
・青年期心理
若者はしばられることをきらう。言葉を自由に使いたい。 変えてみたい。
何時の時代でも同じことである。身体の成長が著しいので体を気にして、
優越感や劣等感を持つ。また仲間を求める。。
しかし以下の背景は現在の時代特有のものである。
・楽社会ー「ラク」と「たのしみ」を求める。
楽が優先される、真面目が崩壊した社会、ちょっとふざけた者がうける。
きついことを避ける、楽しいことが優先される社会。
・自己中心主義
ボーダーレス社会、何でもあり社会、自分中心にことを進める社会。
「ジベタリアン」⇒地べたに座る、人の迷惑を考えない。
・聞くことを忘れた社会
自己中心社会、話題を全部自分の方に持っていく人が多い。
<梅花女子大学 米川明彦教授 公開講座より>