「こと」「の」は様々な表現を名詞化する機能をもつ。
<例>
彼女はおししいケーキを食べる{こと/の}が趣味です。
あの店のケーキがおいしい{こと/の}は有名です。
昨日新しいケーキ屋がオープンした{こと/の}を知っていますか。
<接続>
動詞・い形容詞 普通体+{こと/の}
な形容詞 な+{こと/の}
名詞 な+{の}
×昨日新しいケーキ屋がオープンしましたことを知っていますか。
丁寧体を使う間違いをする学生がいる
■名詞に接続する形は「こと」と「の」で違うので注意
山田さんのお母さんが先生な{×こと/○の}は知っています。
山田さんのお母さんが先生である{○こと/○の}は知っています。
■埋め込み表現の中では主題をあらわす「は」は使えない
新しいケーキ屋{×は/○が}が駅前にできたのを知っていますか。
■「こと」と「の」は多くの場合置き換え可能だが、一方しか使えない場合もある。
◇「こと」しか使えない場合
①後ろに「話す、伝える、約束する、命じる、祈る、希望する、聞く」など
発話に関係する動詞が来る場合
②後ろに「です、だ、である」が来る場合
私の趣味は音楽をきく{○こと/×の}です。
③「ことができる、ことがある、ことにする、ことになる」などの
複合表現の場合。
私は日本で暮らした{○こと/×の}があります。
一日中遊ぶ{○こと/×の}ができます。
◇「の」しか使えない場合
①後ろに「見る、見える、聞く、聞こえる」など知覚を表す動詞が来る場合
窓から雨が降っている{×こと/○の}が見えます。
②後ろに来る述語が「待つ、手伝う、邪魔する、写す」などある事態に
あわせて行う動作の場合
このかばんを運ぶ{×こと/○の}を手伝ってください。
雨がやむ{×こと/○の}を待って、家に帰った。
③後ろに「やめる、とめる」が来る場合
頭が痛いので外出する{×こと/○の}をやめました。
■埋め込み表現が長くなるときなどは、「こと」だけではまとまりがわかりにくく
なるため、「ということ」でくくる方が自然。
佐藤さんがお父さんの仕事の都合で転校するということを伝えた。