日本語講師のひとりごと

韓国のある高校で日本語を教えています。
韓国人たちの中でストレスを受けることもあるものです。
ここでちょっと休憩!

二重敬語

2009-12-16 08:35:43 | 日本語
試験問題の答えで「お召し上がりになる」「お召し上がりください」を○にするか×にするか話題になった。

確かにこれは二重敬語だから×という意見も出たが、でも実際にはとてもよく使われるし、変だという感じもぜんぜんしない。

調べてみたら、やっぱりこれは二重敬語であるが、これは「習慣として定着している二重敬語」と位置づけられている。(文化審議会の指針によると)
だから試験においては○にするということになった。

このくらいは常識として知っておかなければならなかったのでしょうが、
すぐに判断できなくて、ちょっと恥ずかしかったです。


【習慣として定着している二重敬語の例】としては他にも

・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語Ⅰ)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる

などがある。


 文化審議会指針 http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf

「初め」と「始め」の使い分け

2007-06-27 16:29:03 | 日本語

「初め」は、時間・時期が早いときのことを表すのに使われ、
「始め」は、動作や活動が新しく行われることを表すのに使われる。



<参考>

「初」と「始」の字義・用法。

初…… 衣料に最初にはさみを入れて切ること。ことのおこり。「当初」「初日」「初心」「初冬」「初年度」
始…… はじめて妊娠すること。物事をはじめる。「原始」「年始」「始末」「終始」「始業」

 「初・始」がこのような字義・用法をもっていることと関連して、「初め」と「始め」は、次のように使い分けられる。

(例)
「初め」……

年の初め。初めからやり直す。初めにあいさつをする。初めの感想。
「始め」…… 始めと終わり。御用始め。手始め。


母音の無声化

2007-03-06 16:11:10 | 日本語

[音声]
母音の無声音 
■音節の連なりによって、―定の法則に基づく母音の無声化が行われる。
■無声化は鼻濁音と共に、美しい言葉の発音上大きな要素となっている。
 歯切れの良さを感じさせる日本語独特の発音。

 -例- 


無声子音とは、『 k ・ s ・ t ・ h ・ p 』
つまり『 か行 ・ さ行 ・ た行 ・ は行 ・ ぱ行 』


□法則□
(赤い文字が無声化される音)

■母音 i u が無声子音に挟まれた場合は無声化する。
例 : KKu(菊) / CKaRa(力) / TKaReRu(疲れる) …等

■無声子音に続く i u が言葉の終わりになる場合。
例 : aRiMaS(あります) / KaK(書く) / KiMoT(気持ち)  …等

※ただし助詞・助動詞が続いて一語となる場合は無声化しない。(無声子音にはさまれていない)
例 : 気持ちになる / ありますが / 書くでしょう / もしも / 明日を …等

■i u の他にも例外として、a o も同じ母音を持つ無声子音が続くと無声化する事がある。
例 : KKaRu(かかる) / KTaNa(刀) / KKo(ここ)  …等

■最近は有声子音に挟まれた i u も無声化する傾向にある。
例 : MuSMe(娘) / SGi(杉) …等

■無声化が続く場合、不明確をさけるために無声化しない場合もある。(無声化する音を2つ続けることは無い)
例 : KKiCGai(聞き違い) / SKiTuMeRu(敷き詰める) / FKuSou(服装) …等

■サ行が重なるときも不明確をさけるため無声化しない。
例 : SSuMu(進む) / SSi(獅子) …等

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      ひめの司会講座  
         http://www001.upp.so-net.ne.jp/club-e/mc/onsei09.htm  より
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<その他の無声音化の例>

① 
あした  すきやき  はくし  した  ひと  きそ  くすり 


です  



初期に定着した外来語

2006-11-10 09:37:54 | 日本語

●ポルトガル語起源の外来語

煙草(たばこ)、合羽(かっぱ)、羅紗(らしゃ)、襦袢(じゅばん)、マント、びろーど、釦(ぼたん)、かるさん、パン、ピン、キリ、カルタ(加留多)、ボーロ、コップ、フラスコ、オルガン、じょーろ、カンテラ、ビードロ


●オランダ語起源の外来

ズック、ゴム(護謨)、ペンキ、ガラス(硝子)、コンパス、メス、エーテル、ヨード、ギプス、ポンプ、コーヒー、ビール、マドロス、(博多)どんたく、ガス、カルキ


手紙 差出人名の後の「拝」

2006-11-07 13:38:51 | 日本語

「拝」は、手紙の後付けで、差出人名(自分)の姓の後につけるもの。

相手に敬意を表すものだが、姓だけを記すのは親しい間柄の場合であるのが普通なので、「拝」が使えるのは同等、あるいはやや目上の人で親しい間柄の場合に限られる。

もちろん、実際には目上の人に対しても使われてはいるようですが、目上の人なら姓名(フルネーム)を記す方がよいようです。

 

「生」も同じように差出人名の後につけるものだが、「小生」「老生」と同じく男性だけが使えるもの。


埋め込み表現 ~こと、~の

2006-09-11 13:11:09 | 日本語

「こと」「の」は様々な表現を名詞化する機能をもつ。

 <例>  
     彼女はおししいケーキを食べる{こと/の}が趣味です。
     あの店のケーキがおいしい{こと/の}は有名です。
     昨日新しいケーキ屋がオープンした{こと/の}を知っていますか。 

 <接続>
     動詞・い形容詞 普通体+{こと/の}
     な形容詞     な+{こと/の} 
     名詞        な+{の}

     ×昨日新しいケーキ屋がオープンしましたことを知っていますか。
                     丁寧体を使う間違いをする学生がいる

 ■名詞に接続する形は「こと」と「の」で違うので注意

      山田さんのお母さんが先生な{×こと/○の}は知っています。 
      山田さんのお母さんが先生である{○こと/○の}は知っています。

 ■埋め込み表現の中では主題をあらわす「は」は使えない

      新しいケーキ屋{×は/○が}が駅前にできたのを知っていますか。

 ■「こと」と「の」は多くの場合置き換え可能だが、一方しか使えない場合もある。

  ◇「こと」しか使えない場合

    ①後ろに「話す、伝える、約束する、命じる、祈る、希望する、聞く」など
      発話に関係する動詞が来る場合

    ②後ろに「です、だ、である」が来る場合
          私の趣味は音楽をきく{○こと/×の}です。

    ③「ことができる、ことがある、ことにする、ことになる」などの
      複合表現の場合。
          私は日本で暮らした{○こと/×の}があります。
          一日中遊ぶ{○こと/×の}ができます。

  ◇「の」しか使えない場合

    ①後ろに「見る、見える、聞く、聞こえる」など知覚を表す動詞が来る場合
          窓から雨が降っている{×こと/○の}が見えます。

    ②後ろに来る述語が「待つ、手伝う、邪魔する、写す」などある事態に
      あわせて行う動作の場合
          このかばんを運ぶ{×こと/○の}を手伝ってください。
          雨がやむ{×こと/○の}を待って、家に帰った。

    ③後ろに「やめる、とめる」が来る場合
          頭が痛いので外出する{×こと/○の}をやめました。


■埋め込み表現が長くなるときなどは、「こと」だけではまとまりがわかりにくく
  なるため、「ということ」でくくる方が自然。

    佐藤さんがお父さんの仕事の都合で転校するということを伝えた。


ビデオの効果的な見せ方

2006-08-30 14:21:55 | 日本語

①日本事情の紹介に使う。

  見せる前に簡単な予備知識や注目すべき点を示す。
  見せた後で内容の把握や感想を言わせ

②言語行動(挨拶など)のときの体の動かし方を見せる。

  「すみませんが・・」と何かたずねたりするときは胸を張って堂々と話すよりは、
  小腰をかがめて話す etc.

③予測練習

 音声を消して映像だけを見せ、何といっているか考えさせる。

  初級・・・・日常の挨拶、依頼の応答場面など
  中上級・・反論や慰めの場面など

  方法1・・学習者に言わせてから巻き戻して音声を聞かせる。
  方法2・・いったん止めて先を予測させてから次を見せる。

④描写練習

  一定の場面の状況を描写させる。

 


「~(た形)ほうがいい」と「~(辞書形)ほうがいい」

2006-08-25 09:36:00 | 日本語

忠告の表現「~た方がいい」

 <例> 病院に行った方がいいですよ。
       雨が降りそうなので傘を持っていった方がいいですよ。

このとき基本的には動詞の「た形」に接続することが多いが
動詞の「辞書形」に接続することもあり、
「~た方がいい」のほとんどの場合置き換えられる。

「辞書形」に接続したものは、一般論を述べるときに多く用いられ、
具体的・個別的場面では「~た方がいい」圧倒的に多く用いられる。

 <例> 風邪をひいたときは、厚着をする方がいい。
    (風邪をひいた人に) 厚着をした方がいいですよ。


副詞の種類

2006-05-19 10:22:38 | 日本語

副詞はそのはたらき方によって3種類に大別できる。

(1)状態の副詞 

「はっきり見える」の「はっきり」,「くるくる回る」の「くるくる」のように,おもに動詞を修飾し,作用や動作がどんな状態であるのかを表す副詞。 

<例> 「ひらひら(と)」「ころころ(と)」「ゆっくり(と)」「すぐ(に)」「こっそり(と)」「たちまち」「さっと」など。

(2)程度の副詞

ものごとの程度がどのくらいであるかを表す。
すべての用言,また副詞・体言を修飾する。

<例> 「あの山はかなり高い」「もっと早くおきよう」など。
「かなり・もっと・よほど・たいそう・大いに・すべて・ちょっと・ごく・やや・最も・もう・だんだん・きわめて・いっそう」など

(3)陳述の副詞

「けっして」という副詞には,かならず「ない」という否定の助動詞がくるように,あとにくる言葉と呼応して,いろいろな話し手の態度や気持ちを表す。
▽呼応の副詞・叙述の副詞・述べ方の副詞ともいう。

<例> 「もし~なら(仮定)」「まるで~のように」「たぶん~だろう(推量)」「どう~ください(願い)」「なぜ~か(疑問)」「断じて~ない(否定)」など。


「ので」と「から」の違い

2006-04-20 13:07:40 | 日本語

「ので」は客観的な判断によるもので、「から」は主観的な判断によるもの。
「ので」は冷静で合理的な判断理由、「から」は感情的で主観的な判断理由という感じ。

「から」というのは、推量・命令・勧誘などの話し手の主観に属する文末の後に用いられやすい。
たとえば、「危ないからやめなさい」という場合には、危ないという判断は話し手の主観である。「危ない」と判断する基準は、人によってまちまちなものだから。

一方、「ので」は話し手の主観的判断によらなくても、明らかに因果関係がそこにみられる場合に用いられることが多い。
たとえば、「暴風雨警報が発令されたので、運動会は中止になった」というように。

ただ、あくまでもそうであることが多いだけで、「ので」と「から」が置き換えられる場合も多い。

「ので」のほうが「から」よりも控えめで、当たりが柔らかいような感じがするため、最近の女性で「ので」の方を使う人が増えた、とも言われている。