石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

春の夜の夢のごとし

2008-07-30 17:57:00 | Weblog
猛暑・豪雨・また猛暑・・
自然の厳しさの前にはただひれ伏すばかりで
最近のお天気事情に畏怖の念さえ抱く

先日、以前の茶道の先生のご主人がお亡くなりになって
お茶のお友達と一緒に 通夜に参列した。

お茶の先生である奥様を亡くされたあと
1年8ヶ月後に 後を追うように旅立たれた。

享年83歳であったが、大変若々しくてユーモアや
人情味があり、先生が亡くなられてからも
茶道のお弟子さんたちが 何かと気をかけて
入れ替わり立ち替わり ご主人のもとへ足を運んでおられた。

携帯メールを自在に操り、いろんな方と交流され
また人生の先輩としてアドバイスもされていた。
年齢を感じさせない「若さ」があったなあ。


遠くに住んでおられる息子さん家族や娘さん
みんなに愛されて
悲しい涙を流すというより
幸せな余生を過ごされたことに うらやましささえ感じた。

夏休みの真っ最中、あたふたと通夜に駆けつけたわけだが
住職がされた法話に耳を傾けるうちに
ざわざわした心が次第に 静まっていった。

平家物語や在原業平の歌を引用され、
心に沁みる法話であった。

誰にでも遅かれ早かれ 必ず平等に訪れる死。
普段は全く思い出しもしないが
こういうお話を聞くと 命が有限であることを
ふっと思い出す。

つひにゆく
道とはかねて聴きしかど
きのふ けふとは思はざりしを
   在原業平


祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ


学生のころ必死で暗記したときは この含蓄豊富な人生観を
何とも思えなかった。
今、こうやって口に出すと 胸が締め付けられそうになる。

暑い暑い!!忙しい忙しい!!と超ハードスケジュールを縫って
生きている私も 所詮春の夜の夢のごとし

暑いことも忙しいことも 嬉しい事も嫌なことも
すべてを愛したい
いずれ風に吹かれる塵のように消えてなくなってしまうから

この寝苦しい熱帯夜も 春の夜の夢のごとし・・








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