追い詰められた総合電機の名門東芝(2017年2月26日)

2017年02月26日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

追い詰められた総合電機の名門、東芝 (2017年2月26日)

 1月末、東芝は主力の記憶用半導体フラッシュメモリー事業を3月31日めどに分社化すると発表した。最大6,800億米原発事業の巨額損出で減少する資本を増加するため、優良事業を本体から切り離し、外部から2,300億円の資本を調達する。東芝はすでに医療機器、白物家電事業を子会社化、外部に売却し、ついに“虎の子”半導体事業も取り崩すことになる。名門総合電機メーカーも姿を消してしまうのだろうか。

 
 東芝は過去に何度か経営危機を経験している。昭和24年、東芝は大労働争議のため労使が激突し倒産の危機に陥った。このとき石坂泰三が乞われて東芝社長に就任、6,000人の人員整理をして再建に成功した。昭和40年、経済不況により東芝は再び実質上の破たん状況に追い込まれたが、石坂の愛弟子である土光敏夫が再度立て直した。今回は石坂、土光に代わる名経営者は出現しないのか。

 
 筆者は大学4年のとき夏季実習に東芝の小向工場を選び、1カ月間指導を受けた。取り組んだのは無線による航空機自動着陸装置である。当時は各大学のエリートが東芝に集まり、社員の士気は高かった。筆者は浦和の自宅から通うと8時の出勤時間に間に合わせるのが困難であったため東芝への就職を諦めたが、頑張ってお世話になっていたらどうなっただろうかと思うことがある。

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