KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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ニューイヤー駅伝を10倍楽しく見たいのに見られない理由vol.2

2006年01月20日 | 駅伝時評
箱根駅伝のテレビ中継で潔いと思えるのは、中継アナを除けば、解説者やゲストに、過去2個のレースを走った経験のある人間しか登場しないことだ。

選手経験が無ければ、解説者ができないのかという意見もあるだろうし、当たり障りの無いコメントしかしない、実業団の現役ランナーのゲストなどいらないという意見もあるだろう。

それにしても、今どきの民放地上波のスポーツ中継ではこれは実に珍しいことなのだ。

さてさて、ニューイヤー駅伝についてだが、前回、例の3兄弟を悪し様に書いたが、まあ、テレビ局サイドとしても、ボクシング界に新しいスターを作りたいのであろう。そう言えば、このテレビ局では以前、不良少年を集めてオーディションを行い、プロのボクサーを養成するという企画をやっていたが、彼らはその後どうなったのだろう?

ボクシングについては全くの門外漢なので、3兄弟の力量がどのくらいのものなのか、果たして世界タイトルを取れるほどの器なのか僕には判断しがたい。ただ、昨年、やたらとワイドショーや週刊誌を賑わせた、元横綱の公開兄弟喧嘩と同様の騒動が将来起こる可能性は高いだろうなとは思う。

視聴者から俳句による応援メッセージを募集するというのも一体どういう方面から出されたアイデアなのだろうか?なぜ俳句なのか?というのがよく分からない。長野マラソンのような市民マラソンか、我が地元の愛媛マラソンの中継にこそふさわしい企画ではないかと思う。

視聴者の作った俳句など紹介するくらいなら、今回最も注目を集めた初出場チームの重川材木店に新築を頼んでいる施主からの応援メッセージを紹介するなどした方が良かったと思う。

こうした事を批判的に書くのは、レースと直接関係の無いゲストや企画にかまけて、4区で区間新記録を出した19歳のルーキー、松下朋広(ヤクルト)のインタビューをカットする、という「不手際」があったからである。

あんなものいらないという人もいるだろうが、僕は箱根駅伝の中継の中で紹介される「箱根今昔物語」というコーナーが好きだ。今年で50回目を迎えたニューイヤー駅伝でも、同様の企画ができなかったのだろうか?初期の優勝チームである八幡製鐵やリッカ-、東急といったなつかしいチーム名の関係者が当時の思い出を語るとか、あるいは箱根の中継のようにCMの前に過去の映像を流すとかしたらどうだろうか?
そんな他局のパクリはできない?他の番組ではさんざんやってるじゃないか。

50回記念大会ということで、出場枠が拡大したのだが、1つ疑問があった。東日本、中部、北陸、関西、中国、九州、それぞれの地区で枠を1つずつ増やされたのだが、東日本ではその枠を「連盟選抜」チームに充てた。しかも、
「競技力や、大会・連盟の運営への貢献などを考慮して」(公式ガイドブックより)、新電元工業とボッシュ(旧ヂーゼル機器~ゼクセル)の2チームのみからの選抜チームだった。

この決定に、他チームから異論は出なかったのだろうか?連盟選抜チームを作るのなら、より多くのチームから選ぶべきではないかと思うのだが、そんなに単純には事の運ばぬ理由があるのだろうか?個人的には、10年前の箱根で途中でリタイアしながら、翌年の神奈川大の初優勝に貢献した高嶋康司が主将を務める東京電力を見てみたかった。

他の地区でも選抜チームを編成した方が良かったのでは、と思う(世界選手権代表の大森輝和らを出場させるために。)反面、滝ヶ原自衛隊や先述の重川材木店のようなチームが出場できたのは良かったのかもしれない。来年も出場できるかどうか、真価が問われそうだ。

さてさて、今回、昨年の福岡国際で3位に入賞した藤田敦史が6区を走り区間賞を獲得した。
実は、昨年の福岡を走ったランナーで、今年のニューイヤー駅伝に出場したランナーは、彼だけなのである。かつての12月の第3日曜日に伊勢で開催されていた時代には、福岡を走ったばかりの宗兄弟や伊藤国光さん、世利重樹さんらが区間賞を獲得していたのだが。

この違いは何だろうか?

(つづく)


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