2月6日午前9時30分。第49回愛媛マラソンの号砲が愛媛県庁前で鳴り響き、その3時間58分9秒後、僕の足はゴールラインをまたいだ。着地の瞬間、
“Rejoyce!"
と口にすることが出来た。先に書いたように、今回はどんな結果になっても、この言葉を口にする事に決めていた。スタート前に目標と決めていた4時間以内で口にする事が出来て、ようやく一年前の無念を晴らすことが出来た。
帰りに、JR松山駅前の温泉に入り、ラーメン屋で生ビールの中ジョッキを2杯飲み干した。帰りの電車までまだ時間があったのでビールの500ml缶を3本買い、1本飲んで、残り2本は帰宅して飲んだ。「自分へのご褒美」を存分に味わい、録画していた香川・丸亀ハーフマラソンと別大毎日マラソンを見た。
酔っているので何度か途中で寝てしまい、その度に巻き戻しを繰り返した。
丸亀ハーフ。愛媛マラソンが2月の第3日曜開催の頃には、何度か出場している。「日本屈指の高速コース」というコピーに偽りはない。僕のハーフ・マラソンのセカンド・ベストタイムを出した大会でもある。5年前、福士加代子がこのコースでハーフの日本最高を出した時も走っている。
今回は男子と女子で明暗が分かれた。
男子のレースは、コース・レコードホルダーであるメクボ・ジョブ・モグスが勢い良く飛び出し、序盤から独走態勢を築く。このところの、テレビで中継される国内のハーフマラソン同様、日本在住のケニア人ランナーが圧倒的な強さを見せ、日本人は「勝負」にさえ加われず、といういつものパターンかと思いつつ、せめて自己ベストは更新してくれよと思っていた。
第2集団に食らい付いていた日本人ランナーの一人が宇賀地強。駒沢大時代には4年連続で箱根駅伝の「花の2区」を走った、常勝チームのエースだ。昨年春にコニカミノルタ入りしたばかりの「スーパー・ルーキー」だが、今年のニューイヤー駅伝では最長区間をまかされた。二週間前のひろしま男子駅伝ではアンカーとして栃木県初優勝のゴール・テープを切ったばかり。
過去2回優勝し、今回も1時間切りのペースで疾走していたモグスが19km過ぎて突然失速した。20km過ぎて後方から追い駆けてきたサムエル・ドゥングと、彼と並走していた宇賀地に逆転を許す。そしてスタジアムに入る直前でドゥングがスパート。宇賀地も懸命に後を追う。ドゥングが1時間0分55秒で優勝。宇賀地が3秒差で2位。日本歴代3位の好タイムだ。とにかく、ハーフマラソンで日本人男子が優勝争いに加わるのを久しぶりに見た。今シーズンは世界選手権をトラックで狙うとのこと。トラックの代表争いも高いレベルで争って欲しい。今シーズンは5000mでも10000mでも、日本記録の更新が実現しそうだ、と期待したくなる。
この激走で、大阪国際女子マラソン優勝の赤羽有紀子に代わって、月刊陸上競技マガジンの表紙を飾った。大阪の優勝者が翌月発売の陸上競技専門誌の表紙を飾らなかったのは、異例のことだ。宇賀地の走りに、「マラソン・ニッポン復活の萌芽」を見たのかもしれないが、日本最高を出したのならともかく、マラソン優勝者を表紙から外すのはいかがなものかと思ってしまった。
優勝したドゥングは元マラソン日本記録保持者、児玉泰介が監督を務める愛知製鋼に在籍する。かつて児玉が率いた三菱重工長崎のように、ロードレースで常に上位に食い込むランナーを多数抱えるチームに変りつつあるところだ。アジア大会のマラソンでNTNの北岡幸浩が銀メダルを獲得するし、ニューイヤー駅伝でトヨタ自動車が優勝するしと、今、中部実業団のチームが要注目だ。27日の東京マラソンでも、高橋謙介に尾田賢典らトヨタのランナーに注目してみよう。
女子のレースは期待ハズレだった。「国際」の名にふさわしく、北京五輪の5000m、10000mの両種目で銀メダルを獲得したトルコ国籍のエチオピア人、アベイレゲッセや、昨年優勝のニッキ・チャップルが招待されるも欠場。彼女たちと「日本のトラック女王」福士との対決を期待していただけに残念。福士がスタートからトップに立ち、そのままゴール。記録も1時間9分の平凡なタイム。いや、福士だから、このコースで1時間9分、というのが「平凡」に見えてしまうのだ。もはやベテランの域に達した福士だが、彼女を脅かす若手の台頭が見られないのが寂しい。初ハーフで1時間10分50秒のタイムで3位入賞した天満屋の小原怜が収穫と言えなくもない。重友梨佐、浦田佳小里と若手の注目株を抱える天満屋にまた一人、期待の星が加わった、と思う。「ロンドン五輪マラソン代表全員天満屋」も決して絵空事とは思えない。
ゴール後はいつもの「かよちゃん節」でインタビュワーを煙に巻いた福士だが、3年前の大阪以来のマラソン再挑戦の予定は未定のようだ。
愛媛マラソン、来年も2月の第一日曜開催だろうか?もし、また第三日曜開催に戻ったら、来年は3年ぶりに丸亀を走りたいと思っている。
“Rejoyce!"
と口にすることが出来た。先に書いたように、今回はどんな結果になっても、この言葉を口にする事に決めていた。スタート前に目標と決めていた4時間以内で口にする事が出来て、ようやく一年前の無念を晴らすことが出来た。
帰りに、JR松山駅前の温泉に入り、ラーメン屋で生ビールの中ジョッキを2杯飲み干した。帰りの電車までまだ時間があったのでビールの500ml缶を3本買い、1本飲んで、残り2本は帰宅して飲んだ。「自分へのご褒美」を存分に味わい、録画していた香川・丸亀ハーフマラソンと別大毎日マラソンを見た。
酔っているので何度か途中で寝てしまい、その度に巻き戻しを繰り返した。
丸亀ハーフ。愛媛マラソンが2月の第3日曜開催の頃には、何度か出場している。「日本屈指の高速コース」というコピーに偽りはない。僕のハーフ・マラソンのセカンド・ベストタイムを出した大会でもある。5年前、福士加代子がこのコースでハーフの日本最高を出した時も走っている。
今回は男子と女子で明暗が分かれた。
男子のレースは、コース・レコードホルダーであるメクボ・ジョブ・モグスが勢い良く飛び出し、序盤から独走態勢を築く。このところの、テレビで中継される国内のハーフマラソン同様、日本在住のケニア人ランナーが圧倒的な強さを見せ、日本人は「勝負」にさえ加われず、といういつものパターンかと思いつつ、せめて自己ベストは更新してくれよと思っていた。
第2集団に食らい付いていた日本人ランナーの一人が宇賀地強。駒沢大時代には4年連続で箱根駅伝の「花の2区」を走った、常勝チームのエースだ。昨年春にコニカミノルタ入りしたばかりの「スーパー・ルーキー」だが、今年のニューイヤー駅伝では最長区間をまかされた。二週間前のひろしま男子駅伝ではアンカーとして栃木県初優勝のゴール・テープを切ったばかり。
過去2回優勝し、今回も1時間切りのペースで疾走していたモグスが19km過ぎて突然失速した。20km過ぎて後方から追い駆けてきたサムエル・ドゥングと、彼と並走していた宇賀地に逆転を許す。そしてスタジアムに入る直前でドゥングがスパート。宇賀地も懸命に後を追う。ドゥングが1時間0分55秒で優勝。宇賀地が3秒差で2位。日本歴代3位の好タイムだ。とにかく、ハーフマラソンで日本人男子が優勝争いに加わるのを久しぶりに見た。今シーズンは世界選手権をトラックで狙うとのこと。トラックの代表争いも高いレベルで争って欲しい。今シーズンは5000mでも10000mでも、日本記録の更新が実現しそうだ、と期待したくなる。
この激走で、大阪国際女子マラソン優勝の赤羽有紀子に代わって、月刊陸上競技マガジンの表紙を飾った。大阪の優勝者が翌月発売の陸上競技専門誌の表紙を飾らなかったのは、異例のことだ。宇賀地の走りに、「マラソン・ニッポン復活の萌芽」を見たのかもしれないが、日本最高を出したのならともかく、マラソン優勝者を表紙から外すのはいかがなものかと思ってしまった。
優勝したドゥングは元マラソン日本記録保持者、児玉泰介が監督を務める愛知製鋼に在籍する。かつて児玉が率いた三菱重工長崎のように、ロードレースで常に上位に食い込むランナーを多数抱えるチームに変りつつあるところだ。アジア大会のマラソンでNTNの北岡幸浩が銀メダルを獲得するし、ニューイヤー駅伝でトヨタ自動車が優勝するしと、今、中部実業団のチームが要注目だ。27日の東京マラソンでも、高橋謙介に尾田賢典らトヨタのランナーに注目してみよう。
女子のレースは期待ハズレだった。「国際」の名にふさわしく、北京五輪の5000m、10000mの両種目で銀メダルを獲得したトルコ国籍のエチオピア人、アベイレゲッセや、昨年優勝のニッキ・チャップルが招待されるも欠場。彼女たちと「日本のトラック女王」福士との対決を期待していただけに残念。福士がスタートからトップに立ち、そのままゴール。記録も1時間9分の平凡なタイム。いや、福士だから、このコースで1時間9分、というのが「平凡」に見えてしまうのだ。もはやベテランの域に達した福士だが、彼女を脅かす若手の台頭が見られないのが寂しい。初ハーフで1時間10分50秒のタイムで3位入賞した天満屋の小原怜が収穫と言えなくもない。重友梨佐、浦田佳小里と若手の注目株を抱える天満屋にまた一人、期待の星が加わった、と思う。「ロンドン五輪マラソン代表全員天満屋」も決して絵空事とは思えない。
ゴール後はいつもの「かよちゃん節」でインタビュワーを煙に巻いた福士だが、3年前の大阪以来のマラソン再挑戦の予定は未定のようだ。
愛媛マラソン、来年も2月の第一日曜開催だろうか?もし、また第三日曜開催に戻ったら、来年は3年ぶりに丸亀を走りたいと思っている。
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