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KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

マラソン旅日記~香川・丸亀ハーフマラソンvol.3

2006年03月21日 | マラソン参戦記
2月5日(日)

午前7時少し前にホテルの前に着く。ホテルの近くのコンビニに立ち寄り、車に戻るとお二人が既に下りて来ていた。

丸亀に向けて車を走らせる。勝山通りを南へ下り、2週間後の愛媛マラソンのメイン・コースとなる国道11号線に入る。10km地点から中間点過ぎの折り返しまで続く一本道は、実はなだらかな上り坂である。川内インターチェンジから高速道路へ。彼らの愛媛訪問に合わせたわけではないのだが、一週間前に5回目の車検を受けたばかりの我が愛車ファミリア(既に絶版車)は実に快調に走ってくれる。
「そろそろ買い替えようかな。」
と思っているご主人様にアピールしているかのようだ。

車の中で何枚かCDを聴いていたが、Hさんが以前、好きだと掲示板で書いていた記憶のあるサディスティック・ミカ・バンドらについての話がはずんだ。記憶の片隅にフォークルがテレビの歌番組に出ている姿が残っている僕は、彼らの活躍もリアルタイムで覚えているが、「フォークの名曲」をいくつも残している加藤和彦氏が髪を染め、ラメ入りのスーツでエレキ・ギターを弾きながら歌う姿には当初なじめず、「聴かず嫌い」を起こしていた。そんな僕でも彼らの代表曲、「タイムマシンにおねがい」は初めて聴いた時をいまだに覚えている。
今、改めて当時の彼らの代表曲をCDで聴くと、当時20代前半だったギターの高中正義氏やドラムスの高橋ユキヒロ氏、ベースの小原礼氏らのプレイがすごい。加藤氏も実に「いい曲」を書いていたのだなと感心する。

「タイムマシンにおねがい」について、
「この曲、今、新人のアイドルに歌わせてもヒットするだろうね。」
とHさんと話していたのだが、1ヶ月後にこの歌がビールのCMで流れることになろうとは!
おそらく、僕かHさんらと同年代のプロデューサーの仕掛けかもしれない。

車は東に向けて走り続ける。ドラゴンズから今年ジャイアンツに移籍したピッチャーや、「ブログの女王」の故郷の町を過ぎ、おそらく、合併で変更された市の名前としてはセンスの悪さでは全国トップレベルであろう「四国中央市」を過ぎれば香川だ。窓の外は小雪がちらついている。寒さの中のレースになりそうだ。

観音寺のインターチェンジを下りたら、会場である香川県立丸亀競技場の照明灯が見える。実に分かり易いのがいい。ここまで松山市内から約90分で来られるのだが、会場まですぐそことなってから渋滞に巻き込まれた。皆、レースへの参加者だろう。駐車場は大量に確保されてはいるが、無事に車を停車するまでは気が気ではなかった。

丸亀競技場もインターハイのために新調された競技場だが、オーロラ・ビジョンも備えた立派な競技場である。愛媛FCにもこれくらいのホーム・スタジアムを、と思えるくらいだ。

ナンバーカードを受け取り、荷物置き場を確保し、ウェアにカードをつける。余計な時間を食ってしまったせいであわただしく準備をすませる。

日本の一線級のランナーたちが多数集まるレースだけに、会場周辺を何気にジョグしているランナーが、有名チームのランナーだったりする、というのがこの丸亀。僕たちの横をかなり速いペースで駆け抜けて行ったのは・・・、福士加代子だった!
思わず、Sさんと顔を見合わせた。レース後のインタビューの時とは別人のような真剣な表情
だった。
「かよちゃん、やりそうだな。」
西日本のみでテレビ放映された、2週間前の北九州選抜駅伝で福士はアンカーで驚異的な走りを見せた。10kmを30分18秒!で通過する走りで、ルーシー・ワゴイ(スズキ)を抜き去り、チームの優勝に貢献していたのだ。今日は、日本新記録か?
「日本屈指の高速コース」と呼ばれているが、男子のコース・レコードはコニカに所属していたガザヨ・ガソが日本最高を上回る1時間0分21秒だが、女子は意外にもこのコースで1時間9分を切ったランナーはいない。初ハーフの彼女がどこまで記録を出すか、あるいは20km以上走り通すスタミナがあるか、興味は尽きない。

他にもアテネ五輪金メダリストの野口みずきが、今回は「ゲスト」ではなく「競技者」として出場、他には弘山晴美、東京国際女子で入賞した日本在住の英国人マーラ・ヤマウチらがエントリー。地元と広島、愛媛のテレビ局は生中継したがゲスト解説は高橋尚子、インタビュワーは地元出身のフジテレビの女子アナと、全国ネットで生中継されないのが不思議だ。本当に、マラソンって、野球の次に日本人に人気のあるスポーツなのだろうか?

スタート地点が近づいてきた。今回は参加者も増え、スタート地点が競技場の外からとなる。以前、「世界陸上」の関連番組にて、
「マラソン大会でスタート地点に並ぶ順番はどうやって決めるですか?」
という「素朴な疑問」が紹介されていたが、お茶を濁したような解答しかされていなかった。

こういう大会では、申し込み書に自己ベスト記録か、ゴール予想タイムを自己申告することになっている。そのタイムに基づいて、ナンバーカードを発行して配布し、ナンバーの若い順に整列させるようにしている。

本来なら、大きなナンバーの選手が前の方に並ぶのは、「マナー違反」なのだが、実はかつて高橋尚子が出た年、彼女の真後ろに並び、テレビに映ったことがあります。すみません、もうしません、もうしません!

お2人とは、スタート地点も離れているので、一旦ここで、ゴール後の再会を約束して別れる。

ランナーたちの人ごみの中に紛れ込む。久しぶりの緊張感。

通常の「市民マラソン」なら、スタート前に主催者がかける言葉は、
「体調に気をつけて無理をしないで、楽しんで走ってください。」
というような類のものだが、ここでは、
「ぜひ、記録にチャレンジしてください。」
だった。そうなのだ。「楽しんで走る」というのは「ゆっくり走る」ことではないのだ。自分ができる範囲のトレーニングで身につけた実力をどれだけレースで出し尽くすことができるか。最大限の力を出し切れた時こそが、「本当に楽しい」瞬間なのだ。(JOCのえらい人にも、分かっていない人がいるようだ。)

スタートの号砲が鳴り響く。

(つづく)


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