絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

「一日一センチ」が対話の説得力を生む No.26

2008年08月01日 17時33分42秒 | Weblog
「一日一センチ」が対話の説得力を生む No.26

 早速本日「エリック・ホッファー自伝」作品社を注文し
ました。読み終えた段階で、感想文をこのブログにアッ
プします。エリック・ホッファーをエリック・ホファーと
昨日誤表記したことをお詫びします。


 さて、話を福永正三さんに戻します。
「挨拶」運動や「掃除」運動が浸透して、社員たちと話
し合えるようになった段階で、福永さんは、会社再建の
ため社員全員を集めて、以下のように話ます。

「みなさんは、本当におかしいよ。給料は毎月きちんと
貰っているかもしれへんけど、自分たちの力で働いて稼
いでいるわけやない。

 今みみなさんは白いご飯を食べているけれども、あれ
は全部、偽もののご飯なんや。

 私から見れば、みんな今、京セラから恵んでもらって
いるだけや。

 あなたたちはホームレスなんや。そんな自分の姿に気
づかないのならば、それ以下かもしれへんわ。

 今は私たちはホームレスと一緒やないか。
 自立するために頑張ろう。
 いやもっと言えば、ホームレスの方が、私たちよりも
自立自活しているかもしれない。

 なぜなら自分たちで食べるものを探してくる。
 私たちは体裁のいいホームレスと一緒や。

 この会社を黒字にして、せめて税金が払えるようにしようや」

 この言葉にある男性社員が反論した。
「福永さん、失礼なことを言うなよ。私も市民税を払っている。
何もかもちゃんと払っているじゃないか」

 福永さんは言い返した。
「いい加減にしてくれ。それは京セラが、この会社が赤字でも
給料を払っているから、給料がもらえるんや。

 月1億円の赤字だから、もうつぶしてしまおうということに
なったら、あんた税金を払うどころじゃない。

 あんたが税金を払っているように見えるけれども、本当は京
セラが払っているんや」

 相手は押し黙ってしまった。

「あんたは、京セラにぶら下がっているだけや。
自立も何もしてへん。言ってみれば、体裁のいい高級なホーム
レスや。そんなんは、税金を払っているとは言えへん」
(会社再建 出版文化社 より)

 集団を引っ張っていくためには、トップたる者は自己犠牲が
なくては何も生まれない。自らの犠牲を惜しまない気持ちが成
功に導くのだ、という信念を持ち続け、「一日一センチ」の自
己努力で実証を示し続けたきた、福永さんの対話でした。

 この対話は社員全員にとって説得力があり、富岡光学再建へ
の大きな一歩になりました。


歓乃喜 師弟 No.26(8/1 2008)
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