カウンターの中から客をのぞくといろんなことが見えてくる

日本人が日本食を知らないでいる。利口に見せない賢い人、利口に見せたい馬鹿な人。日本人が日本人らしく生きるための提言です。

一人仕事が楽しいと思った。一人でいることが楽だと感じた。一人ぽっちが好きになりそうだ。

2013-02-20 | 人間観察
火曜日は60個の弁当を納品した。

さすがに一人でやるのは辛かった。

そして水曜日は25個。

2段折の豪華弁当だ。

食材は40種以上。

これまた一人で作っている。

と言ってもまだ折詰めは8時ごろからになる。

これで2日目の徹夜だ。

誰も手伝ってくれるはずもなく、
僕はコツコツと一人で仕事を進めるしかない。

しかし、こんな時に限って客がなかなか帰らない。

本来なら理由を言って帰ってもらうのだが、
今回の客は、近所の商売仲間の人たちだ。

商売敵にわざわざ来てくれているし、
毎日顔を会わせる人たちだ。

しかも酒も回っていい気分になっている。

店の常連客が帰っても、なかなか腰を上げようとしない。

「マスター、もう何も構わないでいいから」

構わないでいいなら、酒も頼んで欲しくない。

口先だけの胡麻化しには辟易している。

それでも、僕は少しの時間を使ってでも、煮物などを進めている。

食材は女房がある程度は切って行ってくれた。

それだけでも大助かりだ。

そしてやっと彼らが帰る。

後片付けをして、
カウンターの上を広げ、
出来上がった料理を並べていく。

楽しい。

一人でいることがとても楽しい。

辛い反面、昨夜もそう感じた。

僕は一人ぽっちが好きなのかもしれない。

彰子先生から電話が鳴っている。

申し訳ないが、今の僕には電話に出る余裕はない。

Y子さんに言えばきっと手伝ってくれるに違いない。

それでも今日は一人でいたい。

そして一人になると、いろんなことを頭の中を想像する。

手を休めず、頭の中は未来に向かう。

病気のことや、将来に不安など考えない。

ミユキちゃんに会いたい。

アッコちゃんに会いたい。

そんなことも頭をかすめる。

それでも一人仕事に熱中している。

きっと納品したら、数時間は仕事などできるはずがない。

深い眠りに落ちてしまう。

ランチはできないに違いない。

それでも僕は、いま、とてもいい気分になっている。