kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

真夜中の刑事

2011年06月13日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
主役のイブ・モンタンはワタシたちにとって、シャンソン歌手でなく、「Z」であり、「戒厳令」である。間違っても「晴れた日に永遠が見える」などとほざいてはいけない。で、「真夜中の刑事」だ。

皆殺し商会のビッグ・ボスから「ライフルマンに会いたければ、イブ・モンタンに会え。」との指令を受け(何のこっちゃ)、実は今回、DVDで初めて観ることになる。

「真夜中の刑事」という邦題に「POLICE PYTHON 357」の原題、オープニングのアウトロー的な振る舞いに、最初、「ダーティーハリー2」か「黒い警察」のように「毒を以て、毒を制す」なストーリーかと思ったのだが、開幕30分で思いがけない展開に。

イブ・モンタンのフェロー刑事はとってもストイック。家の中は最低限の家財道具と充実した銃の手入れ道具しかない。たぶん、大人の自由時間は銃の訓練と手入れか専門誌を読むことだけなんだろうが、この辺の描写が一部の男子にはグッとくるところで、憧れのライフスタイルであることには違いない。(銃の撃ち方も堂に入ったもので、自然で滑らかな動きには感心してしまう。)

生真面目でストイックであるがだけに、一旦、道を踏み外すと、あれよあれよという間に悪夢のような迷宮に陥ってしまう。

ちょうど、同時進行でヴァンサン・カッセルの「メスリーヌ」を観ていただけに、「フランスって、こんな刑事しかおらんのか!」と疑問さえ覚えてしまう。(もっともフランス映画の刑事って、バカな役回りか狂犬みたいなのかと両極端。他国のようにカッコいい刑事ものって、あまり観た覚えがない。よほど、警察が嫌いなのか?)

もっとサスペンスフルなストーリーを期待しており、若い頃なら、この展開に違和感を覚えたところだが、年を喰ってくると、不思議な説得力を感じてしまう。大人の世界っヤツですかね。というか、もう完全に中年男の悲哀であり、そこがまた心地よかったりするのだ。

ところで、この映画の最大の被害者はイブ・モンタンの部下2人である。ムチャクチャな上司の尻拭いに翻弄される姿は涙なしにみることはできない。






題名:真夜中の刑事
原題:POLICE PYTHON 357
監督:アラン・コルノー
出演:イブ・モンタン、フランソワ・ペリエ、シモーヌ・シニョレ、ステファニア・サンドレッリ



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1 コメント

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お買い上げどうもありがとうございます。 (蔵臼 金助)
2011-06-14 15:50:53
「ムチャクチャな上司の尻拭いに翻弄される」とは反論出来ませんが、ほら、結果的には真犯人も黒幕も退治され、事件は解決。命まで救って貰って、絵に描いたハッピーエンドですよ。主人公を除いて。
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