kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

広島市現代美術館特別展「松江 泰治 地名辞典 gazetter」

2018年12月25日 | 展覧会
「松江 泰治 地名辞典 gazetter」
会場:広島市現代美術館
会期:2018年12月8日~2019年2月24日

飛行機で着陸の間際に見える景色が好き。眼下を走る車1台1台に運転手や同乗者、乗客、貨物の物語を想像してしまう。

もうひとつ、砂漠や荒地、雪原といった荒涼とした景色が眼前に広がるのも好き。こちらは中々お目にかかれないので、映画のスクリーンで堪能することが多い。

さて、そんな好みに見事にハマったのが、今回の「松江泰治展」。

最初の「Hiroshima 1983」と「TRANSIT」は路上観察の写真のようでそこまで好きではなかったが、第2室以降の世界中の旅先を撮影したものになると、もうワクワク感が止まらない。何でも今回の展覧会は中年男性の入館率が異様に高いらしいが、まあ、こういう写真が好きだよな。オッサン。

「YEMEN」「CYPRUS」「CALIFORNIA」とかの砂漠の景色って、たぶん何も面白くないのだが、ワタシは大好き。以前に観た「シナイ半島」というドキュメンタリー映画を思い出させたが、何の変化もないが個性あふれる砂漠や荒れ地を見ていると、そこに佇む自分を夢想して飽きない。(言うまでもなく「三つ子の弾ほしい百まで」*の西部劇好きやサバイバルもの好きが影響している。)

*「三つ子の弾ほしい百まで」:マカロニ諺。幼いころにガンクレイジーになると死ぬまで治らないの意。







ビデオ動画も面白くて、「ATLAS 121593」や「AYACUCHO 132681」なんて一人で1日中、見ていても飽きないと思う。以前同じ現代美術館で開催された「俯瞰の世界図」展にあった作品も大好きだったが、変哲のない景色の淡々とした変化はなぜか飽きない。毎日が慌ただしく忙しいから、逆にこういう景色を眺めることが贅沢なのかも。





とても気に入った「俯瞰の世界図」展でも広島市を空撮した松江泰治作品があったらしいが、あまり覚えていなかった。イッキ見した方が松江泰治作品は面白さがより伝わるな。




ワタシの友人に多いバックパッカーや旅行好きならきっと楽しめると思うし、こんな写真を見ていると世界の果てに旅したくなる。

興味深かったのは作家本人が旅好きの写真家というところ。ワタシも山に行って写真を撮るが、当然のことながら、山頂からの眺めや急な傾斜をいかに立体的に収めようかと苦心するのだが、松江泰治作品はあえて立体感を削ぎ落としていて、平面的にしか見えない。その辺の思いが作家性なんだろうと思うと面白い。

ちなみに本展は写真撮影可。そこはうれしい。

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