kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

アンダー・ザ・シルバーレイク

2018年12月24日 | ★★★☆☆
ハリウッドに暮らすプータロー青年、サムは、偶然、美人のサラと知り合い、翌日のデートを約束する。しかし、サラは謎を失踪を遂げ、謎めいた訪問者やメッセージを手がかりに彼女を探そうとする・・・

主人公の部屋に貼られたポスターやバーナード・ハーマン風の音楽、そしてドリー・ズームに見られるように、まずはヒッチコック風の巻き込まれ型サスペンスを思わせる。

サムはサブカル・ポップカルチャー好きで、コミックブックショップでアングラ同人誌「Under the Silverlake」を手にし、ハリウッドに隠された秘密とサラの失踪を重ね合わせて探っていく。
ハリウッドにはセレブとセレブを目指す人と特殊な人たちが溢れ、街なかではオールドスタイルな謎の暗号が飛び交う。そんな中、サムは迷宮のような世界に迷い込んでいく。

ワタシ自身はいわゆるオールドハリウッド映画やハリウッド・スキャンダルには疎いのだが、それを思わせるようなシーンや描写がどんどん出てきて、作り手の好みやセンスが全体にでている。
この映画の紹介では、前述のヒッチコック映画の他、「市民ケーン」「マルタの鷹」「チャイナタウン」「ラ・ラ・ランド」などが引き合いに出されているが、この他にも「フリッカー、あるいは映画の魔」「THE エージェンシー」「狼たちの街」「ゼイ・リブ」「ブラック・ダリア」「インヒアレント・ヴァイス」そして「ブルーベルベット」なども様々な陰謀論と、ハリウッドとカリフォルニアを舞台にした映画思い起こさせる。

主人公を演じるのはアンドリュー・ガーフィールド。ヌボーとした顔立ちと背の高さ故、オロオロ感も倍増。20年くらい前なら、異世界でオロオロする主人公と言えば、ジョニー・デップだったが、あんな感じ。(ワイルド&エロは除く。)

色んな謎がてんこ盛りで展開されるが、結局、多くの謎は説明されない。まあ、説明されても、主導権は作り手にあるので「はあ、そうですか」で終わりそうな気がする。

万人に楽しいですよとおすすめできる映画ではないが、先に言及した映画でピンと来る人はぜひ。
この映画を家で2時間見ろと言われたらツラいと思うので、逆の意味で劇場で腰を据えて観ることができたのは収穫だったかも。






題名:アンダー・ザ・シルバーレイク
原題:Under the Silverlake
監督:デイヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ライリー・キーオ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿