kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ONE SHOT ONE KILL 兵士になるということ

2009年12月06日 | 邦画
日時:12月4日
映画館:横川シネマ(数年ぶり)

アメリカ海兵隊の新兵訓練キャンプ(ブートキャンプ)を取材した日本製ドキュメンタリー映画で、タイトルの「One Shot One Kill」は「フルメタル・ジャケット」でマシュー・モディンのヘルメットにも描かれていた海兵隊のモットー「一撃必殺」のこと。(←後日、それは「Born to Kill 生来必殺」ではないかとのご指摘がありました。その通りです。確か、何かで見たはずなんですが・・・)

訓練は海兵隊員としての振る舞いや挨拶からはじまり、格闘技、体力づくりと基礎の基礎ばかり。

苛酷な訓練や新兵いじめがあるかと期待するが、「虐待があったら、報告せよ!」としょっぱなに念押しされるので、そういったことは無し。

ようやく中盤から実弾射撃に入るが、これも徹底的に基礎から叩き込まれる。面白かったのは、実弾を兵舎内に持ち込ませないため、一人一人の弾倉を回収するだけでなく、訓練場から出るときは金属探知機でチェックまでする徹底さ。

こういったドキュメンタリーでは、たいていの場合、新兵の本音を聞き出したりするのだが、今回は「自分が変わった。国のために尽くせることができてうれしい。」という前向きなコメントばかり。若い兵隊が本気でそう信じているのか、近くで広報担当官がいたからか、おそらくその両方だろう。

全編を通してインタビューは3回だけで、その他の言葉は命令と返事しかない。淡々と描かれる訓練風景は工場見学を見るかのようだ。

もちろん、そういった意図で演出されているのだが、効果的効率的な訓練を見ていると、長年培ったシステムがきちんと機能し、高度な平凡性を作り上げることがアメリカ軍の強さと、改めて実感させられる。

ワタシのような感想は、本作の製作者の意図と逆なのだろう。ということは、ドキュメンタリーとしては失敗?
題名:ONE SHOT ONE KILL 兵士になるということ
監督:藤本 幸久

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