kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

シン・ゴジラ

2016年08月05日 | 年間ベスト3
日時:7月30日
映画館:バルト11
パンフレット:A4版変形820円。この内容でこの価格はちょっと割高。

公開2日目早々に親子三人で鑑賞。前回、このメンツでの鑑賞は「ジュラシック・ワールド」、その前は「レジェ・ゴジ」。怪獣映画ばっかしや。

正直、予告編を観たときは全然期待できなかった。見どころもテンポもなし。
ところが予告編通りの中身なのに、映画はむちゃくちゃ面白い!!
今夏、絶対観た方がいい映画。

虚構対現実のキャッチどおり、怪獣という大災害に対して日本政府がどう挑むかが描かれる。
元々、戦争映画の延長線上みたいな怪獣映画が好きな上、大好きな邦画の1本が「日本のいちばん長い日」なものだから、心の底から待ち望んでいた内容と言える。

開幕早々、事件発生。(東京湾内で無人のボートが漂流する様は「サンゲリア」みたい。(笑))ドキュメンタリー手法で素早く状況説明された後、場面はすぐに首相官邸へ移り、余計な人間ドラマなど隙いる余地もない。にじり寄る破滅感と後手後手の対応にテンションがどんどん上がっていく。

政府首脳は昔のオールスター映画みたいな顔触れ。昨年版の「日本のいちばん長い日」ともかぶっていて、官房長官役の柄本明が首相に見えてしまう。防災担当大臣の中村育二のことを甘利元大臣のゲスト出演と思っている人も多いことだろう。
(平泉成の役回りは「バトルスター・ギャラクティカ」みたい。(笑))

官僚の仕事の末端の端っこの隅っこの一角にいるようなワタシでさえ、共感する場面が多い。(「博士の異常な愛情」を思わせるブラックジョークのような応酬を含む。)津田寛治の厚労省課長とか市川実日子の環境省課長補佐とかなんて、本当にこんなズバ抜けて優秀でいて、付き合いにくい感じ。(←ひがみ)しかし、現実を知っていると、あの横断的組織が機能する様はすこぶるカッコいいし、大災害の後の長谷川博己の演説には本気で泣きそうだった。
(組織編制時のサントラのフレーズが「007サンダーボール作戦」みたい。(笑))

キャスティングの中でひとり浮きまくっているが、言うまでもなく石原さとみ。
完全に客寄せパンダで、観終わった後、我が家でもあの役は大地真央だの、真矢みきだの、天海祐希だのヒネリのない名前が連呼されたが、よく考えたら、あの役で説得力のある女優だったら、○○攻撃する選択肢も正当と思えたかも知れない。ここは彼女が損な役回りを引き受けたと好意的に解釈しよう。後日、某英会話学校のポスターを見たら、コイツめ!と反射的にムカッとしてしまった。(笑)

ゴジラの大破壊シーンは、前作のむにゃむにゃに似ているのは気になるし、特殊効果の仕上がりの甘さも目に付かない訳ではない。しかし、日本国内で起きる災害の迫力には大納得。自衛隊の大活躍もいいのだが、お約束としていかんせん効かない・・・。
ゴジラ対応策も時間感覚も超現実的で、スーパー兵器や他の怪獣が出てくることなどない。その分、どうオチをつけていくのか、緊張感が持続される。

そして、ちゃんと本来のゴジラの存在理由を考えさせられる。
3・11以降、出るべくして出た怪獣映画として、涙がこぼれるようだった。

ところで、鑑賞後、ウチの奥さんと小僧が米空軍の人的損害の大きさの話をしている。
「あんだけ全滅してるってひどいな。」
おい、ひょっとしてMQ-1プレデターに人が乗っていると思ってるんか?







題名:シン・ゴジラ
監督:庵野秀明、樋口真嗣
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、その他大勢

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