kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

マッテオ神父の事件簿(TVシリーズ)

2016年03月14日 | ★★★☆☆
AXNミステリーで日本初放送が始まったテレンス・ヒルのテレビシリーズ「マッテオ神父の事件簿(DON MATTEO)」。本国イタリアでは15年10シーズンも続く大人気シリーズで、今世紀に入ってからのテレンス・ヒルのインタビューはこの「DON MATTEO」の話ばっかしである。

日本では第7シーズンからなので、シリーズの全体像をちゃんと把握していないかも知れないが、テレンス・ヒルが演じるのはイタリアの田舎町グッビオのマッテオ神父。同地で起きる数々の事件をカラビニエリ(軍警察)を助けて解決していく。(グッビオはほのぼの田舎町なのだが、事件の8割は傷害事件、2割は殺人事件という隠れ凶悪な町。)

マッテオ神父は実は様々な隠れ技能を持っており、その才能を活かして事件の解決に結び付けていく。どこで身につけたかわからない技を持っているあたり、ノーボディやトリニティに通じるところがあり、「飄々としたスーパーマン」というのが、イタリア人がヒルに期待する役柄ってことなんだろうな。

このシーズンでは荒馬乗りのシーンもあり、70歳を超えても、さっそうとした手綱さばきを見せてくれるもんだから、涙が出そうになったよ。(さすがに神父なのでクイックドローはしてくれないが・・・)

マッテオ神父は職業柄、力づくではなく、人の心に訴えかける説教で事件を解決する。これが刑事ものなどの他のミステリーとは一味違うイタリアらしい心温まる解決方法で、そこが15年も続く人気の秘訣なんだろうなと思う。
ワタシもテレンス・ヒルに人生を諭されたら、すぐ自供してしまうな。

その一方でイタリアらしいコミカルでオーバーアクトなパートはカラビニエリやグッビオの住民が担っており、上手くバランスを取っている。(日本人受けするかどうかは別だが。)

ゲストスターに「黄金の七人」のフィリップ・ルロワやシドニー・ローム、ニーノ・ベンヴェヌーティなども出ており、まったく油断ができない。

ところで日本では1週間で4話の一気放送。さすがに追いかけるのが大変なのだが、ぜひ他のシーズンも放送してほしいところだ。

2018年6月追記
ようやくシーズン8を観終わったので追記。
元々、テレンス・ヒルはイタリアで人気があったが、本シリーズで人気は不動のものとなったようだ。

【ストーリー】
田舎町グッビオで何からの事件が発生し、事件に関わったマッテオ神父(自分からは積極的には関与しない)が解決するのが基本ストーリー。
ほとんどが金や家庭内の揉め事が事件の発端で、根っからの悪人は登場しない。移民やシングルマザー、環境問題、福祉制度など社会的な問題が背景になることも多く、その辺、イタリア的かも。
マッテオ神父は生真面目な性格で派手な捜査もしないので、それでは1時間持たない。そこでカラビニエリと司祭館の皆さんが起こす瑣末なトラブル(基本痴話喧嘩)がサイドストーリーとして進展する。

【登場人物】
マッテオ神父(テレンス・ヒル)
我らがマカロニウエスタンのヒーロー!なのだが、我々におなじみの口八丁手八丁のキャラではなく、物静かな神父であり卓越した推理力でイエスの愛を説いて、事件を解決する。ある意味、一番地味な人物。

■カラビニエリ(軍警察)側
ジュリオ・トンマーゾ大尉(シモーネ・モンテドーロ)
カラビニエリの若き署長。有能だが、マッテオ神父がなんだなんだと事件を解決してしまうのを快く思ってない。
副官であるチェッキーニ准尉の愛娘、パトリッィアと交際している。

ニーノ・チェッキーニ准尉(ニーノ・フラッシカ)
マッテオ神父の親友。チェス友達でいつも捜査の相談に乗ってもらっている。トンマーゾ大尉とは通りを挟んで隣同士。
おっちょこちょいでおせっかい焼きという典型的なコミカルパートな人で、事件以外のトラブルの8割は彼が引き起こしている。

セヴェリーノ(ジュゼッペ・サルファロ)
新任警官。チェッキーニ准尉のいとこで、彼の使い走りもやらされる。堅物で古臭く回りくどい言い回しが特徴。

ギゾーニ(ピエトロ・プルチーニ)
警官。グッビオのカラビニエリで唯一揉め事を起こさない有能な人物。

コンティ検事補(エレオーノラ・セルジオ)
グッビオを所管する若き検事補。若くて美人なので、何をしても誤解を招いてしまう罪な人。

■司祭館側
ナタリーナ(ナタリー・グエッタ)
司祭館を取り仕切る口やかましいしっかり者。我が強く、事件以外のトラブルの2割は彼女が原因。実生活ではいてほしくないタイプ。

ピッポ(フランチェスコ・スカリ)
聖具係の男性。ナタリーナの相方的役回り。

ラウラ(ラウラ・ロマン)
司祭館で生活しているシングルマザー。クールな性格で皆に心配されるが、根は優しい。

■その他
パトリッツィア(パメラ・サイノ)
チェッキーニ准尉の愛娘。法律を勉強中(後に弁護士)。トンマーゾ大尉とお付き合いしているが、その道のりは平坦ではない。

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