やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

呪いアプリー63話

2012-06-30 22:20:21 | 小説
警察と言うのは、なんと頭の固いものだと頭前は思った。

「夢かもしれません。しかし考えれば可能性は幾らでもあるものです。そう調べる前からすべてを否定していると、真相にはとても到達しませんよ」

「記者さんからそんなことを言われるとは、ハハハハ。。。。日本の警察はそうバカではありませんよ」

少し目つきが変わる。

「そんなもの信用しなくても、事件は解決できる」

これ以上会話は無理だと思った。

頭前が立ちあがろうとした時に、赤岩刑事が言う。

「そう慌てなさんな。まだこちらの取り調べは済んでいないんでね」

「取り調べ?先程、私は犯人じゃないって言ったじゃありませんか。何を取り調べるんです?」

「さっきまではね。頭前さん。あなたは怪しいんでね。任意の取り調べをさせて貰いますよ」

「理由は?」

「あなたは今しがた自分の口で言ったじゃないですか。長原の父親を催眠術を使って動かしたとね」

仕舞った。

上手く誘導された。

頭前は浮かした腰を下ろした。

「わかりました。その取り調べとやら受けましょう」

そうは言ったが、住田が前に言った言葉を思い出した。

『死んだものを調べる余裕が無いだろう』

時間が無い。

こんなところで取り調べを受ける時間が勿体無い。

だが清浄師の死を詳しく知るには、警察から聞き出すのが一番の近道だ。








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