やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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over again-67話(探す)

2010-01-18 12:18:47 | 小説
「はっきりとは思い出せないけど、俺はそのゲームをその時初めて見たと思う」
「俺たちが遊んでたあのゲーム。おまえは持っていないんだな?」
「あぁ持っていない」
「あれはどこのメーカーが作ったんだっけ?」
「それは俺に聞かれても困る。でも、有名じゃないぜ。」
「ちょっとあのゲームはどこにあるか調べてみるよ」
「俺もあの時のこと思い出してみる。そうだ。あれはゲーム○ーイじゃなかったっけ?」
「あぁ外で遊んでたんだからそうだ」
「俺たちの時代だったら、パソコンで簡単に検索するんだけど、この時代はまだそんなに普及していないからな~」
「うん。でもありがとう。成沢のおかげで手がかりは見つかった。早々に帰って探してみる」
焦る気持ちを隠しきれないように、聡史は成沢の家を後にした。

健一は尋ねた。
「たぶん。このあたりをうろうろしてるってことは、成沢の家に向かってると思うんだけど・・・」
「そうでしょうね。」
「成沢は僕らの仲間じゃないんですか?」
「彼はもう必要ありません。意気地が無い。そんな人には未来は託せません」
「いいんですか?それで?」
「えぇあなたがちゃんとやってくれます。私はそう信じていますよ」
健一はそれが本心ではないと思った。
このまま吉川と一緒にいるのが怖くなった。
帰ろうと立ち上がったところで、吉川に静止された。
「今は動かない方がいい。彼が隠れているかもしれません。もう少し待って裏から出なさい」
健一は言われるがまま、もう一度腰を降ろした。

聡史はそれどころではなかった。
健一のことなど忘れていた。
息を切らしながら自宅に戻ると、ゲーム○ーイを探しまくった。
部屋の隅から隅を探したが見つからない。
なぜないんだ?
一通り探したつもりだ。
誰かに貸したか?
健一や明正は同じのを持っている。
恵子ちゃんはあまり興味なかったはずだし、裕子ちゃんはどうだ?
貸した覚えがない。
とりあえず電話して確認してみた。
「俺のゲーム○ーイ持ってないかな?」
「私は持っていないわよ。何かあったの?」
「あぁどうやらそのゲームが怪しいんだ。今探している・・・」
聡史は裕子に詳しく説明した。

「わかった。私もそのゲーム探してみる」
「頼む」
電話を切った後も、いらいらした気持ちだった。
どこにいったのだろう?
まてよ!本体が無くても、ソフトさえ見つかればいい。
そこで健一のことを思い出したが、彼は疑わしいとこがある。
電話するのも躊躇われる。
どうしよう。。。しばらく悩んだ。
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over again-66話(ゲーム)

2010-01-18 07:23:34 | 小説
成沢の部屋の床に座り、お母さんが出してくれたオレンジジュースを、一口飲んだ。
「俺さ。子供の頃、成沢とはほとんど口を聞かなかったよな~」
「そうだな。同じクラスになったこともないよな」
「ほとんどおまえのこと知らないな~なんて思って、今日は来たんだ」
「15年前もそうだけど、本当の世界ではおまえの存在さえ忘れてたよ」
「お互い様だ」(笑)
皮肉にも取れるような話で、お互いに意識し合える存在ではなかったことを、改めて気付かされた。
「俺たちには、今話したように接点なんてないんだ。それでも同じようにタイムスリップした。それには何かの理由が原因があるはずなんだ」
「それは俺も思うよ」
「それを知りたいと思って来た。タイムスリップする前のことや、した直後ののことは話をしたけど、今日は昔話をしたいと思ってる。成沢の子供時代のこと教えてくれないか?俺たちと何か接点がみつかればいいんだ」
「いいけど、、、何を話せばいいんだ?」
「俺と普通に話してくれればいいさ。まずは俺が質問するし」
「OK」
「小学校の頃には、友達は誰だったんだ?」
「伏見と麻野が仲良かったよ。俺のクラスは大人しいのが多かったから、あまり騒ぐなんてなかった。俺らはいつも大騒ぎしてたおまえらが、面倒に思えた」
「そうか。悪かったな。でも俺らは俺らで、おまえらは大人しいからがり勉やろうだって言ってたんぜ」
「そうか~。勉強はできんかったから将来が良くないんだけどな」(笑)
「おまえらって何して遊んでた?」
「ほとんどはゲームだ。あんまり外に出なかった。スポーツが得意でもなかったし、ゲームだと没頭できるからな」
「そうか。何のゲームが好きだった?」
「俺はロールプレイングゲームだな。シューティングゲームは疲れるから嫌いだった」
「そーいえば、俺らもゲームはよくしたよ」
「そうなのか?おまえらはよく公園にいたのは見たけど」
「いやゲームもしてたぜ。でも、、、今よく見たって言ったよな?やっぱ俺たちは公園に接点があったのは確かだ」
「俺もそう思う。学校以外なら公園でしか、おまえらを見かけた覚えが無いんだ」
「つまりは、その公園で何をしてたかだよな」
「あぁ。お前らは何をして遊んでたんだ?」
「俺たちは、缶けりや縄跳びや鬼ごっこにかくれんぼ。それから凧揚げなど昔っからある遊びは沢山してた。外で遊ぶってそんなのしかなかったからな。そうそうカード交換とかしてた」
「俺はカードには興味なかった」
「そうかその接点はないな。あっ!ゲームといえば俺たちは『神の采配』をよくしてた!」
「なんだ?それ?俺は知らないぜ」
「ルーレットみたいなのが現れて、天使が弓矢で射抜くんだ。その出た数だけ進んでいく。
そこに書かれてある内容で、いろんなことが起きて、まぁ誰が一番いい成績を出せるかっつえいう、人生ゲームみたいなものだ」
「あっそうーいえば、俺も一度だけしたような・・・」
「あれって、今でもあるかな?」
「おまえの家にあるのか?」
「わからない。探してみるけど・・・」
「俺。。。それを公園でしたような気がする・・・」
「えっ・・・・」
「おまえらの後に・・・」



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