先日は、正月を寿ぐ花としてフキタンポポを取り上げてみた。
そこで、今日は江戸時代から多くの園芸品種が育成された古典園芸植物の一つであるフクジュソウ(福寿草)の話をしようかな。この花、旧暦の正月(2月)頃にほころぶところから、元日草という別名を持つ。べたで目出度い花なのだ。
もちろん、この画像は現在のものではない。そう、世の中がまだ平和だった2019年2月18日、春まだ浅き頃に撮った写真なのである。
ご存知の通り、フクジュソウはキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草とされる。
ところが、猫の額では、越年草、もしくは短命な宿根草という範疇にあるようだ。庵主が下手っぴーなものだから、何度挑戦してもほんの数年でだめにしてしまい、それでも懲りずにこそこそとどこからともなく連れ帰る。連れてこられたフクジュソウこそいい迷惑なのである。
そして、今年も、その理不尽な行為の巻き添えを喰らった不幸なフクジュソウの苗がビニ温にいる。ウサギの耳みたいに二本のつぼみをにょきっと土から飛び出させて、岩手からの旅の疲れを癒やしている。
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📷2020年2月8日 上記の写真は、2020年に撮ったものである。2019年とは別の個体が猫の額のベランダで微笑んでいた。 (画像をクリックすると大きな画像が表示される。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
懲りもせず、何度も何度もチャレンジするというのは、この花が好きだからでもあるのだろう。
なんとも微妙な表現だが、この「でも」ってやつが曲者だ。種々の語に付き、「 物事の一部分を挙げて、他の場合はまして、ということを類推させる意を表す。」って表現なんじゃないの?
そうなんだ、図星! 好きなだけではなく、山野草の花の少ないこの冬に得難い微笑みを見せてくれる花でもあるのだし、さりとて実はさほど難しいという花でもないのだよ(もちろん、すぐ近くに難しいと感じる御仁もいるようだが・・・)。
というわけで、再々度、禁断の早春花に手を出したというわけなのである。
実は、この元日草を取り寄せただけではないのだよ。セリバオウレンやチチブシロカネソウも、陸奥から一緒に旅をして猫の額に辿り着いたのだ。
セリバオウレンは、キンポウゲ科オウレン属の多年草で、日本固有種とされる。
てっきりあの春の妖精(スプリング・エフェメラル)かと思っていたのだが、この時期でも葉が見られるということはそうではないらしい。
来春花が見られるのかだって? 下手っぴーだから確約はできないよ。頑張ってみたいと思っているけど・・・。
なに? 絵にならないって 苦笑 反論の余地なし、仰る通りでありまする。まだまだ目覚めのときには程遠く、土中で眠りについている。
チチブシロカネソウ、この花もキンポウゲ科の花である。キンポウゲの仲間には秀逸な花が多いのだよ。
昨年、大阪の師匠にお送り頂いたシロカネソウ属のトウゴクサバノオなどの仲間で、こちらはチチブシロカネソウ属となり、いわゆるシロカネソウ属の亜種(?)となるのかな。
チチブ(埼玉県秩父)との名を冠しているが、秩父地方の固有種ではなく、本州中部の深山に生息すると言う。
まぁ、こんな具合にさまざまな山野草を取り寄せて、こんなんやってますとブログに上げてみるのだが、辺幅修飾とでも言うのだろうか、なかなか栽培の力量が追いつかないところが残念なところなのだ。
来年こそはと緊褌一番、山野草と対峙してみようとこの年の瀬に誓うのであった。