ニシキギ科ニシキギ属の落葉広葉小高木、マユミの1年が終わろうとしている。もう何年も定点観察している旧知の木本だ。
5月から6月頃、1cmにも満たない小さな四弁花がほころぶ。雌雄異株とされ、雌株の花が終わると、角のある径1cmほどの蒴果を育む。
そして、秋ともなると薄桃色に染めた蒴果が弾け、真っ赤な実(仮種皮)が顔を見せる。花柄が長いので、少しの風にも揺らめく。その揺蕩う様は見ていてとても愛おしいものなのだが、困ったことに写真が撮りにくいことこの上ない。
マユミの真っ赤な実(仮種皮)は、鳥たちの好物のようでメジロやヒヨドリなどが好んで採餌するという。
鳥たちがすべてを喰らう訳では無いだろうが、時期が来れば実(仮種皮)は落ち、抜け殻だけが姿を留める。それとともに、葉は朱に染まり、こちらもいずれは落葉してマユミの一年が暮れていく。
マユミに手こずっている僕を、ちょっと薄笑いを浮かべて山茶花が見ていた。
悔し紛れに、そんな山茶花の表情をカメラに収めてやった。「ほらっ、君はこんな顔で僕を見ていたんだぞ。」とばかりにSNSに投稿してやろうと思っている。
通りすがりのお宅の家木である。ウチワカエデの類であろうか、色の濃淡が目を楽しませてくれた。
じゃんけんでグーしか出さないやつがいた。自分では気付いていないのだろう、必ずと行っていいほど、ここぞという勝負にはグーを出して負けていた。
ナンキンハゼはトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木である。この時期、真っ黒な果実が弾けて、真っ白な種子が露わとなっている。どうだろう、この実、力強く握りしめた拳のように見えないだろうか。
秋麗、蒼天に赤や黄に染まるナンキンハゼの葉が浮かび上がる。
蒴果の変容も面白いが、葉の形もいいのだよ。心形、そう、ハート型なんだ。
果実の姿と葉の色と、自然は類稀なるアーティストだね。
この辺り、堀兼~加佐志地区には田園風景が広がっている。
さすがに、イノシシなどの目撃情報は耳にしたことがないが、里山ライクな光景に身も心もゆったりとしてくる。
市街地に戻ってくる。そこここに公園が造設されているが、ここはS台5号公園のようだ。
いつもは何事もなく通り過ぎてしまう公園だが、見事な黄金色に染まった銀杏に目を留める。
ほらっ、右に少しカット・インしているイチョウはすでに葉を落としている。
いくらも違わない位置にありながら、なぜこんな差異が認められるのだろうね。
たまにしか立ち寄ることにない公園、その黄葉の見事さを見せつけるため散らずに待っていてくれたのだろうか。
身近なところで散見される秋深まるの光景、今年もまもなく暮れていく。来年は、どんな年になるのだろう(あっ、まだ気が早いかな)。