ここはまだ住宅街。もう6年ほど前になるのかな、こちらのお庭で見ることができるお花の話をして頂いた。
ヤマホロシじゃないよ、これはツルハナナスだ。
ナス科ナス属(ソラナム属)のつる性の常緑低木で、花期は7~10月頃とされている。
久しぶりに撮ってみたが、絵になる花だね。
仲を取り持ってくれたのが、門扉の前に設置されたこのシューズ型のプランター。
花ももちろんだが、プランターも素敵ですねの一言から話に花が咲いたというわけ。
あの時は、確かチョコレート色の花が咲くナデシコが植えられていたっけ。
お隣のお宅は、もう5年も、6年も前から空き家となっている。
主なき庭に木瓜の花が咲いていた。
猫の額のツルウメモドキは、たった三粒しか稔ることがなかった。
しかし、ここでは、弾けまくっていた。ぱちぱちぱちと、弾けまくっていた。
ショッピングセンター前の信号を渡る。ほぼ正面に、2メートルは越そうかという生け垣がある。
その頭頂部、陽の光を求めるかのようにツルウメモドキがニョキニョキとつるを伸ばして絡みついていた。
そして、ぱちぱちぱちと、弾けまくっていた。
菩提寺にも寄ってみた。
椿が咲いていた。南側には丈高い木々が茂っている。決して陽の光が十分に当たるとは思えない一角に、名前の分からない、ちょっと大柄の椿が咲いていた。
ボテッと重たげに、下向きに、だけど直向きに咲いていた。
仏の居並ぶ小径を辿り、菩提寺を後にする。
寺の甍には、なぜ熟し柿が似合うのだろう。
溢れるほどに咲いている山茶花を横目に見て、意味のないことを自問する。
貸し農園付近に戻り、帰路に就く。
もうすぐ公道に出ようかという、ちょっと奥まった農道の辺り、なにやら怪しげなマサキの実が百面相ごっこをしてた。
もう後5分ほどで家に着こうかという団地の一隅、見上げた先にコブシの冬芽が雲量の多い空をぶっ刺していた。
徒手空拳の無謀な行為、果たして思いは貫けたのかな?