漢方健康日記 第52回 おせちの薬膳
漢方健康日記の原稿です。
実際の放送とは違いがある場合があります
平成20年12月24日
漢方健康日記
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アナ: 漢方健康日記。このコーナーは漢方を通して皆様の健康に奉仕する、長崎中医
薬研究会がお送りします。普段の食生活や日頃の生活習慣を見つめなおして、健
康的な暮らしのお手伝いをしようというものです。担当は長崎市目覚町の開生薬
局、手嶋敏子さんです。宜しくお願いします。
今年も残すところあとわずかになりました。毎日寒いですね。/font>
手嶋: そうですね、来週はもうお正月ですね。今回は、お正月を控えて、おせち料理
を漢方的に薬膳としてとらえたお話をしてみたいと思います。
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アナ: おせち料理を薬膳としてですか、それはおもしろいですね。
/font>手嶋: お正月を控えたこの頃は、寒さによっていろんなトラブルが生じやすくなります。
体の中では水分代謝を整え、骨や脳の健康を保ち、からだの免疫力を維持している
腎臓、つまり腎のトラブルが起きやすくなって来ますが、食べ物でその腎の働きを
助けて育てるのが、温める性質をもつミネラル豊富な天然の塩辛い味になります。
おせち料理にはその点を考えた知恵が活かされているといえます。
/font>アナ: ミネラルを含んだ塩辛い食べ物や黒い食べ物に腎臓を強くする力があっておせち
料理にも活かされているのですか?
/font>手嶋: そうですね、黒い食べ物を含む塩辛い部類の食材は、温める性質を持つものが多
くて腎の働きを守って育てます。その食材としては、ミネラルを十分含んだ天然の
塩やしょうゆ、味噌の他、海に育つわかめ、昆布、ひじき、もずく、あさり、
ジャコ、寒天、のりなど、まだ沢山ありますが、これらには、Na・Ca・Mgなどの
ミネラル成分が豊富に含まれていて、更に腎を育てる黒い色の食材が多いと言えます。
/font>アナ: そういえば、おせち料理に黒豆や昆布巻などがありますが、それも関係ある訳
ですね。
/font>手嶋: はい。おせち料理には、寒い冬をのりきる為にも腎を育てる食材が沢山とり入
れられています。今のおせち料理は飾り膳が多くてにぎやかに出されますが、
昔からその年の神様にお供えされてきたいくつかの基本となる定番料理があります。
それにこの土地で取れた物などを添えて賑やかに飾り付けるわけですが、この頃は
立派なおせち料理が多くなりましたね。
御節料理(三段重)
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アナ: 本当に今のおせち料理は豪華ですよね。豪華さを競って作られているようですが
定番の料理としてはどんなものがありますか?
手嶋: はい、代表料理としては、「田作り」、栗きんとん、黒豆、ごぼうの昆布巻、
たたきごぼう、レンコン、数の子などもあげられますね。
黒豆の煮豆
‥頂br>
アナ: 正におせちの定番ですが、それぞれに漢方的な意味があるんですね。
/font>手嶋: そうですね、おせち料理を出すのは一つの神事と言われ、その年の神様をお迎え
するお正月3日間は、台所を騒がせないように気遣って、日頃忙しい女性が少しで
も休めるように、保存のきく料理を前もって用意しておもてなしをするというもの
ですね。寒い時期ですから、そこに体を温めて免疫力を高める黒い食材や塩辛い
部類の食材を多く使っているという訳です。
アナ: 神事といえば、お正月はその年の神様が3日間お下りをする「おくんち」のようで
すね。おせちの定番料理にはどのような意味がありますか?
/font>手嶋:まず、「田作り」の片口イワシは海産物で、塩辛い部類の食品に属して腎機能を育て
元気をつけ血のめぐりを良くします。「栗きんとん」の栗は渋皮に包まれている実
でこれも腎機能を補う食品に属します。
この栗はくちなしの実で黄金色に色付けして使いますが、ほてりを鎮めたり、
尿の出を良くする作用があります。「ごぼうの昆布巻」「たたきごぼう」のごぼう
も腎を育てる黒い食材の1つです。むくみをとり、便や尿の出を良くする食物繊維
豊富な野菜です。「黒豆」は、正に黒い豆で腎を育ててむくみをとり、利尿作用が
あって体の抵抗力をつけます。「ハス」は肺や大腸を元気にしてくれますし、酢
で調理して眼や筋肉、肝機能も良くなる工夫がされています。正に、寒いこの時期
に腎機能を補って体力を維持出来るような食養生、薬膳とも言えますね。
アナ: いろいろ工夫がされているのですね。おせち料理には、まだまだ深い意味がある
ようですが、おいしい料理を頂いて注意をしていても厳しい寒さや冷えで体調を崩
してしまうようなとき、よりシャープに効かせる漢方薬などおすすめのものはあり
ますか?
/font>手嶋: はい。何よりまず寒さ対策がとても大切なことですね。冷えによっておこる
トラブルですから漢方薬においても腎機能を高めて温めることがこの時期とても
大切です。冷え症で貧血気味の方には、体を温めて貧血を改善する婦宝当帰膠や、
温めて免疫力をつける参茸補血丸、疲れやすくて腸の弱い人には参馬補腎丸などが
おすすめです。症状によって対策も変わってきますからぜひお問い合わせください。
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
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アナ: ありがとうございました。 今日は、お正月を控えておせち料理の漢方的なとらえ方
と寒い今の抵抗力をつけて体を温める漢方薬のご紹介をしていただきました。
今日の担当は長崎市目覚町、開生薬局 手嶋敏子さんでした。健康のご相談は店頭
のパンダが目印の長崎中医薬研究会の会員店へどうぞ。お問い合わせは日本中医薬
研究会事務局、東京03-3273-8891もしくは長崎中医薬研究会ホームページ
をご覧下さい。このコーナーは長崎中医薬研究会がお送りいたしました。
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長崎市目覚町4-10
開生薬局