介護サービスほっと通信

「暖か介護でほっと一息」をモットーにしています。日々の仕事の中から感じたことなどを発信していきたいと思います。

免罪符

2007年07月09日 17時55分21秒 | 介護サービス
かつて特養にいた頃、短期入所生活介護事業所における重要事項説明に関する運営規定の「準用規定」を見過ごしていて実地指導の際に「知らなかった」ということがあった。しかし当然なことにそれは許されるものではなく、その場で慌てて掲示することで「見逃してもらった」ことがある。

この状況を見逃してくれたのは介護保険制度施行後の始めての実地指導であり不適切な状況をより早い段階で改善することと、未掲示が報酬算定に影響しない状況であったからに過ぎない。これが報酬算定に関わることならば当然の如く「文書指導」されていたことだろう。

これ依頼「知らなかった」は通用しないということを学び、準用規定も元のルールを確認するくせがついたので、今では大いに感謝している。

さて、「初心者」だから、というのはどこまで免罪符となりえるのか。

各種BBSによると「一人ケアマネ」の事業所で昨年度の実務研修を終えた「初心者」が管理者兼介護支援専門員として従事しているケアマネさんからの相談や質問が寄せられている。大概書き出しは「初心者なもので…」となっている。

このような状況のときに、どこまでが許されるものなのか。

まず一つの場面として、BBSでの質問をするということに対して。
これは「わからないこと」を「わかりたい」であり「間違った対応をしないために」知りたいということだと解釈する。この姿勢そのものは誤っていない。適切な対応をする事が大切だとわかっているからこそ「どうすればいいのか」を確認する行動になるからだ。

問題になり得るのは質問の内容だ。介護支援専門員として実務に従事するために必要な勅使や技術は実務研修受講試験と実務研修の中において、最低限度ものは担保されているというのが前提条件(建前ともいう)になっているので、その過程の中で当然に知り得るものについて「教えて欲しい」というのはおかしい。このあたりは「質問の仕方」を参考にして欲しい。

そしてもう一つ考えられるのは「初心者だから知らないことがあっても仕方がない」という考えについてだ。

介護支援専門員として利用者さんやご家族の前に立った段階では初心者もベテランも「介護支援専門員」であることに違いはない。初心者にあたった利用者さんは「運が悪い」、ベテランにあたった人は「うんが言い」ということがあってはおかしい。初心者であろうがベテランであろうが、介護支援専門員として最低限度必要な知識や技術があって「当たり前」なはずではないのか。

実務研修の際にも「給付のルール」がケアプラン作成演習は実習振り返り演習の中でポイントになることがある。「これは受験勉強の際に学習したことでしょう」と言っても「そんなことがあったような気がするが忘れました」となる。これは学習したことを試験のために「使い切った」わけだ。本来は実務に従事したときに活用できるために学習するのにもかかわらず。

だからこそ、当然に実地指導や適正化の中では「初心者」という条件は免罪符にはならない。不適切なものは不適切として取り扱われるだけだ。

必要な知識や情報は自らが得ようとする気持ちがあってはじめて得ることができ、活用することができるものだ。「仏の顔も三度まで」というようにいつまでも「知らなかった」や「初心者」が免罪符になると思わないほうがいい。

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2 コメント

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対利用者さんと接した時 (むく)
2007-07-11 01:31:38
兼任CMさんと主旨が違っていたらゴメンナサイね。

昔、初めて介護職の方と仕事をした時、新人さんが“初めてなので宜しくおねがいしま~す”と挨拶をしている横でいつも感じてたこと。

私が新人NSだった時(学生NSだったかなぁ)先輩NSにいわれた言葉を思い出していた。
あなたは1年生NSと思っていても、患者さんにとっては 経験年数など関係なく、一人のNS資格として見ているのですよ と。なんだか身の引き締まる思いで仕事をしていた記憶があるのです。
確かに DRやNSが1年生です、初めてです なんて言われたら 大丈夫かい? と思われてしまう。

だから、介護職は初めてですって言っていいのかな~ あんた達、プロでしょ!!なんて思いながら 自己紹介してるの聞いてました。

CM業務に就いてからも 同じ。
利用者さんには、初めてとか、知らなかった なんて通用しないのだからね。
利用者さんと一緒におろおろなんかしていられない。CMでお給料貰っているんだから・・・もう少しプロ意識持って仕事しなさいよ と思ってしまう。挙句の果て、教えてくれなかったと のたまう 彼もいる。
 
う~ん だって貴方が 知らないこと 私解らないもの。不安なことあったら ちゃんと聞いてきてよと思う。   ちょっと話が横道に行ってしまいましたね。

ただ、最近思う事は、CM認定資格を取り受講してCM業務についても、元々の感性によりCMの質は大きく変わってくると思う。その差を事業所内でどううめて CMの質の向上に繋げるのかが 事業所内の課題です。 
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学生時代にいわれた言葉 (兼任CM)
2007-07-11 09:04:38
大学生の時に実習に出ます。そのときにいわれた言葉は「あなたは指導者の前では学生だが、利用者の前ではプロであり専門職だ」という言葉です。
これはその後実習し同社になったときに学生に伝えていました。賛否両論があるようですが、この言葉の持つ意味を良く考えなければいけないと思っています。

その意味がまさにむくさんが示された状況なんです。

利用者さんや患者さんの前では全ての援助者はプロなんです。新人・ベテラン関係なし。必要な支援を適切に提供できることが絶対条件になります。
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