千葉県の千倉にある、海岸美術館へ行ってきました。
海から少々奥まった山中にある、浅井慎平の作品を展示するギャラリー。
広く明るい、ゆったりできる空間に大きめの写真を展示、点数は少な目ですが、定期的に入れ替えをしてるんでしょうね。
振り返ると、自分にとっては影響の大きい写真家の一人で、氏の本を案外読んでいることに改めて気が付いた。
高校生の頃、図書館に「100万人の写真術」というシリーズ本があって、よく読んでいた中に氏の写真があった。
展示もされている、ゴールドコーストで撮られた少女の後ろ姿の写真もその本に掲載されていた。
昨今では若い人は67や66という中判カメラを好んで使うようになって、そういう最近の写真を見慣れると、35mmで撮っているであろう氏の写真は粗いんですが、デジタルカメラも高画質になってしまった今では、ポジティブな意味でこの粗さは得難くなってしまった、ように思う。
粗いというと語弊がある。
見たままを取り出してきたような感覚、機械によって整えられてしまっていないイメージ、というか。
だから、その場の空気感に取り込まれていくような作品群である、という気がする。
海の写真が多いので夏っぽいイメージの展示になってしまっているけど、晩秋から冬に訪れるのも、この静寂さにひたるのには悪くなさそうに思う。