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文学作品と実用文書と論理・・・読売新聞の社説を読んで感じたこと。

2022年01月10日 21時41分51秒 | 教育の話題

高校の国語 文学と論理は分けられない

 

・・・高校は4月から、学習指導要領が新しくなる。現代文や古文、漢文を幅広く学ぶ必修の「国語総合」は、実用的な文章を扱う「現代の国語」と、文学や古典に特化した「言語文化」に再編される。

文部科学省は、社会で役立つ国語力の育成を掲げ、「現代の国語」では原則、文学作品を扱わない方針を示していた。・・・しかし、検定を行う審議会は「文学の掲載が一切禁じられているわけではなく、直ちに欠陥とは言えない」と判断した。

海外では文学作品と論理的文章を細かく区別して指導していないという。両者を無理に切り分けることで、本当に生徒の国語力は向上するのだろうか。

若者の読解力が低下し、リポートを書く力も乏しいと指摘されている。実用的な文章を読みこなし、論理的に書く力を身につけさせることは重要だが、それは文学との二者択一ではないはずだ。・・・

 
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20220109-OYT1T50139/
 
 

 

簡単な話です。

蓋し、「論理的」でなければ小説だろうと、

新聞の社説だろうと、誰も3行も読まない。

だって、それは意味不明ということだから。

 

だから、「実用文書なるその類いのテクストを

高校生諸君にはいっぱい読んでほしい❗」という

趣旨ならそれはそれで(全然賛成はしないけれど)

ありだったの、鴨。

 

ところが、「論理的」なり「論理」という言葉で、

――?そうではないらしい?――文学的テクストは

ご遠慮くださいと言っている。そう受け取られた

時点で文部科学省の敗北。そう思います。

 

覚書★アガサ・クリスティーという愉悦

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/a70ff39c23a027bd8166d9b911af7045

アガサ・クリスティーの全作品の中で一番好きなフレーズ、鴨。

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/59d7d87a33d85f016e5bbf91f34030e2

再出発の英文法(追補):「パラグラフ」ってなに? 
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/ea89ebe1327316460296604a216c057e

そして

朝日新の「武道必須化」批判を反面教師に小論文指導☆これ平成XX年度最低の社説か?

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4cdbb584b2e4ee092e47fa780891f9fd

 

>アガサ・クリスティー先生の諸作品を貫く緻密な論理

>朝日新聞の社説を覆う華麗な非論理

 

これらを想起するだけでこの理はどなたにも明らかでは

ありますまいか。かの、アリストテーレスは「詩」こそ

最も普遍的な真理を表現する――今で言うなれば「論理的な」

――テクストのスタイルであると断言されておられるくらい

ですもの。

 

ちなみに、朝日新聞だけでなく日本語はもちろん、

英語でもドイツ語でも非論理な実用文書はたくさん

ありますし、日本の文学作品(both belles-lettres and

the others)のほとんどは論理的なテクストである。

と、そうわたしは思います。

 

 

 



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