英語と書評 de 海馬之玄関

KABU家のブログです
*コメントレスは当分ブログ友以外
原則免除にさせてください。

靖国<不戦勝>の安倍総理の作戦勝ちに歯ぎしりする海外報道紹介(3)

2013年08月26日 19時13分22秒 | 英字新聞 de 政治経済


Abe has preserved his own popularity by focusing on economic issues during his nine months in office. Some analysts fear that, emboldened by his ruling party’s parliamentary victory last month, he might now be more willing to court controversy by talking about Japan’s past. If he does, it could further exacerbate tensions between South Korea and Japan, the United States’ two closest allies in the region, while complicating Washington-brokered attempts at military coordination.

“The best that Japan and South Korea can arrange for now is a [verbal] cease-fire — no opening of these historical issues by Abe and instead focusing on positive areas of cooperation,” said Michael J. Green, senior vice president for Asia at the Center for Strategic and International Studies. “But there is no simple concluding arrangement that will make this go away.”

首相に就任してからのこの9カ月、安倍首相は経済問題に注力することで自身に対する支持率を維持してきた。けれども、先月行われた国政選挙での与党の勝利によって大胆になった安倍首相が、日本の過去に言及して喧しい議論を自ら引き起こすことも躊躇しなくなるのではないかと危惧する識者もいる。もし、そのような事態になれば、この東アジア地域におけるアメリカと緊密な同盟関係にある二つの国、すなわち、日本と韓国との間の緊張は今よりも一層悪化するだろうし、それは日韓の軍事面での協調関係の促進を仲介しようとしているアメリカ政府の企ても困難になるに違いない。

【アメリカでは、一応、保守寄りのシンクタンクに分類されている】戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当に上級顧問である【このイシューに関しては明らかに支那、就中、韓国の代弁者と看做すべき】Michael J. Green氏は、「現在の局面を睨んだ場合、日本と韓国の双方がともに実施可能な最良の策は言葉のやり取りによる戦争状態を停止することです。つまり、安倍首相が歴史問題にこれ以上言及することを控え、その代わりに日韓が協力可能なより生産的な領域に注力すること」「けれども、事態を沈静化し問題を解決する(go away)ような、単純明快で最終的な解決策は見当たらないのですけれどもね」と述べている。





In the past year, Japan’s relations with China and South Korea have sharply deteriorated, with historical differences at the root. Japan is locked into a naval cat-and-mouse game with China around a string of disputed islands. South Korea and Japan have their own territorial dispute, although it is far less volatile. Their relationship has suffered more from contentious rhetoric and symbolic gestures by politicians.

Both Abe and Park, who took office in February, are hemmed in by domestic skepticism. Polls suggest surging distrust between Japanese and South Koreans. Park and Abe have not held a summit or shown interest in doing so, breaking a tradition of meetings between Japanese and South Korean leaders soon after taking office. Park has proposed a multilateral dialogue for peace in northeast Asia while also taking swipes at Japan, calling it “blind to the past.”

“If you close a door to a leader [like Abe] in a systematic way, how can you lead a so-called northeast Asian peace process?” said Bong Young-shik, a senior research fellow at the Asan Institute for Policy Studies in Seoul. “You can’t only deal with countries you like.”

この1年間で、日本と支那、および、日本と韓国との関係は目に見えて悪化した。而して、この悪化の根源には歴史を巡る意見の相違が横たわっている。いずれにせよ、支那との紛争の焦点となっている諸島周辺で、双方の海軍同士の追いつ追われつの熾烈な競争に日本ははまり込んでしまった。それに比べれば、一触即発の度合いは低いとはいえ、韓国と日本も領土を巡る紛争を抱えている。そして、政治家が発する喧嘩腰の発言や象徴的な行動が日本と支那、および、日本と韓国との関係を一層傷つける事態が続いてきているのだ。

安倍首相も、この2月に就任した朴大統領もともに、各々の国内に漂う相手国に対する懐疑主義に絡め取られ身動きができなくなっている。日韓間なの不信の度合いが急上昇していることは諸々の世論調査が示唆していることだ。実際、安倍首相と朴大統領はいまだに首脳会談を行っていないし、首脳会談を開催したいという意向さえ表明していない。これは、双方いずれかの国で最高指導者が新しく就任した場合、その就任の直後に日韓首脳会談が開催されてきたこれまでの慣行を破るものである。朴大統領は、北東アジア地域の平和のための多国間対話を提案しているけれども、日本に対しては、日本は「歴史に対して目を瞑っている」という非難を投げつけている。

ソウルにあるthe Asan Institute for Policy Studiesの上席研究員Bong Young-shik氏は、「どの国の指導者であれ、安倍首相がそうしているように意図的に(like Abe [does] in a systematic way)他国の指導者に対してドアを閉めていては、【そんな日本のような国が北東アジア地域にあるとすれば、朴大統領が真剣に提案している】所謂「北東アジアにおける平和の推進」などは極めて困難になるのではないでしょうか」「他国を専ら自国の都合の良いように取り扱うことなど誰にもできるはずはないのです」と語ってくれた。



【「If you close a door to a leader [like Abe] in a systematic way」を、likeを「~のような」という意味の前置詞と捉えて「安倍首相のような指導者に対して意図的にドアを閉めていては・・・」(日韓首脳会談も開催できないのは韓国側の責任だ→悪いのは韓国の方だ!)と取ることも文法的には可能です。けれども、韓国人研究者が自国の大統領を悪く言うはずはないという思い込みだけではなく(笑)、likeを前置詞と捉えた場合、前後の論旨がつながらない。要は、「意図的」(systematic)に日韓関係/日本と支那との関係を緊張させているのは安倍首相であると本文テクストでは一貫して著者が述べている理路と「前置詞のlike」は相容れないと思います。

また、likeが前置詞だとすれば、つまり、文意を「悪いのは韓国の方だ!」とすれば、最終センテンスは、例えば、「取り扱う」(deal with)べき国を韓国以外の国と想定した「You can’t only deal with other countries you like」(もしくは、「日韓2国の中で韓国を除いた他の1国たる日本」という意味で「You can’t only deal with the other country you like」)となるのが本文テクストのコンテクストからは寧ろ自然、鴨。なぜならば、話者は、おそらく著者も、韓国から見た東アジアの国際関係にとっての問題の根源はどこまでも日韓関係と考えているだろうし、日本以外の不特定多数の国々と韓国との外交関係に特に問題があるとは考えていないだろうからです。

更に、likeが前置詞だとすれば、この場面で優雅に一般論を語る「複数形の普通名詞の総称用法であるcountries」は不自然と私には感じられます。換言すれば、この箇所が「韓国は安倍首相のような指導者に対して意図的にドアを閉めていてる→日韓首脳会談も開催できないのは韓国側の責任だ→悪いのは韓国の方だ→けれども、相手国を、それがどんな弱小国であれ他国を専ら自国の都合の良いように取り扱うことなど誰にもできるはずはない→(韓国は、対日関係のみならずすべての諸外国に対してその夜郎自大的かつ「事大主義的・プチ中華主義的」な外交姿勢を改めるべきだ)」という<正論>を述べているものとは前後の文脈からは取りようがない。而して、逆に言えば、著者はこの韓国人研究者の発言がそういう<正論>と読者に取られかねないことを危惧して校正段階で「like Abe」の2語を挿入したの、鴨。

と、これらを考えて上記の如く、likeを「~のように」という意味の接続詞と捉え(つまり、like Abeの後に「does」が省略されていると考えて)、文意も「安倍首相のように他国の指導者に対して意図的にドアを閉めるべきではない→日韓首脳会談も開催できないのは日本側の責任だ→悪いのは日本の方だ→土台、相手国を、それがどんな弱小国であれ専ら自国の都合の良いように取り扱うことなど誰にもできるはずはない→(日本は、対韓関係のみならずすべての諸外国に対して、歴史を直視しない不誠実な外交姿勢を改めるべきだ)」という線で訳しました】



(WPST記事紹介終了)







<続く>




コメント    この記事についてブログを書く
« 靖国<不戦勝>の安倍総理の... | トップ | 靖国<不戦勝>の安倍総理の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

英字新聞 de 政治経済」カテゴリの最新記事