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たきゆの徒然日記

ゲーム、アニメなど趣味を書いています
好きな作品はMGS、COD。Fate、勇者であるシリーズ、ヘブバン

鷲尾須美の章 5話 感想

2017-11-04 02:22:08 | 結城友奈は勇者である
悲しい事が起きてそれで終わり。ではなく
その結果、どういう事になるかを延々と描く

アニメでもなかなか葬式をリアリティ溢れる描写で描くものはなかなか珍しいと思う

ある意味機械的なものである葬儀
淡々と粛々と催事が行われる

妙にリアリティのある銀の死を形式上悼む親戚
自分の娘がお役目でなくて良かっただの
銀の魂は英霊になられただの
三ノ輪家には膨大な援助がよこされるから銀は親孝行ものだの

当事者達の感情を余所に機械的に葬儀は行われる

わっしーも自分の感情に整理がつけてはいない
銀が死んだという実感すらわかないのだろう

献花で銀と対面した際に、銀はもういないのだという事実がのしかかり潰されそうになる


震える手をそっと導く安芸先生

そして当事者達の感情を代弁して叫んでくれる鉄男
視聴者たちのこころの声でもあった

大赦の大人たちが考える
「仕方のない事」
そう割り切る事はわっしーや園子様、三ノ輪家は出来ない
出来ないけど認めるしかない

だけどそれはあまりにも酷いからせめて鉄男が叫んでくれた
実際、この役目のために原作にはない鉄男というキャラクターは生まれたらしい

鉄男と共に涙をさそうのは銀の末っ子
ベビーカーの先に取り付けられた風鈴に手を伸ばし手持ち無沙汰にしていた

実際、銀が生きていればそんな時は末っ子をあやしていたのだろう
しかし銀はもういない為に末っ子の手は虚しく空を切る


鉄男の叫びでどよめく葬儀場、大赦仮面が一瞥し静まりかえる場
しかし一切の音が無くなった事によりわっしーは気づく

また敵が来たのだと
自分の中で整理できない感情
その奔流が原因の登場により爆発し、禍正しのBGMと共に静的であったAパート前半から一気に動の後半に切り替わる




映画で見た時からずっと思っていました
わすゆ5話に相当する部分の演出表現は勇者であるシリーズ随一の素晴らしさであると

よくもまぁ、こんな葬儀という微妙な感情が渦巻くシーンをリアリティに溢れ、かつ視聴者を泣かせにくるように作れたなぁと

銀の姿は献花のシーンまで映らない
6分を超える花散る雨のBGMの盛り上がりと共に銀の遺体と再会するわっしー
献花のシーン後は度々銀のアップの静止画が映される
極め付けはバーテックスが攻めて来て時が止まった時の銀のドアップ

もしかしたらいきなり起き上がって一緒に戦ってくれるかも
銀の棺を見るわっしー
そんな訳のわからない奇跡のようなものは当然起きるわけもなく
ただ樹海化が始まる


5話は登場人物の感情の動きが極めてテクニカル
例えばBパート前半で園子様が教室につき挨拶
それに対し同級生たちはどう答えていいかわからない
1人の生徒が園子様の身を案じて「お役目」について質問する
それが堰を切り、他の生徒の閉ざされていた口も次々に開かれていき、次第に身を案じていた生徒たちも園子様への好奇心の方がまさっていきまるで見世物小屋の享楽でも見るような

園子様へ最初に身を案じた質問をし、純粋な想いからの言葉だった生徒も次第に好奇心の方が強くなっていき
それに対してたじろぐ園子様



このあたりも徹底的にリアル過ぎる
ドラマでも見ているような感覚に陥る

クラスメイト達の5話の振る舞いはわっしーや視聴者たちにとってはタチの悪い態度と思ってしまいますが
そんなクラスメイト達も6話で汚名返上とばかりに株を上げるので悪気があっての事ではなかった
ただ、小学生ならではの好奇心、無邪気さ
それによるもの




ドアノブを回す描写というのはアニメーター達のあいだでも鬼門らしい
繊細な指の動きというのはアニメ描写の中でも難しい

その難しい表現をとても美しく描いたゆゆゆ12話。友奈と東郷さんが手を取り合い対面するシーン
あれに匹敵するヌルヌル手繋ぎ作画が5話でもわっしーと園子様の間で再び描かれる

そういえば友奈復活シーンは記憶違いでなければ福岡大生さんが演出を担当されたとか
あのシーンを担当した人だからこそ
わすゆで岸監督は総監督になり、メインの監督は福岡大生さんに変更になっても安心出来ました



ゆゆゆ一期の演出で1番素晴らしいと感じたのは12話の友奈復活シーン
東郷さんのギリギリ美少女像を崩さないレベルに崩壊させたボロクソの泣き顔
鼻水を出してなかったのは最後の良心
そうそう、勇者であるって「表情」の演出も極めて優れている
1番凄いと思ったのは次の6話に相当する部分の銀はどこ!?に対する
園子様の「わっしー!!!」の時の顔
あんなえげつない顔を描くなんてちょっと鬼畜すぎると感じました(褒め言葉)

話が毎度がごとく脱線しますが、友奈復活シーンは作画枚数がダンチで意気込みも違うし
光の演出、ラスト友奈と東郷さんとベンチと木々のみがポツリと描かれる引き絵
屈指の名曲「スミレ」が流れる。予想だけど花言葉は「小さな幸せ」
そして最初の部分だけど「ずっと一緒にいてくれるっていったじゃないっ!!」の後に落ち葉が空に舞うシーンがあるんですが
個人的にはあれは「再生」を意味していた演出だと考えます
枯れ落ちた葉が元の枝木に戻ろうとしていたんですよね


勇者であるはビジュアル面でも意匠を凝らしているものが多い
ワンカットの情報量が多い

特にこれは指摘されないと気づけなかったのが一期4話の、夕暮れ時三架橋。5話の鳥が背景に描かれますが
一羽遅れて前方の四羽に追いつこうとしている鳥の絵が、樹と他の勇者部の暗喩であったシーン(円盤特典ブックレットで言及)
因みにゆゆゆトリビアを披露すると、かんの糖子さんの漫画でも、一期5話相当部分で樹が満開する際に、樹の独白と共にそのシーンが拾われている



5話は特に演出面で本気を出しまくった話であった
また、ここまで葬儀というものを現実味溢れる描写で描けるのは勇者であるシリーズならでは、なんだろうなと

他の作品は登場人物の死を
「死」という生と切り離した1つの事柄として扱いがちであるが
勇者であるシリーズはリアルよりに描かれる為に
「死」を「生」から続く一連のものとして描き、死のあとに残された者達の生の中でその死がどう扱われるか描く


恒例のように自分でもいったい何を言ってるかわからなくなってきたが

わかりやすく述べると
他のアニメはキャラが死ぬ、そこではい終わり
になりがちなのに対して
勇者であるシリーズは、悪いことが起きてその結果どうなるのかというのを延々に描いている

テレビドラマよりな作り方に感じる


5話は辛いが、6話はもっと辛くて尊い

しずく並みにわっしー達に尊みを感じること必至なわすゆアニメ化であった



と、まとめに入ったが思い出したことを1つ

声優の方の演技が上手い


特に車中安芸先生の「あのね」のシーン
その後の感情を押し殺しながら勇者たちの指導役としての立場から2人と会話する時の声のトーン


あれがあるからくめゆの安芸先生はむしろ哀れみを誘ってしまうんだよなぁ…



後はEDがまさかのわっしー園子様デュエットでのともだち
たぶん今回が初出
EDアニメも尊い

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2 コメント

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Unknown (うどんちゃん)
2017-11-04 10:01:43
感想を読んで葬式をやった意味にいろいろ納得できました。

エヴァの集結の運命みたいにエガオノキミヘの歌詞ですみ、ぎん、そのこって出てくるのも3人がズッ友だよって事なのかな?って納得できました。
勇者の章からまた変わるみたいですし。
OPからミノさん消えるかもって不安だったけど良かった。

自分はわすゆ映画をなんとなく見てから嵌った新参者なので最近知ったこのブログでたきゆさんの感想や考察が面白くて凄くよく見てるなぁと思って感心してます。

勇者のバトンの花が水たまりにつくやつとか凄い。
死亡フラグの話もメッチャ面白かったです。
勇者の章楽しみですが死亡フラグの話から銀のスマホがデスアイテムになって夏凜退場からのメブ登場とか頭に浮かんじゃいました。
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Re:Unknown (たきゆ)
2017-11-05 00:29:28
コメントありがとうございます!
毎日勇者であるシリーズの事ばかり考えていますからねw

おかげで他のアニメに割くカロリーや時間が無くなってしまったので、ゆゆゆ一期放送終了後から深夜アニメを観る量が激減してしまったという

今期はゆゆゆ2期とDIES IRAEしかまだ観れてません
ガンツ作者のいぬやしき、十二大戦とか観ようと思ってはいるんですが、、、
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