ネタバレ注意
今作のヴェノム=メディックという物語ラストのネタバレをあまり快く思っていない人も多いみたいですね
個人的には今作のスネークがビッグボスでは無いという事実に対しては心寂しさを感じつつも肯定的に受け入れています
そこで今作のヴェノムがメディックであった理由について、その趣旨とそれが何故受け入れ難い内容であるのかを自分なりに纏めてみます
まずヴェノムの正体はメディックでありましたが、文字通りにメディックが主人公だったと捉える人はまずいないでしょう
今作はメディックを媒介にプレイヤーがビッグボスと同一存在になる
つまり今作の主人公はプレイヤーである
ビッグボスになってプレイヤーは嬉しいかどうか
ここが一番の論点なんですよね
某オサレ漫画の本当にセンスが良いと感じる台詞に「憧れとは理解からはもっとも遠い感情だ」というのがあります
正にビッグボスにはこれがあてはまります
ビッグボスは他のスネークとは異なりカリスマ性が高すぎた
ゼロが世界支配のイコンとして利用しようとしたように
ビッグボスを好きなプレイヤーほどその偶像性に酔ってるんですよね
我々プレイヤーはさながらマザーベースの隊員が如くビッグボスを信奉し、彼の心情や歴史を観客席最前列から眺めたいのであって。舞台の役者となりビッグボスを演じてその心を知りたいのではない
小島監督の趣としては、28年来のファンへのサービスとして「最終作はビッグボスから直々にお前がビッグボスやって言われるんや。こんなに嬉しい事はないやろ?」というニュアンスでこの展開を用意したとは思います
確かにそれで喜ぶファンも存在します
だけど、おそらく統計的に見て多いのは自分がビッグボスという英雄に近づくのではなく、過去作のように英雄の生き様を見届けたいと願うファンなんですよね
MGS4ラストのオタコンのように、伝説を紡ぐのではなくオーディエンスとして語り継ぎたい
既存のファンであればあるほどスネークというキャラクターを現実世界から乖離したフィクション色の濃い英雄として信奉しがち
その点が製作者が意図した流れと、我々プレイヤーが実際に感じる思いの齟齬であると思います
実際に自分としてはやはり今作のスネークはビッグボスであって欲しかったです
その他のメディック=ヴェノム批判の理由としては専らビッグボスが悪に堕ちた理由がプレイヤー自身に投げられた事ですね
ヴェノムと真のビッグボスは文字通りに2人で一つのビッグボス
ヴェノムが偽物、その点で批判している人は少ないはず
その上でMGS1~4で語られた悪人としてのビッグボスについてはクリア後のプレイヤー各々で考えてね、となる
考察する為のガイドラインは丁寧に用意されているので妄想も用意ですが、確かな答えがないというのが面白い
小島監督が最終作にしてプレイヤーにスネークを委ね、製作者とコンテンツとプレイヤーの間でMGSが共有できる形となった
メタ的な視点ですがここが一番評価できるポイントだと個人的に感じます
今まではゲームからメッセージが送られてくるある意味トップダウンな作りだったんですよね
それが最終作にしてMGSシリーズのミッシングリンクにプレイヤーが埋まり作品としての円環が完成することでMGSは永遠にプレイヤーの心に生き続ける
ツイッターで小島監督が表現した「永遠の空白」とはこの部分ですね
納期と予算の都合上で削除されたであろうエピソードについては擁護できませんが、おそらく完成品であったとしても最後のビッグボスの闇堕ちがプレイヤーに委ねられるという結末は変わらないはず
TV版エヴァのように未完であるからこそ、コンテンツの供給が途絶えた後年月を経て作品が死なずにファンの心の中で生き続ける
死してなお輝き続けるんですよね
この部分の小島監督の狙いは完全に成功してます
不完全燃焼であるからこそ燃え続けられる可能性が生まれる
だけどまぁ三章はいずれDLCで出して欲しいんだけどなぁ
6000円くらいでも買う人は大勢いるはず
この敢えての未完はMGSがシリーズとしてはMGS4で完結しているからこそ行えるパワープレイ
Vはストーリーの本流の外伝として話を膨らませる、空白部分を埋める要素が強い
空白部分は大部分は埋まりましたね
主に真実の記録のカセットテープにより
1時間近くの語りでビッグボスの闇堕ち以外の謎の大部分は答えの輪郭が見えました
このように視野を広げてみればヴェノム=メディックもかなり受け入れやすい要素になってきます
そして更に深くヴェノムについて考察しようとすると
それはプレイヤーとしてのヴェノムではなく、メディックが自分が偽りの英雄と知った上で敢えてビッグボスを演じている上でのヴェノムとしての感情部分の考察がかなり面白そうです
残念な事にこの部分を考察できる要素の提示の始まりがおそらく三章からのはずなので
本当に妄想としてでしかこのメディックとしてのヴェノムの意志について深く踏み込んで考察できないんですよね
もし三章以降があればかなりメディック視点でも盛り上がれたろうにそこが残念でならない
世界を売った男の真実でガラスを割ったもやのかかった世界へ消えていくヴェノム、赤を白と知覚する設定、本編未収録の核廃棄ムービーがその片鱗
とりわけ核廃絶ムービーが興味深い
あのムービーではヴェノムが自分がビッグボスのファントム、デーモンと気づいた上で、自身がいずれ消えなくてはならない存在だと知った上でビッグボスとして存在し続ける内容なんですよね
おそらくその部分でファントムペインが幻肢痛ではなくファントム(ヴェノム)の痛みとしても回収され更にメディックの視点も取り入れられたストーリーが展開されると妄想できるんですがその点が非常に残念
当初実は4章仕立てではなく5章仕立てだったという信頼性の高いリークがあったよう
そのリークが嘘か真かは置いておいて
あの小島監督なら5章をV章として、そこでプレイヤーとしてだけでは無くヴェノムとしてのビッグボスが語られたはずだった
まぁこのあたりは完全に妄想ですが
最後にまとめると個人的には未完成発売については残念ですが、スネークがプレイヤーの心の中に存在し続けるこのラスト
非常に好感触でした
今作のヴェノム=メディックという物語ラストのネタバレをあまり快く思っていない人も多いみたいですね
個人的には今作のスネークがビッグボスでは無いという事実に対しては心寂しさを感じつつも肯定的に受け入れています
そこで今作のヴェノムがメディックであった理由について、その趣旨とそれが何故受け入れ難い内容であるのかを自分なりに纏めてみます
まずヴェノムの正体はメディックでありましたが、文字通りにメディックが主人公だったと捉える人はまずいないでしょう
今作はメディックを媒介にプレイヤーがビッグボスと同一存在になる
つまり今作の主人公はプレイヤーである
ビッグボスになってプレイヤーは嬉しいかどうか
ここが一番の論点なんですよね
某オサレ漫画の本当にセンスが良いと感じる台詞に「憧れとは理解からはもっとも遠い感情だ」というのがあります
正にビッグボスにはこれがあてはまります
ビッグボスは他のスネークとは異なりカリスマ性が高すぎた
ゼロが世界支配のイコンとして利用しようとしたように
ビッグボスを好きなプレイヤーほどその偶像性に酔ってるんですよね
我々プレイヤーはさながらマザーベースの隊員が如くビッグボスを信奉し、彼の心情や歴史を観客席最前列から眺めたいのであって。舞台の役者となりビッグボスを演じてその心を知りたいのではない
小島監督の趣としては、28年来のファンへのサービスとして「最終作はビッグボスから直々にお前がビッグボスやって言われるんや。こんなに嬉しい事はないやろ?」というニュアンスでこの展開を用意したとは思います
確かにそれで喜ぶファンも存在します
だけど、おそらく統計的に見て多いのは自分がビッグボスという英雄に近づくのではなく、過去作のように英雄の生き様を見届けたいと願うファンなんですよね
MGS4ラストのオタコンのように、伝説を紡ぐのではなくオーディエンスとして語り継ぎたい
既存のファンであればあるほどスネークというキャラクターを現実世界から乖離したフィクション色の濃い英雄として信奉しがち
その点が製作者が意図した流れと、我々プレイヤーが実際に感じる思いの齟齬であると思います
実際に自分としてはやはり今作のスネークはビッグボスであって欲しかったです
その他のメディック=ヴェノム批判の理由としては専らビッグボスが悪に堕ちた理由がプレイヤー自身に投げられた事ですね
ヴェノムと真のビッグボスは文字通りに2人で一つのビッグボス
ヴェノムが偽物、その点で批判している人は少ないはず
その上でMGS1~4で語られた悪人としてのビッグボスについてはクリア後のプレイヤー各々で考えてね、となる
考察する為のガイドラインは丁寧に用意されているので妄想も用意ですが、確かな答えがないというのが面白い
小島監督が最終作にしてプレイヤーにスネークを委ね、製作者とコンテンツとプレイヤーの間でMGSが共有できる形となった
メタ的な視点ですがここが一番評価できるポイントだと個人的に感じます
今まではゲームからメッセージが送られてくるある意味トップダウンな作りだったんですよね
それが最終作にしてMGSシリーズのミッシングリンクにプレイヤーが埋まり作品としての円環が完成することでMGSは永遠にプレイヤーの心に生き続ける
ツイッターで小島監督が表現した「永遠の空白」とはこの部分ですね
納期と予算の都合上で削除されたであろうエピソードについては擁護できませんが、おそらく完成品であったとしても最後のビッグボスの闇堕ちがプレイヤーに委ねられるという結末は変わらないはず
TV版エヴァのように未完であるからこそ、コンテンツの供給が途絶えた後年月を経て作品が死なずにファンの心の中で生き続ける
死してなお輝き続けるんですよね
この部分の小島監督の狙いは完全に成功してます
不完全燃焼であるからこそ燃え続けられる可能性が生まれる
だけどまぁ三章はいずれDLCで出して欲しいんだけどなぁ
6000円くらいでも買う人は大勢いるはず
この敢えての未完はMGSがシリーズとしてはMGS4で完結しているからこそ行えるパワープレイ
Vはストーリーの本流の外伝として話を膨らませる、空白部分を埋める要素が強い
空白部分は大部分は埋まりましたね
主に真実の記録のカセットテープにより
1時間近くの語りでビッグボスの闇堕ち以外の謎の大部分は答えの輪郭が見えました
このように視野を広げてみればヴェノム=メディックもかなり受け入れやすい要素になってきます
そして更に深くヴェノムについて考察しようとすると
それはプレイヤーとしてのヴェノムではなく、メディックが自分が偽りの英雄と知った上で敢えてビッグボスを演じている上でのヴェノムとしての感情部分の考察がかなり面白そうです
残念な事にこの部分を考察できる要素の提示の始まりがおそらく三章からのはずなので
本当に妄想としてでしかこのメディックとしてのヴェノムの意志について深く踏み込んで考察できないんですよね
もし三章以降があればかなりメディック視点でも盛り上がれたろうにそこが残念でならない
世界を売った男の真実でガラスを割ったもやのかかった世界へ消えていくヴェノム、赤を白と知覚する設定、本編未収録の核廃棄ムービーがその片鱗
とりわけ核廃絶ムービーが興味深い
あのムービーではヴェノムが自分がビッグボスのファントム、デーモンと気づいた上で、自身がいずれ消えなくてはならない存在だと知った上でビッグボスとして存在し続ける内容なんですよね
おそらくその部分でファントムペインが幻肢痛ではなくファントム(ヴェノム)の痛みとしても回収され更にメディックの視点も取り入れられたストーリーが展開されると妄想できるんですがその点が非常に残念
当初実は4章仕立てではなく5章仕立てだったという信頼性の高いリークがあったよう
そのリークが嘘か真かは置いておいて
あの小島監督なら5章をV章として、そこでプレイヤーとしてだけでは無くヴェノムとしてのビッグボスが語られたはずだった
まぁこのあたりは完全に妄想ですが
最後にまとめると個人的には未完成発売については残念ですが、スネークがプレイヤーの心の中に存在し続けるこのラスト
非常に好感触でした
ヴェノム君が偽者だったこと、
演出として肯定しつつもちょっと
モヤモヤしていたのですが、
この記事を見て納得できました笑
確かにヴェノム=メディックの心情も気になりますね!しかしそうなるとskyrimのようなロールプレイングゲームにしないといけなくなるかもしれませんね笑
考察という名のただの妄想ですがモヤモヤが取れて何よりです
発売2年前の海外のリーク情報では全5章、1年前のリーク情報では全4章と各EPのサブタイトルまで大体本編と一致していたタレコミが海外サイトに出回っていたよう
最終章を5→U+2164章で締める仕掛けは多分構想としてあったと思うんですが納期と予算の問題が本当に悔やまれます