じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 北森鴻

2023年11月02日 22時00分20秒 | ■読書
北森鴻の連作ミステリ短篇集『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』を読みました。
『桜宵 香菜里屋シリーズ2』に続き、北森鴻の作品です。

-----story-------------
出会いはひととき、思い出は永遠。
ビアバー《香菜里屋》からメニューが消えた訳とは。
そして、ついに明かされるマスターの過去――。
ミステリー史に輝く傑作、感動の完結!

突如、ビアバー《香菜里屋》からメニューが消えた。
マスター工藤と同じ店で修業したバーマンの香月は、
友の変化を耳にし、かつて二人が経験した悲しい出来事を思い出す。
工藤が待ち続けた人物が、ついに現れたのか――(「終幕の風景」)。
連作短編ミステリーの金字塔、感動の最終巻!

未完の「双獣記」も収録。
解説 大矢博子
-----------------------

2011年(平成23年)に刊行された作品…… 三軒茶屋の路地裏にあるビアバー《香菜里屋》のマスター・工藤哲也が、客が持ちかける相談事や謎を、解き明かす安楽椅子探偵もの、香菜里屋(かなりや)シリーズの第4作(最終巻)です。

 ■ラストマティーニ
 ■プレジール
 ■背表紙の友
 ■終幕の風景
 ■香菜里屋を知っていますか
 ■解説 大矢博子
 ■双獣記

香菜里屋シリーズ完結編…… 当店の裏メニュー、それはお客様が持ち込む謎と、その解決です、、、

ビアバー香菜里屋は、客から持ちこまれる謎がマスター・工藤によって解き明かされる不思議な店…… 常連客は、工藤による趣のある料理とともにこの店を愛していた。

だが、その香菜里屋が突然たたまれてしまう…… そして若かりし頃の工藤の秘密が明らかになる、、、

シリーズ完結編…… 未完となった「双獣記」も収録。

常連客たちが各々の事情で去って行き、工藤もある理由から店を畳み、姿を消してしまう…… 工藤の過去や人間関係、そして《香菜里屋》の名前の由来などが、それぞれの作品で明らかになっていく展開で、シリーズ集大成に相応しい作品でした、、、

工藤の人生における悲しみや苦しみ…… それを乗り越えて《香菜里屋》を開いたことは、彼にとって救いだったでしょうね。

《香菜里屋》は、待つための場所だったんですねー 他のシリーズのキャラクターも登場しているようですが、北森鴻の作品はあまり読んでないのでわかんなかったですね、、、

個人的に好みなのは、正確無比な腕を誇る老バーテンダー・谷川が、香月圭吾の注文に応えてつくったマティーニが失敗した謎を探る『ラストマティーニ』かな…… バーマンのプライドや潔さが感じられて共感できました。

シリーズとは全く関係ないのですが、意外と印象に残ったのは、未完に終わった作品『双獣記』かな…… 飛鳥時代を舞台にしたファンタジーですが、ここから面白くなりそうな第二部で途絶えてしまっています、、、

うーーーん、残念…… 北森鴻の作品は歴史を題材にした作品も面白そうなので、機会があれば読んでみたいですね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『桜宵 香菜里屋シリーズ2』 ... | トップ | 『日曜日たち』 吉田修一 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読書」カテゴリの最新記事