じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『マーチ博士の四人の息子』 ブリジット・オベール

2023年08月05日 22時07分09秒 | ■読書
フランスの作家ブリジット・オベールの長篇ミステリ作品『マーチ博士の四人の息子(原題:Les Quatre Fils du Docteur March)』を読みました。
ここのところフランスの作家の作品が続いています。

-----story-------------
医者のマーチ博士の広壮な館に住み込むメイドのジニーは、ある日大変な日記を発見した。
書き手は館にいる生まれながらの殺人狂で、幼い頃から快楽のための殺人を繰り返してきたと告白していた。
『悪童日記』のアゴタ・クリストフがその巧者ぶりに舌を巻いたフランスの新星の叙述トリックを駆使したデビュー作。
-----------------------

1992年(平成4年)に刊行された著者デビュー作品です。

医者のマーチ博士の広壮な館に住み込むメイドのジニー・モーガンは、ある日大変な日記を発見した… 書き手は生まれながらの殺人狂で、幼い頃から快楽のための殺人を繰り返してきたと告白していた、、、

そして自分はマーチ博士の4人の息子―クラーク、ジャック、マーク、スターク―の中の一人であり、殺人の衝動は強まるばかりであると… 『悪童日記』のアゴタ・クリストフが絶賛したフランスの新星ブリジット・オベールのトリッキーなデビュー作。

病的な幼児性、陰険さ、性的倒錯等が混濁する殺人者の日記と、イキの良い饒舌体のメイド・ジニーの日記が、同時進行形で交互に描かれる展開が印象的な作品… 殺人者はマーチ博士の4人の息子のうちの1人らしく、ジニーはその正体を暴こうとするが、相手もなかなか尻尾を出さない、、、

ジニーも頑張っていて応援したくなるんだけど、前科者のうえ偽名で逃走中の身であることで行動に制約があることや、アル中により判断を誤ったり… と、なかなか真相に近付くことができない。

やがて殺人者もジニーの行動に気付き、正体不明の殺人者との攻防戦が緊迫感を増していく… 殺人犯は4人の息子のうちの誰なのか? ジニーはその正体を暴くことができるのか? 追い詰められるジニー、そして、ラストで想定外の結末が! なかなか面白かったですね。

殺人者は、4人の息子の誰でもおかしくない行動をとっているので、なかなか特定ができないんですが… まさかねー 愉しめたのですが、やや冗長な印象、、、

テンポは悪くないんですけどね… もう少し短い方が緊張感を維持して、もっと愉しめたと思いますね。

デビュー作にしては悪くないと思います… 次も、ブリジット・オベールの作品を読もうと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『死が招く―ツイスト博士シリ... | トップ | 『森の死神』 ブリジット・オ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読書」カテゴリの最新記事