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『〈5〉のゲーム』 ウルズラ・ポツナンスキ(著), 浅井晶子(翻訳)

2021年09月24日 22時25分00秒 | ■読書
オーストリアの作家「ウルズラ・ポツナンスキ」の長篇ミステリ作品『〈5〉のゲーム(原題:Funf)』を読みました。


「アンドレアス・グルーバー」「シュテファン・スルペツキ」に続き、オーストリアミステリです。

-----story-------------
オーストリアのザルツブルク近郊の牧草地で、女性の他殺体が発見された。
遺体の足の裏に彫りこまれていた座標が示した場所には、切断された片手と、人探しを指示する奇妙な手紙があった……。
不可解な事件に挑むことになったのは、州警察の刑事「ベアトリス」「フローリン」
二人はとぼしい手がかりから犯人を追うが、犯人は警察の裏をかき、ついには「ベアトリス」に直接呼びかけてくる。
ドイツ語圏で20万部を突破したオーストリアのベストセラー・ミステリ!
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2012年(平成24年)に刊行された作品でザルツブルク州警察殺人課の刑事「ベアトリス・カスパリー」を主人公としたシリーズの第1作… 『ジオキャッシング』というGPS/GNSSを利用した地球規模で行なわれている宝探しゲームが重要な鍵となる連続殺人ミステリです、、、

ウィキペディアによると、2017年7月現在、有効なキャッシュは世界に300万個以上設置されており、ゲームの参加者数は全世界で600万人以上とのこと… 本作品で初めて知りましたね。


オーストリア・ザルツブルク近郊にある牧草地で、女性の他殺死体が発見される… 死体の足の裏には奇妙な数字が彫られていた、、、

それが、緯度と経度を示す座標であることを知ったザルツブルク警察殺人課の刑事「ベアトリス・カスパリー」は、同僚の「フローリン」とともに座標の示す場所に向かう… そこには、容器が隠されており、中には切断された人間の片手と「歌手を探せ」との手紙が入っていた。

さらに、その歌手の生年から新たな座標を導き出す方法が書かれていた… 手紙は殺された女性の筆跡だった、、、

同僚のひとりでジオキャッシングが趣味の「シュテファン」が、事件とこのゲームとの相似に気付く… 「ベアトリス」たちは苦労して歌手を探し出すが、得られた座標の場所には、新たな容器と手紙があった。

犯人の目的はなんなのか… 最初に死体で見つかった女性、切断され容器に入れられて見つかる体の持ち主、それに手紙で次々に指示される、探し出すべき人物、、、

彼らの間にはどんな繋がりがあるのか… 謎はどんどん複雑に絡まっていく。

そしてあるとき、「ベアトリス」の携帯電話に、犯人から謎のメッセージが――。


動機となったのは過去の忌まわしい事件でしたねー 被害者にとっては絶対に許せない事件でした、、、

真犯人が次のターゲットを探すために警察を利用したり、被害者と思われた人物が加害者だったり、終盤は「ベアトリス」が犯人に捕らえられ危機一髪の状況に陥ったりと、最後まで興味を惹きつけられて飽きずに読めました… でも、約600ページですからねー できれば400ページくらいで、コンパクトに巧く纏めてほしかったですね。

「ベアトリス」を中心に、理解のない上司との軋轢や家族との葛藤、同僚への淡い恋心等、登場人物が等身大で描かれているのも良かったですね… 

「ベアトリス・カスパリー」を主人公としたシリーズは、2015年(平成27年)までにオーストリアでは3作が刊行されているようです… 日本では知名度が低いようですが、ぜひ、翻訳してほしいですね。


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