醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより   41号   聖海

2014-12-25 12:10:45 | 随筆・小説
 
従軍慰安婦報道について感じたこと 2014.12.25

 朝日新聞社の「吉田証言」に基づく慰安婦報道が誤報であったと読売新聞、
産経新聞、週刊誌等が厳しく、朝日新聞を糾弾した。朝日バッシングを読み、
誤報は誤報として朝日新聞が認めたうえで謝罪すれば、それで済むものだと
思っていた。がそうはならなかった。慰安婦はいたが、韓国・朝鮮、中国人
女性を強制的に慰安婦にしたという証拠はない。慰安婦はいたが、従軍慰安
婦はいなかった。特に諸外国に日本の新聞が自国を貶める報道をした。この
ようなバッシングが長々と続いた。異例なことに朝日新聞社長が謝罪する事
態になった。さらに元木村伊量(ただかず)社長が謝罪してもバッシングが終
わることはなかった。
 12月22日、朝日新聞「慰安婦誤報問題」について、第三者委員会が報告書
を公表した。その中で岡本行夫、北岡伸一両委員は朝日新聞の報道が「韓国
における慰安婦問題に対する過激な言説をいわば裏書きし、さらに過激化さ
せた」と指摘した。一方、波多野澄雄委員は報告で「朝日新聞の吉田氏に関
する『誤報』が韓国メディアに大きな影響を及ぼしたとは言えない」。林香
里委員は報告で「朝日新聞による吉田証言の報道、および慰安婦報道は、国
際社会に対してあまり影響がなかった」という意見もあった。
 単なる公娼制度下の慰安婦ではなく従軍専門の慰安婦がいた。これが私の
見解である。「慰安所とは将兵の性欲を処理させるために軍が設置した兵站
付属施設」であると永井和京都大学文学研究科教授が述べている。兵站付属
施設である慰安所が将兵の性欲を処理する施設である以上、その施設で働く
女性が従軍慰安婦であることは間違いのない事実であろう。このような事実
を無かったものにしてしまう自由主義史観とはいかがなものであろう。この
ような歴史観に立つ安倍首相はアジア諸国に対して日本の尊厳を守ることが
できるのだろうか。疑問である。自国にとって受け入れがたい事実であって
も、その事実を認め、アジア諸国に謝罪してこそ、初めてアジア諸国に受け
入れてもらえるのではなかろうか。




 

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